面白く、そして下らない

私は批判をして何かを為した気になっている大衆の一人に過ぎないが、何か少しでも波紋を起こす小石になれればと書いている。

凡庸な悪「財務省」

2019-08-19 23:46:25 | 経済
「凡庸な悪」と書いたが、ユダヤ人学者であるアンナ・ハーレントについて書くわけではない。申し訳ないが、彼女についてそれほど詳しいわけではない。著書の邦訳『エルサレムのアイヒマン』も読んでいない。

財務省についてだ。財務省(旧大蔵省)がなぜ何十年も省を上げて消費税に拘るのか。それについて記事にしたい。

消費税導入時の理由は税制の直間比率の是正だった。戦後の税制は「シャウプ税制勧告」により直接税が中心になった。所得税の累進課税制度によりそれが高度経済成長の基になった。

しかし財務省(当時大蔵省)と自民党は消費税導入を執拗に行おうとするようになった。直接税中心で何の問題もなかったのにだ。消費税導入を図ったのは大平正芳首相だ。国民を苦しめる諸悪の根源といえよう。

三木内閣で戦後初めて赤字国債が発行されたことに当時蔵相であった大平正芳は深く恥、「一生をかけて償う」とまで側近に誓ったという。

野田佳彦そっくりではないか。民主党の「消費税増税はしない4年間は議論もしない」という公約を破り捨て、党内の反発をねじ伏せて消費税増税を実現させた。その「信念」はまさに二二六事件の青年将校に勝るとも劣らない。「愛国心はならず者の最後の拠り所」という箴言の真実

二二六事件の反乱将校らは国民生活が窮乏するなか「何かをしなくてはならない」と考えた時点まではまだ同情の余地があるのかもしれない。しかしそれが重臣の殺害とクーデターでは過った「信念」と言わざるを得まい。重鎮を殺害された海軍はいきり立ち、昭和天皇が断固鎮圧を命じなければ内戦の可能性さえあったのだ。

大平内閣が一般消費税導入を閣議決定したのが昭和54年1月。竹下内閣で3%の消費税が導入されたのが平成元年4月。大平正芳が決めた路線が後継内閣に脈々と受け継がれているのだ。

また大平正芳は「小さな政府」論者だった。小泉純一郎、安倍晋三のグローバリズム路線も大平正芳の決定を踏襲している。40年前の毒が今回ってきているわけだ。

大東亜戦争も満州利権を米国と分かち合っていれば、あるいは日英同盟が解消されなければ起こらなかったのではないか。そう言われる。直前でもやりようはあっただろうが、歴史は繋がっているのだ。

橋本龍太郎が大蔵省を解体する前は大蔵官僚にはマトモな人材がいたのだが、みな粛清されてしまった。消費税増税を実現させることが出世の道筋となり、消費税増税思想の持ち主が事務次官になり部下も消費税増税思想の持ち主を引き上げる。

消費税増税は過っているのだが、彼ら財務官僚は思いもしない。間違った方向に一生懸命かけていく。それが国民生活が窮乏する理由だ。思想があるわけではなく、ただ消費税増税をすると出世するだけだった。まさに「凡庸な悪」である。

橋本龍太郎は平成13年の自民党総裁選で自分が実行した消費税増税と緊縮財政のせいで「私の友人も自殺した。国民にお詫びしたい」と反省の弁を述べたが、国民はまたあの馬鹿かとうんざりしていた。

結局小泉純一郎が首相に就任し、もっと酷くなった気もするが、橋本龍太郎は支那や韓国に必要もない謝罪ばかりする売国奴だったからどのみち駄目だっただろう。安倍晋三と同じで、駄目な奴は何をやらせても駄目なのだ。

今では首相官邸の経済財政諮問会議や規制改革推進会議などの有識者会議が存在し、財務省や財界の息の掛かった「民間議員」が多数存在し、政府を牛耳っている。

大平内閣でも様々な「政策研究会」が存在し、なかでも全学連元委員長だった香山健一が土光敏夫に見出だされ、政府を牛耳ったようだ。現在であれば竹中平蔵であろう。

ゴリゴリの共産主義者を政府に引き入れるなどどうかしている。戦前近衛内閣に入り込んだ朝日新聞記者の尾崎秀美ではないか。自民党もこの頃からおかしくなっていったようだ。

そして安倍晋三が推進するグローバリズムは香山健一の提唱する路線から一歩も出ていないという。まさに歴史は繋がっているのだ。

自民党は腐りきっているから内部からは変わらない。民主党に政権交代しても駄目だったのは証明済みだ。立憲民主党では駄目なのだ。

そうすると山本太郎のれいわ新選組しかないが、どうだろうか。支持率は共産党に並んだそうだが。山本太郎は「左派」なのだ。そこが支持を躊躇わせる。

自分でも現金だと思うが、舩後靖彦議員が保守寄りの思想の持ち主だとわかったので期待したいものだ。


参考文献
三橋貴明著『米中覇権戦争残酷な未来透視図』


カテゴリー変更。

コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« マスコミの世論調査は信用で... | トップ | 上皇陛下の歴史認識 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

経済」カテゴリの最新記事