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書評『日本株独学で60万円を7年で3億円にした実践投資法』

 

 

この本、タイトルはうさんくさいことこの上ないですね。

『明確なる大口参加銘柄』だとか

『空気から金をつくりだす』系に見えるかもしれませんが、

中身はきわめてまとも。

 

株の初心者にはうってつけの本だと思います。

投資家として初心者こそ脱したものの、

いまだにしっぽに殻をつけた状態の自分も参考になるところがたくさんありました。

 

本の前半部分に書かれているのはどうやって銘柄を探すか、そしてそのうちから買うべき銘柄をどうやって選ぶかです。

 

実際 に 投資 す べき か どう かは、 どう やっ て 判断 し たら いい の でしょ う か。   基本 的 な 判断 基準 は、

 

・その 銘柄 の 真 の 価値 と 株価 に「 ギャップ が ある か」

・その ギャップ が 埋まる ため の「 きっかけ が あり そう か」  

 

の 2つ を 考え ます。 両方 に 当てはまれ ば 投資 対象 となり ます。

 

ギャップのある例としては、

・業績的に上方修正が見込まれるのにもかかわらず、株価が上方修正を織り込んでいない。

・赤字のため株価は低く抑えられているが、近いうちに黒字化が見込める。

 

などがあげられています。

そして、どういうサイトを使い、どういうところに注意して、買いかそうでないかを判断すればいいかが具体的に書かれています。

 

この本であげられている四半期決算の進捗率を見て上方修正を先回りして買うといった投資法は基本的なものです。

別に目新しいものではありません。

しかし、基本的なもの だからこそ、重要だともいえるわけです。

こうした基本的な投資法が陳腐化することはないでしょうから。

 

さて、基本的な手法の解説が続く前半部分に対して、後半部分では筆者が具体的にどういった銘柄を売買して成績をあげたのか、に筆が移っていきます。

この部分が個人的にはとても面白かった。

 

ちょっと長くなりますが、抜粋してみます。

 

 

1つ め の 事例 は リーマン・ショック 前 に 投資 し た、 新興 不動産 会社 の「 グローバル 住 販」( 現、 T H E グローバル 社) です。

  2008 年 5月、 リーマン・ショック 前 に 一時的 に 日 経 平均 が 戻り 始め て い た 時期 の 話 です。   私 は 掲示板 を 巡回 し て いる 時 に、 この 会社 の 名前 を 目 に し まし た。 とんでも ない 上方修正 を し た と。 それ は 調べ て み なけれ ば と、 早速 その 日 に 出 た 決算 短信 を 読み込み まし た。   5 万 円 台 の 株価 に対し、 1 株 当たり 純利益 が 第 3 四半期( 3 Q) 時点 で 4 万 8000 円 です。 PER 1 倍 台 など、 第 4 章 で 示し た 偽り の 低位株 で ない 限り あり 得 ない 数値 です。 しかし、 決算 短信 の 中身 を 確認 し た 限り、 4 万 8000 円 の 1 株 当たり 純利益 は 本物 でし た。   不動産 会社 は 業績 が 景気 に 左右 さ れ やすい ため、 PER は 他 の 業種 に 比べ て 低め になり がち です。 それでも、 しっかり 利益 を 出し て いる 会社 の PER が 5 倍 を 切る こと は まず あり ませ ん。

 

  そこ から 私 は、 株価 24 万 円 くらいは 行く と 計算 し まし た。 PER 5 倍 に なる 株価 です。   次 の 日 から 買い 注文 を 入れ ます が、 当然 の こと ながら ストップ高 に 張りつい て 買う こと が でき ませ ん。 しかし、 私 は 妥当 株価 24 万 円 という 自己 判断 が あり まし た ので、 迷う こと なく 成行き で 買い 注文 を 入れ まし た。  

(中略)

成行き注文の中でも大口の買いが優先されて1株も買えることなく、株価は10万円まであがりました。

 こうなると、買えないと諦めたり、買った後に急落するのではと思う人が出てきて、買い注文の量は減っていきます。

 持っている人も株価の急騰に怖くなり、寄り付いた瞬間に急落するのではないかと考えるようになります。そのため、とりあえず売り注文を入れておいて、引け前に売り注文をキャンセルする人が増えてきます。これが普通の人間心理です。

 

 

結局、筆者は数日のストップ高のあと、10万円ちょっとの株価でグローバル住販の株を買うことができました。

 数日前まで5万円代だった株を10万円で全力買いしてるんですね。しかも、連日のストップ高のなか、他の銘柄を売って、資金をすべて集中させています。

 

結局、この筆者は10万円でかった株を18万円で売却。たった2週間で、資産を急激に増やしています。

 

ここらへんが自分だったら、真似できないところだなあと感嘆します。

そもそも1銘柄にすべての資金を突っ込むということが、怖くてできません。

しかも、いくら好業績とはいっても不動産銘柄ですから。

今、私は不動産株であるプレサンスコーポレーションを持っていますが、過大なポジションはとってないですし。

リーマンショック前後の不動産株の栄枯盛衰を見たら、当然、そうなります。

 

だけど、若くして資産を築いた投資家の人は、のるかそるかの大勝負を経験してる人が多いように感じます。まあ、勝負所でそのままこけてしまって投資から引退してる人もまた星の数ほどいるんでしょうけど。

 

 

日本株独学で60万円を7年で3億円にした実践投資法