晩婚晩産家のお金事情

晩婚で晩産な我がBB家のお金事情を中心に

延長保証を付けるべきか?

PCの調子が悪いです。

春先からときどき起動に失敗する現象が起こっていたのですが、その頻度がだんだん高くなってきました。

8年も働いてくれたマシンなので、感謝しつつ引退していただき、新しいものを購入しようと思います。

 

さて、PCや家電製品を買うと、一般的に1年の保証がついてきますよね。

このメーカー保証に加えてオプションで保証期間を延長可能できる場合があります。

 

無料の長期保証を売りにしている家電量販店もありますが、有料の場合は4年延長(メーカー保証と合わせて5年間)で製品価格の5%くらいの料金がかかるようです。

この有料の延長保証は付けるべきでしょうか。

 

いきなり結論めいたことを書きますと、原則は各種の保険と同じ、つまり、

  • 少なくとも販売側が損になる料金にはなっていないはず
  • したがって、統計的には消費者側が損
  • その上で故障リスクを全額引き受けられないなら付けるのもあり

ということになるのではないかと思いますが、果たして...

 

PCや家電製品の故障率は、

  1. 初期に高くてだんだん落ち着く
  2. その後は低い期間が続く
  3. 最後に故障が高まっていく(つまり「寿命」ですね)

という経過をたどるのだそうです(「バスタブ曲線」。もう少し詳しい説明は、たとえばここ)。

 

なるほど、なるほど。

まず、「5年保証」の5年目がまだ「バスタブの底」なのか、故障率上昇期に入っているかが問題なわけですね。

 

生活家電が5年くらいで壊れる印象はないですが、どうでしょう?

冷蔵庫、洗濯機、テレビ、炊飯器...。結婚時に買った家電はみな、この10年元気に働いてくれています。

 

ノートPCなどは、持ち運んでいじめられるせいか、生活家電ほど丈夫ではない気がします。

とはいえ、5年以内に10台に1台壊れるほどでもないかなあ。

 

ちゃんと調べれば故障率が書かれた文献が見つかるかもしれませんが、とりあえず2~3年目は故障率1%、4年目で2%、5年目は6%に上昇という故障率を想定します。また故障時の修理費用は、一律で購入価格の30%としました(表1)。

「期待修理費」は故障率に修理費用を掛けた値です(購入価格を100%とした相対値で表記)。

 

表1 故障率と修理費用の想定

経過年 故障率 期待修理費
2 1.0% 0.3%
3 1.0% 0.3%
4 2.0% 0.6%
5 6.0% 1.8%
累計 10.0% 3.0%

 

期待される修理費用の累計3%に対して5%の保証料は損ではありますが、安心料込みと考えたら、まあ払う気になる人も多いかと思います。

 

ところで、あなたはノートPCを5年使いますか?

「はい」「いいえ」どちらもいらっしゃいますね、たぶん。

 

これを6年、7年と延ばしていくと「いいえ」が増えていくはずです。

 

長持ち派にとっても5年後のPCはそろそろ買い替え時であり、その価値は新品時の何分の一かに下がっているわけです。

 

10万円で購入したPCが5年目に故障したとして、修理に3万円かかるといわれたら、私なら修理せずに買い替えるでしょう。

 

そこで減価償却を考慮してみます(表2)。

 

5年で買い替える想定で、1年ごとに価値が20%ずつ減っていくとします。

その価値に故障率を掛けると、発生しそうな損害額になります(「期待損失」欄。購入価格を100%とした相対値で表記)。

 

表2 減価償却を考慮した損失額

経過年 故障率 期待修理費 価値 期待損失
2 1.0% 0.3% 80% 0.800%
3 1.0% 0.3% 60% 0.600%
4 3.0% 0.9% 40% 1.200%
5 5.0% 1.5% 20% 1.000%
累計 10.0% 3.0%   3.6%


 
故障したら一切修理せずに廃棄すると、3.6%の損失が発生することになります。

こちらも5%の保証料より安いです。

 

実際は、修理費を実費払いする場合、価値が修理費を上回るときだけ修理するでしょうから、保証料前払いはさらに不利になりそうです。

 

前提となる故障率や修理費用がいいかげんなので、「だから長期保証は無駄」という根拠にはなりませんが、この2倍くらい壊れると想定してようやく「元が取れる」レベルです。

やっぱり、あまりお得ではなさそうですね。

 

というわけで、最初に書いた結論に至りました。

 

延長保証を付けるべきかどうかは、原則は各種の保険と同じ、つまり、

  • 統計的には消費者側が損
  • その上で故障リスクを全額引き受けられないなら付けるのもあり

 

どうやら得にはならないけれど、「買って1年+1日で故障」(よく「ソ〇ータイマー」とかいいますよね)のショックに耐えられない人や、不意の出費を避けたい人には、延長保証は価値あり、だと思います。

 

実際に保証をかける場合、自然な故障、災害、使用者の過失、盗難などをどこまでカバーするか、また補償額の上限など、保証の条件にも注意が必要ですね。

 

最後に、スマホの月額制補償サービスはどうでしょうか。

落下や水没など不注意による故障の補償されたり、代替機の貸出しがあったりとサービスが手厚い代わりに、保証料が月額300円から500円くらいかかります。

 

自然故障だけを考えると、ずいぶんお高いですね。

それだけスマホは故障が多いのでしょう。

でも並外れておっちょこちょいな人は別として、注意深く扱う、スマホケースを付けるなど、できるだけ破損を防ぐ対策をし、それでも壊れたときは潔く修理費を払うか買い替える方が、お得になる気がします。

 

以上、長いわりに身のない話にお付き合いくださいまして、ありがとうございました。