とにかく書いておかないと

すぐに忘れてしまうことを、書き残しておきます。

最近の日本は褒めすぎ?

2020-02-16 09:31:14 | 社会
 一昔前は日本の教育は叱ってばかりだった。しかし最近はそれが逆転している。とにかく褒めるようになった。確かに褒めることはいいことである。しかし今はそれが度を越している。

 学校教育の中では、今は褒める指導が基本になっている。良いことである。いまだに旧態依然と叱ってばかりいる教員もいる。確かにそれによって生徒は無理矢理勉強する。成績も上がる。しかしそれによる代償は大きい。不登校になる生徒も出てくるし、そこまでいかなくても、学校を嫌いになる生徒が出てくるのである。指導する教師は「自分が嫌われ者になっても、成績を上げて志望校に合格させたい」と考えているのだろうが、行き過ぎはいいはずがない。特に近年は親からも叱られたことがない子供が多いので、厳しい指導は取り返しのつかない結果を生み出しかねない。考えてみれば誰でも叱られるのはいやである。叱られると委縮して本来の力が出せない。だから褒めたほうがいい。私もかつては叱ってばかりいたが、最近はできるだけ褒めるように努力している。自分がやられていやなことはやっぱりやらないほうがいい。

 しかし、その褒める教育は行き過ぎている。なんでもかんでも褒めすぎると勘違いが生じてしまう。だめなものはだめだと叱ることは大切なのだ。それがわからない教師が増えてきた。生徒を叱れないのである。これでは学校がレジャーランドになる。

 昨日、シネマ歌舞伎『風の谷のナウシカ』について書いた。この歌舞伎の口コミを見ていたら、みんなが褒めているのである。褒めるのはいい。しかし何の悪いところも書いていないのである。誰が見てもいい作品だったと思うはずだ。しかし少なくとも私にとっては駄作でしかなかった。

 私が心配しているのは、なんでも褒めなくてはいけないと言う声にならない圧力が生じているのではないかということである。確かに誹謗中傷はよくない。できるだけ褒めるべきことは称賛すべきだ。しかし、悪いところを悪いということは大切なことなのではないか。少なくともプロの仕事に対してはダメなものはダメと言わなければいけないのではないか。

 文化を育てる意味でも、褒めることを大切にしながらも、しっかりと叱るべき時は叱るようにならなければいけない。
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