【感想】堕天作戦 1巻 虚空処刑

感想
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「堕天作戦」は壮大で緻密な世界観に、魅力いっぱいの登場人物が織りなす一大叙事詩です。

1話の世界観に引き込まれて、2話のラストで泣けて、3話のラストで滾ります

3話まで読んでもらえたら、小説好き・漫画好きの人はほとんどの人がハマると思うのですが、

1話の序盤のグロテクスな描写(しかも絵が上手いのでリアルです)が苦手な人には、中々読んでもらえなくて勿体無いな〜と思います。

虚空処刑は、アンダーがレコベルのおかげで人としての感覚と心を取り戻すまでの話になるのでしょうか。その中で世界観の紹介などが盛り込まれています。

敵よりも味方の人間に傷つけられてきたアンダーは、逃げる気持ちも、生きる気力をなくして、
レコベル曰く活動を抑制している「冬眠状態」で過ごしていたようです。

回想シーンでの、戻ってきたアンダーにボウガンを打ち込む味方(人間)はひどいですね。
不死者なんて現代にはいないけど、いたら人間はこんな扱いをしてしまうんでしょうか。

AIとかが代用となってこういう事をしたりするのかな??

ところで回想シーンではアンダーは短髪なんですね。

復活するたびに毎回散髪するとは思えないので、この頃は短髪で復活していたのかな。

復活のメカニズムは謎だらけですが、本人の気力が関係するようなので、髪の長さも変えられる気がします。

嫌なことが多すぎて自ら痛覚も感情も麻痺させて「ボンクラ」になっていたアンダーはレコベルの「(心を)鈍くしていたら、大事なものまで見逃しちゃいますよ」という言葉に目が開きます。

とはいえ、レコベルは彼を研究対象のために数々の処刑の手伝いをしていたんですけどね。

「処刑の手伝いしてました。酷いことばかりしてごめんなさい」という謝罪に「いいんだよ」とあっさり言えるアンダーの懐の深さを見習いたいです 🙂 

レコベルは純粋な研究者として、不死者がどのように再生するかの実験だったんですよね。

実際レコベルは不死者の核心までかなり迫っていたんだと思います。

研究ノートの資料はのちに話題になりますしね。

レコベルは元々研究がしたくて軍に入ってほどの、根っからの勉強好きの好奇心旺盛の少女です。

エビに目がない様子も、ヒロインフィルターかかります!

見た目の愛らしさと純粋でキラキラした言動からか、軍でも好意的に見られていたようです。

レコベルが気球で処刑される時の兵は目を背けているような気がするし、

連隊長もレコベルの処刑に怒ってピロを裏切ったのじゃないでしょうか?

そういえばこの連隊長さん、どうなったんでしょうね。

ピロはレコベルの事をどう思っていたのかはハッキリとはわからないんですが、

「金のかかった処刑」をわざわざレコベルに用意したのは、いつもの娯楽としての処刑にみせかけて、ピロなりのレコベルに対しての手向けなのかとも思います。

司令官としてテロをそそのかした部下はそのままにはできないでしょうし。

気球が上昇する中、言葉を交わしたのをきっかけにレコベルとアンダーはお互いの身の上を話あうんですが、

アンダー:老成した達観者
レコベル:世の中に期待がいっぱいの若者みたいですね。

「あたし、この世界が大好き」

と処刑されながら言えるレコベルって本当に学者なんだな〜と思います。

アンダーにずっと前向きの言葉をかけ続けるレコベルですが、上空の寒さに体が追いつけなくなり、錯乱が始まってしまいます。

そして、

その後に「不死者さんに魔法を」かけます。

正常な時じゃなくて、錯乱後というのが本当泣けてきます。

自分が知り得なかったことをたくさん知れるように、

「心も何度でも蘇りますように」

と言い残して凍っていまいます。

アンダーは「君の魔法手遅れなんだ」といいますが、魔法めちゃくちゃ効いてますよね!

このレコベルの呪文と、その後に目撃した星によりアンダーは覚醒します。

ところで、レコベルの服から望遠鏡がアンダーの手に渡る構図って、
レコベルがアンダーに望遠鏡を託しているように見えます。
自分の成し得なかった事(世界を知る事)をアンダーに託すような。。

その後、墜落したアンダーは一度木っ端微塵になりますが、脅威の再生速度でピロの炎術を凌駕します。

「なんか調子いいみたいだ」アンダーは飄々と言いのけます。

後からわかりますが、アンダーは元々こういうキャラなんでしょうね。

靴がない事を突っ込んだり、言い回しがオシャレにズレている気がします。

本当は愉快な人格なのに磨耗しちゃってたんでしょうね。

痛覚とともに感情や気力も取り戻してくれたレコベルと星に感謝です。

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