新築 フロンさんの銀行融資Q&A

元某大手銀行で融資業務、貸出資産の自己査定等を行ないました。平成の終わりまで融資審査業務をしていました。私自身も大家さんです。コメントはFacebookで受け付けています。

なぜ銀行によって融資額が違うのか?

   同じ物件でも、銀行によって、どこまで融資を出すかが異なるのはなぜですか? そもそも、不動産の評価額が異なるからですか? という質問をいただきました。

 

 

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   不動産の評価額の算出法については、不動産経営者の間でも、かなり誤解されているところがありますので、以下のとおりでお考えいただきたく思います。
いわゆる、積算評価、と皆さまがよく、呼んでいるものです。

 

   各金融機関とも、基本的には、国税庁のホームページにある路線価を調べて、

前面道路の路線価(1平米あたりの価格)×敷地面積

  によって、土地の評価額を算出しています。

 

   例えば、前面道路の路線価が 100D
と書かれていたら、1平米あたり10万円
ということですから、100平米の土地ですと、

10万×100=1000万

といった形です。

   実際には、形状や用途地域などを加味したりして補正することもありますが、およそは、上記の算出方法で見ていただきたく思います。

   この土地の評価額は、都心に近いほど、実際に売買されている取引事例価格、すなわち、世間でいう時価、とはかなり乖離した、渋めの低い金額となるのが通例です。

 

   建物については

再調達価格(1平米あたりの価格)×建物の面積

で新築時の価格を算出し、法定耐用年数から年数経過分を減価して評価します。

 

   例えば、木造で100平米の建物で、築15年ですと

15万/平米×100平米÷22×7=477万

といった感じです。

土地と建物を合わせて、1477万が
不動産の評価額です。

 

   次に、土地と建物の評価額が出てきた段階で、果たして、その通りの金額分を融資するのかという点については、各金融機関によって考え方が違ってきます。

   厳しい都銀ですと、実際に売却した時には諸経費がかかるはずだ、という認識のもと、評価額の0.7〜0.8倍までしか融資しない、という方針をとっています。

これを、掛け目、と呼んでいます。

   

   ちなみに信金だと、1.2倍だったり、地方だと2倍、という例も聞かれました。

上記の例だと、1477万×0.7〜0.8までしか、都銀では融資がでないことになります。

よく、自己資金を2〜3割出してほしい、と言われたりするのは、ひょっとすると、掛け目が影響している可能性もあります。

 

    ですので、収益物件を買うときに、不動産仲介業者から、○○信金で、○○○○万まで融資が出ます、と言われた時には、それを鵜呑みにせず、

ご自身でもしっかりと路線価を調べて、それが本当に正しいのか、よく確認するようにしていただきたいと思います。

 

   掛け目が1.0倍以上の金融機関で融資を受けてしまいますと、他の銀行だと担保不足であると見られて、次の融資を受けにくくなる場合がでてきます。

   不動産の評価方法や評価額は、だいたいどこの金融機関も同じだけれど、掛け目が異なるから、融資額に大きな差が出てくるのだ、ということをご理解いただきたいと思います。

 

    収益還元評価については、まだまだ一般的ではないため、ここでは割愛します。

 

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