なぜ銀行によって融資額が違うのか?
同じ物件でも、銀行によって、どこまで融資を出すかが異なるのはなぜですか? そもそも、不動産の評価額が異なるからですか? という質問をいただきました。
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不動産の評価額の算出法については、不動産経営者の間でも、かなり誤解されているところがありますので、以下のとおりでお考えいただきたく思います。
いわゆる、積算評価、と皆さまがよく、呼んでいるものです。
各金融機関とも、基本的には、国税庁のホームページにある路線価を調べて、
前面道路の路線価(1平米あたりの価格)×敷地面積
によって、土地の評価額を算出しています。
例えば、前面道路の路線価が 100D
と書かれていたら、1平米あたり10万円
ということですから、100平米の土地ですと、
10万×100=1000万
といった形です。
実際には、形状や用途地域などを加味したりして補正することもありますが、およそは、上記の算出方法で見ていただきたく思います。
この土地の評価額は、都心に近いほど、実際に売買されている取引事例価格、すなわち、世間でいう時価、とはかなり乖離した、渋めの低い金額となるのが通例です。
建物については
再調達価格(1平米あたりの価格)×建物の面積
で新築時の価格を算出し、法定耐用年数から年数経過分を減価して評価します。
例えば、木造で100平米の建物で、築15年ですと
15万/平米×100平米÷22×7=477万
といった感じです。
土地と建物を合わせて、1477万が
不動産の評価額です。
次に、土地と建物の評価額が出てきた段階で、果たして、その通りの金額分を融資するのかという点については、各金融機関によって考え方が違ってきます。
厳しい都銀ですと、実際に売却した時には諸経費がかかるはずだ、という認識のもと、評価額の0.7〜0.8倍までしか融資しない、という方針をとっています。
これを、掛け目、と呼んでいます。
ちなみに信金だと、1.2倍だったり、地方だと2倍、という例も聞かれました。
上記の例だと、1477万×0.7〜0.8までしか、都銀では融資がでないことになります。
よく、自己資金を2〜3割出してほしい、と言われたりするのは、ひょっとすると、掛け目が影響している可能性もあります。
ですので、収益物件を買うときに、不動産仲介業者から、○○信金で、○○○○万まで融資が出ます、と言われた時には、それを鵜呑みにせず、
ご自身でもしっかりと路線価を調べて、それが本当に正しいのか、よく確認するようにしていただきたいと思います。
掛け目が1.0倍以上の金融機関で融資を受けてしまいますと、他の銀行だと担保不足であると見られて、次の融資を受けにくくなる場合がでてきます。
不動産の評価方法や評価額は、だいたいどこの金融機関も同じだけれど、掛け目が異なるから、融資額に大きな差が出てくるのだ、ということをご理解いただきたいと思います。
収益還元評価については、まだまだ一般的ではないため、ここでは割愛します。
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