金持ち父さん、貧乏父さん | 米国公認会計士のフィリピン税金や法律のあれこれ

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こんにちは、米国公認会計士の橋本です。

今日は、ロバート・キヨサキ氏が執筆されている金持ち父さんと貧乏とさんについてご紹介したいと思います。

 

 この本ではお金に関する知識を学ぶことの重要さを教えているのとお金を得るため、そしてお金を増やすためのステップについても解説されています。 少し古い本になりますが、たとえ出版から何年たったとしてもまだまだ彼の考え方は現在に通用すると思いますので改めて私なりの考え方も含めてご紹介させていただきます。

 

 キヨサキさんの考え方が正しいかどうかは分かりませんが、実際に彼はこれを実践してお金を得て増やしています。今の日本においても皆さんがこれからでも実践可能だと思いますので、その考え方とお金を得ること、そしてお金を増やすことについて私の私見も交えてお伝えします。

 

 この本についてのイントロ部分ではこの本をこのように紹介しています。

 「お金持ちがお金について自分の子供に教えている本」

 

 すなわちお金持ちが自分の持っているお金に対する本質的な考え方やポリシーなどのエッセンスがこの本に詰め込まれているということなのでしょう。 これを単に読み物の一つとして終わらせるのではなく少しでも自身の頭と体に覚えこませて、考え方から変えていくことこそが大切なんだと思います。 

 

 考え方を変えるだけで本当にお金を得られることなんかできるものか? 

 

 という疑問や反論が多くの方から出てくると思います。 しかし私もキヨサキ氏と同じ意見で、これに対しては「そうです」といえます。なぜなら、考え方を変えることこそが最も基本的な要素であり、最も重要なことでもあるからです。

 

 昔、経営の神様と呼ばれていた松下幸之助氏が講演でこうおっしゃってました、

 

 「会社はダム経営をしていかなければいけない」。

 

ダム経営とは、最初から一定の余裕をもった経営のあり方であり、あたかもダムに入れた水を必要に応じて徐々に流していくように、たとえば、需要に変動があった場合、品物が足りなくなったり、余り過ぎたりしないように、余裕設備を動かしたり、休ませたりして、安定的な経営を進めるというもの。それは設備だけではなく、資金、人材、在庫についても同様なのです。

 

 しかし口で言うほど簡単ではないのは、経営者ならだれもが経験することなので、聞いていたほとんどの人はできるかどうか半信半疑でした。その時、松下氏が一番の大声で客席に向かって叫ぶのです。

 

 「やれるかやらないかじゃない、やると決めることから始めるんだよ」

 

 ダム経営は松下氏の理論であって彼の経営哲学の一つだとは思いますが、全員が経営者になるわけでなないのでその考え方のについての議論は次回に回すとして、言いたいのは自分がお金持ちになれるかどうかを心配することから始めるのではなくて何事も「まず、自分がそうしようと決めることが重要なんだと思います。

 

 何かになりたいと思う多くの方にとって重要なのは、漠然となれるかどうかを心配するのではなく、まずそれを決めること、そして実践することなのです。

 

 そしてキヨサキ氏が言いたいのはお金を稼ぐために働くのではなく、お金を自分のために働かせようと考え方を変えることが重要なのです。 では素朴な疑問ですが、働かせるためのお金を持っていないとしたらどうすればいいのでしょうか。 その質問に対する答えは最も簡単かつ明快です。

 

 すなわち、「働かせるためのお金は自分で稼がなくてはいけない」ということです。

 

 「自分のために働いてもらうためのお金を作るため」に彼が言うには、まずは自分でお金を稼ぐことです。そして最も効率的にお金を稼ぐ方法は自分のビジネスを持つことなのだそうです。自分のビジネスとは会社勤めをしていて与えられる自分の役割や仕事のことではありません。自分が主体的になって稼いで来られる状況を作り出してお金を稼ぎなさいと教えています。 そして自分のビジネスが立ち上がったら経費の参入やいろいろな技を駆使してお金を稼ぐ一方で、節税をしてお金の流出を抑えなさいということです。すなわちお金ができても使うのではなく、次の投資のために貯めておきなさいということです。

 

 それは脱サラして起業しなさいという意味ではなく、たとえサラリーマンであっても自身のビジネスを持つように努力しなさいと言います。公務員であれば副業は難しいのかもしれませんが、家族に実践させることはできるかもしれませんね。

 

 そうやって得たお金で「資産」を買いなさい。 

 資産とは持っているだけで自分のポケットにお金を増やすモノ、負債とは自分のポケットからお金を抜いていくモノです。

 

 すなわち、資産とは株式や債券などのこと、一方、負債はマイホームや車などが当てはまります。

 

 マイホームを持っていると、これを資産と考えがちですが、持っているだけで修繕や固定資産税などお金のかかることばかりなのです。ですので彼の考え方によると住むところは安い賃貸でもよく、車は持たなくてもよく、ペットやゴルフなどお金のかかることも極力抑えることが重要なのだそうです。

 

 そうしてある程度たまったお金で、資産(株式や債券)などを購入してください。

 

 彼が言いたいのはたったのこれだけです。

 

 資産を買うためにお金を貯めなさい。そしてたまればそれを投資に回しなさい。

 

 

 実に簡単ですね。言うのは簡単ですが実践するのは難しいかもしれません。しかしそれこそが金持ちになる最も近道であり単純な方法だと彼は言います。

 

 

 そのほかの説明はその言葉を実践するための彼なりの方法論やそれを補足する説明でしかありません。

 

 例えば投資に回すためにお金を作り出す必要があり、最も効率的にお金を作り出せるのが自分のビジネスを持とうと言います。

 

 また、お金がたまってもそれを効率的に運用するために、4つの力が必要だということ。

 これら4つをまとめてファイナンシャル・インテリジェンスと言うみたいですが、

 

 1.会計力(お金の流れを読み解く力)、

 2.市場を読み解く力、

 3.投資力(投資するのに必要な知識、ポートフォリオ等)、

 4.法律力(法律に関する知識)

 

 労働に対する考え方についても意見を言っています。

 

  労働とはお金について学ぶためにするのは大いに良いことです

 

 そして最も重要な考え方は、

 

 お金を稼ぐために働くのではなく、自身のためにどうやってお金を働かせることができるかと考えること

 

 

 労働に対する考え方は、労働をするのはお金について学ぶためでありお金を稼ぐ手段であってはならないということですね

 

 大勢の人にとってまずは投資に回すお金を得ることが難しいとおっしゃる方が多いと思いますが、そのお金を稼ぐ方法を考え出すことがお金持ちへの最初の関門かもしれません。 そしてそれは会社から得られる給料ではなくできれば自身のビジネスから出たものであり、継続的に得られるのなら言うことはありませんね。 彼にしてみれば、そのビジネスもまた「資産」と呼べるものなのでしょう。

 

 キヨサキ氏も若いころは皿洗いや工事現場で働き、お金や社会について勉強してきたと言います。そして彼もそういったところから始めていて、お金に対する考え方をシフトし、それを実践したことで、今では一財産を築いています。

 

 投資に関する知識や会計、法律、市場を読む力などは後回しでよいと思います。

 まずは考え方を変えること、そして次に投資に回すお金を自分の力で稼いでくることから始めてみるのがいいかもしれません。

 

 

 日本の経済力はここ数十年横ばいが続いていて、外国と比べて相対的に経済力が衰えていると言います。それはある意味、確かなことなのでしょう。しかし自分自身の経済力と国の指標とは一致しません。例え国の経済力が衰えても自身の経済力を高めることはできるはずです。

 

 少しでも多くの方が経済的余裕をもって過ごしていただくことが出来ればいいなと思ってご紹介させていただきました。

 

 今日はこのへんで失礼いたします。

 

 よい新年をお迎えください。

 

 一年間ありがとうございました。