GE44tonセンターキャブスウィッチャー

 

 

 

本日もケンズ鉄道にご乗車いただき

ありがとうございます。

 

アメリカには、今なお現役で使用され

ている独自単位が数多くあります。

 

「単位?? 」

 

例えば、距離を表すインチとかフィート

とかマイルのことだよ。

 

学術界では、もう随分以前からMKS

単位系への統一が推進されています。

 

「長さはメートル、重さはキログラム、時間

 は秒を使うきまりやね (^^ 」

 

おおおー、そんな正確な答が返ってくる

とは思わなかったよー ・笑・

 

「えっへん! (^-^) 」

 

で、その重さの単位なんだけどね、アメ

リカではご存じパウンド(又は、ポンド)

が使われているんだよ。

 

在米時代、スーパーでお肉を買う時に

いちいち頭の中のグラム量をパウンドに

換算して買い物していたことを思い出

します。(1パウンド=約453.6グラム)

  

重さの大きな単位としては、パウンドを

ベースにした「ショートトン(short ton)」

なるものが存在し、1ショートトンが

2,000パウンドに等しいとされいます。

 

「ふしぎな単位やねー (^^ 」

 

このショートトンに対して、1,000キロ

グラムを表す一般的な「トン(ton)」は

「ラージトン(large ton)」と言って区別

されているんだけどね、通常は「ショート」

や「ラージ」が省略されているから紛らわ

しいんだよー (^^;;

1ショートトンは、2,000パウンドなので

キログラム換算すると約907.2キログ

ラムで、確かに通常の1(ラージ)トンの

1,000キログラムに比較して100キロ弱

不足(ショート)しています。

現代のアメリカでこのショートトンが使用

されているかどうかは不明ですが、古い

業界ではまだ生きているかもしれません

ので、「トン」と言われてもどちらの「トン」

なのか場合によっては注意が必要です。 

「日本でも、銭とか尺とか今も

 使うときあるしねー (^^ 」

 

そう、1トンで契約したのに907キログ

ラムしか納入されないと10%も損をす

るからね ・笑・

 

さて、時は1930年代のアメリカ。

鉄道業界では蒸気機関車に代わる

新しい動力としてディーゼル機関車が

登場し、徐々に置き換えが始まってい

ました。

1両につき機関士を二人以上必要とす

る蒸気機関車に対して、一人で済む

ディーゼル機関車への切り替えは、鉄道

会社にとって非常に合理的な選択肢で

した。

そのため、業界では徐々に(蒸気)機関

士の余剰が出始めていたのです。

そんな状況の中、ついに1937年、機

関士の雇用を守るために、「90,000

パウンドルール」が取り決められました。

この「90,000パウンドルール」は、

重量90,000パウンド以上のディーゼル

機関車には、必ず2名の機関士を搭乗

させるという規約でした。

 

「90,000パウンドて

 どのくらいやろ・・・」

 

えーっと、40,823キログラムだね。

つまり、約40.8(ラージ)トン。

これをすっきり書けるのが「ショートトン」

表示で、90,000パウンドはちょうど

45(ショート)トンになる計算だね。

 

「なるほど、パウンドがきほんに

 なってると、位を上げるときに

 ショートトンの方がべんり

 ゆーことやね (^^ 」

 

あくまでもパウンドを基準にしている

ところが頑固だよね (^^;

この新しい規則に対してすぐに反応

したのがGE(ジェネラルエレクトリック)

社でした。

1940年から44(ショート)トン級の

センターキャブ型ディーゼル機関車(ス

ウィッチャー)を発売したのです。

44(ショート)トンなら規則に従って

一人の人員でもディーゼル機関車を

運行できるというわけです。

GE社ではこの他に、45トン、55トン、

65トンなど様々なグレードのセンター

キャブディーゼルを製造していますが、

やはりこのような経緯から派生した

「44トン」は特別な存在かもしれま

せん。

もちろん、非力で小さな機関車です

から用途はスウィッチャーですが、多く

の鉄道会社や工業所、またアメリカ

陸軍に納入され、16年にもわたって

製造が継続されました。

そして、半世紀以上が経過した今

なお使用され続けている機体も多く

あるそうです。

 

「ほな、たくさんのカラーリングが

 ある? 」

 

あるある!

ここでは見せられないけれど、GE44

(ショート)トンスウィッチャーだけを集め

たページがあったから紹介するね。

http://thedieselshop.us/GE%2090rule.HTML

ここでは、ユニオンパシフィック、サンタフェ、

リオグランデを含む28種類もの色々な

塗装仕様(ライブリー)を見ることができ

るよ。

とかく大きなディーゼル機関車ばかりに

目が行きがちだけど、こういう外観にも

独特の魅力があるよね。 特にこの

センターキャブの姿に惹きつけられる

のはなぜなんだろうね (^-^)

  

そんなGE44tonセンターキャブスウィッ

チャーは、以前にバックマン社からHO

ゲージとNゲージで発売されています。

また、ウィリアムズ社、MTH社がOゲー

ジでも製品化している人気機種です。

バックマン社から発売されたNゲージのGE44tonスウィッチャー(一部)。 HOゲージでは10種類
以上のライブリーが発売され人気を博しました。

さすがにもうメーカー在庫はありませんが、

一部のショップやオークションではまだ

手に入る製品もあります。

 

「自分でほかのきにいった仕様に

 ぬりかえるんも楽しいねー (^^ 」

 

さっきのページの写真が参考になるね!

 

メインラインで見かけることはなく、操車

場や構内でひたすら入れ換え業務や

軽荷輸送に専念する姿は、ジオラマや

レイアウトでもよく再現されるテーマです。

GE社以外にも、フェアバンクス・モー

ス(FM)社やウィットコム(whitcomb)

社からも有名なセンターキャブスウィッ

チャーが世に出ました。

これらについては、また機会がありまし

たらご紹介させていただきたいと思い

ます。

クレッグ・ウォーカー氏のフリッカー(Flickr)より
https://www.flickr.com/photos/craig_walker/

たとえそれが錆びついた廃線の情景で

あったとしても、GEセンターキャブスウィ

ッチャーは今なお愛され続けています。 

  

それではみなさま、

また次回までさようなら (^0^)/