百年文庫『恋』より。
しろあです。
何がパワーアップしたのかというと、紹介された作品が気になったら、
ネットで直ぐ買えるようにリンクを貼ったのですな。アフィリエイトですな。
コピペは楽だといいつつも、フェイスブックの過去の記事を掘り起こすのは意外と手間です。
半年近く前の記事を掘り起こすとなると、それはまぁなかなかの労力。
ということで、先ほどフェイスブックにアップしている記事をテキストへコピーしました。
これならば開いてすぐにコピペで済むので捗りそうです。
ではコピペ、いってみましょう。
--//-- --//-- --//-- --//--
百年文庫『恋』より②
江見水蔭さんの『炭焼の煙』。
村から離れた山の谷間に炭焼きをして村に売る仕事をしている者がいた。
自然豊かな場所で、川を境に見事に咲く桜の木があり、村の富豪が花見にやってきたことがある。
その時に富豪の娘と炭焼きが出会い、恋に落ちる。
一年経つか、というころ、
炭焼きと仲の良い富豪の使いのものが「屋敷に来い、娘との婚姻が決まりみんなに紹介するそうだ」という。
嘘だと訝しながら、もしかするとと期待もしつつ屋敷に行くと、娘は立派な男性と並んで座っている。
ショックを受けた炭焼きは屋敷をで、家へ帰る。
結婚の決まった娘は自分の恋する娘ではない。自分の恋した娘は、自分の心の中にいる。
その恋人と一緒に自分は一生ここで暮らすのだ。
そう決意し炭焼きの仕事に専念、たまに買いにくるもの以外は外界との接触を断つようになった。
そして数十年が経ち……
語り手は最後にこう締め括ります。
「炭焼きの心にいる娘は、きっと花見の席でみた若い娘のままなのだろう」。
なかなか粋な作品でした。
--//-- --//-- --//-- --//--
小学生の頃、友達の好きな女の子がわかると、なんとなく冷やかしたりからかったりする子がいたと思います。
私も経験がありますが、なんでそんなことを、って思いますけど、多分、やっかみもあったのかな。
作中、自然の中で隠棲している炭焼きの純粋な心をからかう気持ちも分からないでもないけれど、
それが娘の披露宴の場であるというのは、相当きつい冗談ですよね。
思わず同情してしまいます。
これが原因でさらに外界との接触を断ち、心の中に生きる恋人の姿を思いながらひっそりと暮らす。
悲恋ではありますが、誰にも迷惑をかけない恋の姿でこれはこれで美しさを感じます。
読みやすく面白い作品ですので是非、読んで欲しいと思います。
(amazon派と楽天派の為に2つ用意してみました。価格も全然違うんだなぁ)