ビリガー・エクスポート

葉巻は原材料や製造方法によって大きく分けると、プレミアムシガーとドライシガーの二種類があるそうです。

その違いは色々とあるのですが、簡単に説明しますとプレミアムシガーはハンドメイドの高級品で、ドライシガーは機械で巻かれた常温保存ができる安価な葉巻と言われています。

つまり、プレミアムシガーは高値の花。
どう背伸びしても届きませんし、無理して分不相応なものに手を出しても仕方ありません。

なので、どうにか安くて美味しいドライシガーはないものかと、一生懸命探してみたところ。
ついにドライシガーでも美味しいよと言われている銘柄を見つけました!

それは――。
ビリガー・エクスポートです!

価格は五本入りで930円!
一本あたり186円にもなりますので、誰がどう考えても煙草代の節約とは無縁の代物。
まさに嗜好品と言うべき煙草なのです。

普段でしたら、まず手に取るこのない高級品なのですが、今回はいつも頑張っている自分へのご褒美という名目のもと、その実情は抑えられない好奇心という何とも意志薄弱な理由で買ってしまいました。
節約はどこへやらです。

でも後悔はしておりません。
ドライシガーの中でも美味しいと評判なのですから、是非試してみたいと思うのが愛煙家の性というもの。
その喫味、心行くまで堪能したいと思います。

外観

ビリガー・エクスポート

生産国はスイス。
製造は130年の歴史を持つビリガー社です。

なので当然、このビリガー・エクスポートも長い間親しまれてきた葉巻だと思うのですが――。
いくら調べても発売年は謎のまま。
少なくとも1941年には登場していますので、最低でも80年以上前に発売された葉巻だと思うのですが……。
どうなのでしょう?

整然と並ぶ四角形の葉巻は、さながら高級なお菓子でも眺めているような気持ちになります。
チョコレートやらウエハースやらカロリーメイトやら。まあ、カロリーメイトは高級なお菓子ではありませんが、とにかく思い浮かぶのはお菓子ばかり。

一度に沢山輸送できるようにあえて四角形にしているそうなのですが、たとえそれを踏まえたとしてもお菓子にしか見えません。
でも、美味しそうです。

包装紙を取れば葉巻に見えるはずと思っていたのですが、そのようなことはありませんでした。
よりお菓子感が増しています。
もう、この形である限り、お菓子の呪縛から逃れることができないような気がしてきました。

喫味

それでは早速、嗜んでみたいと思います!
――と、葉巻を手に取ってみたものの、吸口らしきものがどこにも見当たりません。
いくら眺めても見つからないのです。
数秒ほど悩んだのですが、きっとどちらが吸口でも良いのでしょうという結論に達しましたので、気を取り直して嗜んでみたいと思います。

葉巻を炙り、軽く吸い込むと――。
ほろ苦い香りとコクが口の中に広がり、その後を追うように甘い香りが押し寄せてきます。

これは――。
とても美味しいです!

大人の喫味とでも言うのでしょうか。
少々ほろ苦さを感じるものの、クセや雑味のないなめらかな煙とほのかな甘みを心行くまで堪能することができました。

ただ……。
葉巻が太すぎます。
吸口が細くなっていませんので嗜むだけでも一苦労。
葉巻の角度を変えたり、持つ場所を変えたり、縦にしたり横にしたりと試行錯誤を繰り返してみたのですが結局どれもしっくりきませんでした。
難しすぎます。

結論

いつもより高級で贅沢な煙草。
その喫味と香りは普段嗜んでいるものとはもはや別物でした。
それを葉巻の中でも比較的安いビリガー・エクスポートで堪能できるのですから大満足と言わざるを得ません。

でも少々お高いので、残りは何か特別な日に嗜もうかなと思ったりしています。

もし、安くて美味しいドライシガーを嗜んでみたいなと思われている方は是非一度試してみてください。
いつもの喫煙時間が少しだけ贅沢で豪奢なものになると思います