イタリアで慣れ親しまれている食後酒と言えばリモンチェッロです!
作り方はスピリタスにレモンの皮を一週間ほど漬け込み、そこに砂糖水を入れるだけという簡単さ。にも関わらず、その味は絶品で爽やかなレモンの香りに強い甘味を堪能することができるという優れものなのです。
そこで誰かが思ったのでしょう。
食後にリモンチェッロを嗜み、煙草をくゆらせる。
ならば葉巻にリモンチェッロの香りをつければ良いのでは――と。
そして発売されたのが――。
トスカネロ・アロマ・レモンチェロです!
価格は1050円(5本)。
イタリアのドライシガーです。
普通の葉巻とは異なる発酵方法や熟成方法をしているようで、独特な香りや味わいを楽しむことがきるそうです。
若干「独特な香り」という部分にひっかかりを感じるのですが、それでも久しぶりにリモンチェッロの香りを楽しめるという喜びの方が上ですので思う存分楽しみたいと思います!
外観
イタリア中部に位置するトスカーナ地方と言えば、世界屈指の銘醸と言われているキャンティやスーペル・トスカーナといったワインを生産している地域なのですが――。
他にもトスカーノという有名な葉巻の産地でもあるそうです。
どれほど有名かと言いますと――。
フィレンツェに来たらトスカーノを嗜むべし! と声をかけられるかどうかは分かりませんが、とにかく葉巻を嗜むイタリア人の八割がトスカーノを嗜んでいると言われるほど有名な葉巻なのです。
そして、このトスカネロ・アロマ・レモンチェロもトスカーノの名を冠していますので、美味しさは確約されたも同然。若干廉価版のような気もするのですが、それでも今から嗜むのが楽しみで仕方ありません。
……それにしても箱から発するレモンの香りが凄いです。
箱を置いておくだけで芳香剤の代わりになるのではと思えるほど部屋がレモンの香りで満たされます。
葉巻の見た目はかんりんとうです。
一応、機械で巻いていると書かれていたのですが、その形状はあまりにも個性的と言いますか、自由奔放と言いますか、あまり機械らしくありません。
くねくねと波打っているものや湾曲しているもの。煙草葉が破れていたり穴が開いているものなど、世界にひとつだけの葉巻と言えば聞こえも良いのですが、どうしても武骨な印象を受けてしまいます。
でも、すべて同じ形のものよりも個性的な形をしているものの方が愛着が湧くというもの。
これはこれで特別な感じがしてつい嬉しくなってしまいます。
ちなみに葉巻はフィルム包装がされていません。
箱を開けたら葉巻がそのまま入っています。
なので葉巻の管理はとくに気にしなくても良いような気がするのですが……どうなのしょう。
喫味
それでは早速、嗜んでみたいと思います。
葉巻を炙り、軽く吸い込むと――。
深みのある煙草葉の香りに強いコク。そして、それを追いかけるように甘いレモンの香りが広がります。
これは――。
とても美味しいです!
箱から発せられるレモンの香りが強烈でしたので、それなりに覚悟を決めていたのですが、実際に嗜んでみますとあまり気になりません。
ほどよいレモンの香りが鼻をくすぐります。
ただ、リモンチェッロなのかと言われますと……。
確かにレモンの香りを楽しむことができるのですが、バニラのような香りも少し感じますので、リモンチェッロと言うよりもレモンカスタードに近いような気がしてしまいます。
でも、それは些細なこと。
たとえ喫味がレモンカスタードに感じたとしても、とても美味しいのですから何も問題はありません。
30分もの間、心行くまで喫味を堪能することができました。
結論
あまりにも風変りな着香ですし、価格も価格ですので、もし失敗したらどうしましょうとひやひやしていたのですが、杞憂に終わりました。
今ではトスカネロ・グラッパやトスカネロ・アニスと言った他の着香はもちろんのこと、価格さえ気にしなければ本家本元のトスカーノ・クラシコも嗜んでみたいなあと思っています。
それほど美味しい喫味でした。
興味のある方は是非試してみてください。
深みのある煙草葉の香りと爽やかなレモンの香りを心行くまで堪能することができると思います。