怪談備忘録

ネットを始め、様々な怪談を集めてみました。

集団ストーカー 影武者

集団ストーカー被害者の「あかさたな600」さんは

もう10数年も監視被害を訴えていた。

 

お前らは犯罪者だ!

 

すれ違う人の多くに、そう怒鳴りつけていた。

 

カルトの工作だ!

 

あかさたな600さんは、某新興宗教団体が犯人だと目星を付けた。

 

ネットで有名なあかさたな600さんは、偽物が現れていた。

 

「あかさたん666」と名乗った暇人は、ただの遊びだった。

 

しかしあかさたな600さんは、深刻に怯えた。

 

あかさたな600さんは、世界的な陰謀結社に命を狙われていると

そう思い込んでしまった。

 

科学結社イルミネーションは、クローン技術を悪用してると噂されていた。

 

ある日、あさかたな600さんの母は、吹き出物が出来た。

 

吹き出物はいつしか癒えたが、ホクロのような跡が残った。

 

あかさたな600さんは、母の顔が変わったことに気付いた。

 

母が、クローンと入れ替わったと思い込んだ。

 

「お前は偽物だ!母を返せ!」

 

あかさたな600さんは母に怒鳴りつけ、ネットで被害を報告した。

 

それに目を付けたあかさたん666は、便乗した。

 

あかさたん666の名に於て命ずる、秘密を「あかさん」「かあさんだ」

 

意味はなかった。

 

あかさたな600は、母に詰め寄った。

 

「教えろ!母さんはどこだ!何が秘密だ!」

 

あかさんた666はプレゼントするよ、メイドの土産。

あかさたん666は、無意味に書き込んだ。

 

あかさたな600は、クリスマスが悪魔の祭典だと思い込んだ。

プレゼントに母さんの死体が贈られると、不安がよぎった。

 

時間がない。早くしないと手遅れになる。

 

あかさたな600は、母を恫喝し、暴力をふるった。

 

それをネットに公開してしまった。

 

その動画は世間の好機の目に晒され、

あかさたな600は、犯罪者として認知されてしまった。

 

あかさたん666の手により、あかさたな600は

被害者と加害者をすり替えられた。

 

あかさたん666はあかさたな600を「たなかさあ」と呼び続けた。

 

あかさたな600は「さあ田中」と声が響くようになった。

 

「さあ田中!さあ田中!田中さぁ…!さぁ田中!」

 

あかさたな600の隣に住んでた田中さんは、

いつしか集団ストーカーの工作員にされてしまった。

 

あかさたな600は、田中さんが母をかくまっていると思い込んだ。

あかさたん666は、「さぁ田中!さぁ田中!さぁ田中!」と言い続けた。

 

あかさたな600は、田中さんに殺される!!そう思い込んだ。

 

殺される!殺される!殺される!

 

「さぁ田中!さぁたなか!さぁかたな!さぁ刀!さぁ勝たな!」

 

「うわぁぁ!」

 

あかさたな600は、田中さんに刀で殺される!と信じ込んだ。

 

「さあ田中!さぁ刀!さあ!さあ!さぁ!さぁぁ!さぁ!さぁぁぁ!」

 

あかさたな600は「やれ!やれ!やれ!」と、頭の中で鳴り響いた。

 

「母を返せ!田中!」

 

あかさたな600は、全身全霊で飛び掛かり、

止めに入った母と田中さんをナタで切りつけた。

 

二人を「赤」に染め上げた後、田中さんの家に

母の姿は「なかった」。

 

赤サンタ666は、あかさたな600にプレゼントした。

赤サタン666は、あさかたな600を冥土に送った。

 

あかさたな600は、母を殺してしまった。

 

母の居場所を問い詰められた田中さんは「さあ?」と言い残し果てた。

「さぁ」「さあ」「さぁ」「さあ」

 

秘密は明かさん。秘密は赤サンタ。秘密は赤サタン。

 

666「さぁ!さぁ!さぁ!」

 

あかさたな600よ!

 

「さぁ!!」

 

あかさたな600の凶行は、まだ終わってはいなかった。

 

 

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手を振る同窓生 ※意味が分かると少し怖い話。

彼女の名前は「小口菜摘」

 

故郷の同窓生で、憧れのマドンナ。そして幼馴染だった。

 

僕は久しぶりの帰郷で「コロちゃん」に会えると、胸が高鳴った。

 

母にはこの日に帰ると連絡してあった。

 

新田駅」に着き、ふるさとの地に足をつけた。

 

道路を挟んだ先に手を振りこちらを見る女性がいる。

 

「?」

 

どこか彼女はコロちゃんに見えた。

 

顔を確かめようとしたら女性の前にトラックが横切る。

 

次の瞬間、女性は姿を消していた。

 

駅の人込みの喧騒で、意識は途切れた。

 

僕は昼食を取り、近くの神社にお祈りをした後、家に帰った。

 

そして愕然とした。

 

コロちゃんが、今日亡くなった、と母は言う。

 

今日?

 

一瞬目の前に現れた女性はコロちゃんだったのだろうか?

 

死んだことに気付かずに、僕に会いに来てくれたのだろうか?

 

コロちゃんは、新田駅より1km先で遺体で発見されたらしい。

 

事故死だった。

 

 

 

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白石くんはお歳暮でもらったカニを食べていた。

「こいつら間抜けだよな。食べるのに便利な体しやがって。」

そう言いながら足の先からへし折り、間接ごとに一つ一つたいらげていった。

ふとその時、一匹のカニが動いたかのような錯覚が見えた。

「?気のせいか…。」

次の日、白石くんはつまづいて足首を骨折した。

その次の年、白石くんは膝を骨折した。

さらに次の年、股関節を骨折した。

それから毎年、手首を折り、肘を折り、肩の骨を折った。

白石くんは、毎年骨を折っていたが、少しずつ骨折した箇所が上に向かっていることに、薄気味悪さを覚えた。

「このままじゃ、来年骨折するのは…。」

白石くんは来年のために、生きたまま売られていたカニを購入し、海に逃がしているそうだ。

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花火

加奈子、好きだよ。

 

当時の恋人の隆浩は、打ち上がる花火を背に私を見つめて、そう言った。

 

その後、私たちは別れた。

 

隆浩は、あまり好きになれなかった。

 

どこか、頼りなくていつもやきもきしてた。

 

隆浩は別れたくないとしつこく私に付きまとった。

 

今では他に彼氏がいる。

 

そんな私は今の彼氏と花火に来た。いつか隆浩と来た花火会場だ。

 

ふと、隆浩の気配を感じたけど、気のせいかな? 私はあまり気に留めることなく、花火に夢中になっていた。

 

加奈子、好きだよ。

 

そう呟くような声に照れながら横を向くと、彼氏は夜空に上がる花火をじっと見ていた。

 

え? 今の誰?

 

「好きだよ。」

 

はっきり聞こえた。

 

それは…隆浩の声だった。

 

薄気味悪さを感じ、周囲を見渡してみても、隆浩の姿はなかった。

 

どこらからか視線を感じる…。

 

私は、視線を感じる方を…花火を見上げた。

花火の中に、隆浩は居た。

 

花火が、一つ、打ち上がる度に、隆浩は、囁いた。

 

「好きだよ。」花火が上がる。

 

「ずっと見てる。」花火が囁く。

 

「離れないから。」花火が散る。

 

夜空に打ち上がる大輪の花火は、隆浩の顔となって、花火が終わるまで、私に愛を囁いた。

 

私は金縛りに遇ったように身動きが取れず、隆浩の散ることの無い夜空の執念に、呑まれてしまいそうだった。

 

私は毎年、隆浩に会いに行く。

 

隆浩の執着を終わらせるため、彼氏と一緒に、花火を見上げる。

 


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虫の霊

 

田中正男(仮)さんは、霊感が人一倍あった。

 

人はもちろんのこと、動物の霊も日常的に見ていた。

 

しかし、ある疑問が田中さんには付きまとっていた。

 

人も動物も霊があるなら、なぜ虫の霊は見えないのか?

 

その疑問を晴らすべく、田中さんはとある実験を試みた。

 

最初の内は踏み潰された虫を夜にじっと見ているだけであった。(それでも幾分か気持ち悪いが。)

 

見える気配が一向に無い田中さんは、虫を殺してみることにした。

 

無益な殺生で虫達は次々に殺されていったが、田中さんは「霊が見えない」と、その手を止めることはなかった。

 

人の霊は夢枕に立つ。

 

そのことをふと思った田中さんは、殺した虫たちを、自分の枕に詰め込んでいった。

 

虫の死骸で一杯になった枕の寝心地は想像に及ばないが、田中さんはこれなら見えるかもしれないと満足そうに眠りについた…が、やはり見えなかった。

 

田中さんは虫の霊が、見えない、見えない、とうなされるように、来る日も来る日も虫を殺しては、寝床に持ち込んでいるという。


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留子さんの家

青森の古民家に住んでいた高守留子(仮)さん。どこにでもいるごく平凡なお婆ちゃんで、その家族も一緒に暮らしていた。

留子さんは家でじっとしているよりも、近所の家に遊びに行っては茶飲み仲間と話しを咲かせることが好きだった。

誰からも慕われる留子さんは人がよく、無理な頼み事でも嫌な顔もせず引き受けてくれていた。

その優しい性格が災いした。

高守家の年長者は夫に先立たれた留子さんなので、家や土地の権利は留子さんに任されていた。ある日付き合いの長い酒屋の爺さんが、店の資金繰りが厳しいからと借金の保証人になってくれないかと、留子さんに頼んだ。

お人好しの留子さんも悩んだが、付き合いが長く信頼していたため、快く引き受けてしまった。

酒屋の爺さんは店の経営としたのは建前で、息子が不倫相手にのめり込み、そのゴタゴタで裁判費用が必要だったらしく、留子さんが保証人に必要だったのは、その費用を捻出するためであった。

返す宛の無い酒屋の爺さんは、家も土地も売り払ったが、借金は残ってしまった。息子は不倫相手に会社の金を使い込んでいたのだ。

留子さんは家も土地も奪われてしまった。愛想を尽かした家族は留子さんの元を離れた。家族も財産も失った留子さんは、ストレスと今後の生活の不安から倒れ、病院に入院することとなってしまった。

奪われた家は、取り壊すことが決まった。長年、夫婦に家族と住んでいた家が壊されると聞いた留子さんは、あまりの悔しさに身を震わせていた。

解体工事が始まった日、近所の人が集まる中に、留子さんの姿もあった。近所の人は気の毒で、声をかけることも出来なかった。

留子さんは地べたに正座で家が壊される様をじっと見ていた。泣きながら読経し、しきりに家族の名前を呼んでいた。先祖に顔向けできないと、ただ涙を流し後悔をしていた。

日も暮れかけ、みな帰路についた後、留子さんと仲の良かったお婆ちゃんが心配になり、病院へと見舞いに行った。

病院へ赴くと、留子さんはすでに病室で横になっていた。先刻は辛いものを目の当たりにしたねと話をすると、留子さんは訝しげな顔をする。

留子さんはまだボケていないように見えたが、ショックのあまり忘れてしまったのだろうか? 病室でずっと眠っていたという。

誰しもが留子さんを見ていたので、そんなはずはないと看護婦さんに聞いたが、看護婦さんも眠っていたという。

家の解体工事に現れた留子さんは、一体何であったのだろうか? 誰もその正体を説明することは、出来なかったという。

天井裏の猫

真海さんは猫を何匹も飼っていた。

愛らしい猫に心癒される日々が続いていた。

 

家には猫が自由に外へ行き来できる穴が空いていたので、たまに何日か帰ってこない事があったが、いつものことで心配はなかった。

 

真夏の暑い日が続く季節に、その事件は起こった。

 

家の壁には通気のために隙間があり、猫はそこから天井裏へと抜けることができた。

 

その通気の隙間から、タヌキが紛れ込んだらしかった。

 

真海さんは、数日帰らない猫の行方を心配していた。

 

古い家屋なので、お風呂場の近くに雨漏りがあり、風呂の蒸気と相まって、以前から天井が腐りかけていた。

 

「猫ちゃん、今日も帰ってこないのかなぁ…?」

 

そう、ふと思っていたとき、ミシミシという音に天井を見上げた。

 

すると抜け落ちた天井と共に落ちてくる物体を、顔面から浴びてしまったのだ。

 

それは真夏の暑さに腐敗した、ウジにまみれた猫の腐った臓物と、風呂の蒸気で固まらずどす黒く変色した血液だった。

 

あまりにも不快な臭いとおぞましい死体に気が狂いそうな真海さんは、全身全霊で悲鳴をあげた。それを、聞きつけた近所の住民もまた、真海さんの姿を見て絶叫した。

 

数日帰らなかった猫は、タヌキに殺され、腹を食われていたらしい。その死体が雨漏りを起こしていた天井の上に横たわっていたため、たまたま天井を見上げた真海さんの顔めがけて最悪のタイミングで降り注いだのだった。

 

真海さんはその時の光景が脳裏に焼き付き、何度顔を洗っても血と臭いが取れない気がして、洗いすぎた顔の皮膚が炎症を起こし、ボロボロになってしまったそうだ。

 

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