【悲報】下げ止まらないアルトリアの株価-配当利回り8%超えの現状と配当金の推移

こんばんは。庶民派アラフォー弁理士です。

前回の記事では高配当たばこ銘柄であるBTI,PM,JTの配当金と配当利回りについてご紹介させて頂きました。

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今回の記事では、フィリップモリス(PM)との合併の協議を現在行っているアルトリア(MO)の株価と配当金の推移についてご紹介します。

前回記事でも述べたように、アルトリアとフィリップモリスは元々は一つの会社だったのですが、米国でのタバコ関連訴訟が当時頻発していたため、米国市場を管轄するアルトリアと、米国以外の世界市場を管轄するフィリップモリスに2008年にそれぞれ事業分割されました。

今回の両社の合併話には、タバコ離れ等の最近のタバコ業界の不透明な状況が背景にあります。

また、アルトリアは、従来のタバコ事業に加えて新規事業についても積極的に投資しているようです。

同社は、米国の電子タバコにおいて圧倒的なシェアを有するJuul Labsの株式の35%を取得しています。また、同社は、カナダを拠点としてマリファナ事業を展開するクロノスグループの株式の45%を取得しています。マリファナは昨年カナダで合法化されており、米国でも現時点において10州+DCで合法化されています。

しかしながら、こうしたアルトリアの新規事業には逆風が吹き荒れています。

電子タバコについては、若者の死亡事故が相次いでおり、トランプ政権がフレーバー付きの電子タバコの販売を禁止する方針を打ち出しました。この方針を受けて、ウォルマートが電子タバコの販売を中止したり、インド政府が電子タバコの販売等を禁止する大統領令を公布しました。

マリファナ事業についても各社かなり苦戦を強いられています。アルトリアが出資するクロノスグループ(CRON)の株価も2019年3月の高値24ドルから現在10ドル程度まで下落しています。

クロノスグループの株価の推移(Yahoo Financeから引用)

それではアルトリアの株式についての分析に移ります。

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目次

アルトリア

  • 株価:40.81ドル(2019/9/22現在)
  • 時価総額:762億ドル
  • 予想EPS:3.35ドル
  • 予想PER:12.19倍
  • 予想配当金:3.36ドル
  • 予想配当利回り:8.37%

現在の予想配当利回りは驚愕の8.37%となっています。しかしながら、予想EPS3.35ドルに対して配当金3.36ドルとなる点に注意が必要となります。つまり、配当性向(利益に対する配当金の割合)が100%を超えているのです。逆風が吹く同社の事業を考えると、将来的な減配リスクについても考慮する必要があります。

アルトリアの株価の推移は以下となります。

アルトリアの株価の推移(Yahoo Financeより引用)

同社の株価は世界金融危機の後から2017年までは上昇相場を形成していましたが、2018年から現在に至るまでは下降相場を形成しています。具体的には、2017年6月の最高値77ドルから2019年9月22日時点の41ドルまで株価は48%下落しています。

現在の下降トレンドがいつまで続くのかが今後の最大の焦点となります。

次に、同社の配当金の推移と増配率の推移について以下に示します。

アルトリアの配当金と増配率の推移

同社の増配率はこの10年の間に年平均8%を超えています。また、2018年の同社の増配率は驚愕の18%となっています。

さらに注目する点としては、2010年の配当金1.46ドルと比較すると、今年の配当金は3.36ドル(2.3倍)となっているのです。若者のタバコ離れが進む中で、この配当金の成長率には驚きです。

次に、同社の配当金とEPSとを比較します。

アルトリアの配当金とEPSの推移

同社のEPSは2016年に大きく増加していますが、これは保有株式(SABミラー社の株式)の売却によるものです。また、注目する点は2018年のEPS3.68ドルと比較して2019年の予想EPSが3.35ドルと下落している点となります。

次に同社の配当性向の推移は以下となります。

アルトリアの配当性向の推移

同社の配当性向は80%程度を推移していたものの、本年度の予想EPSが落ち込むことから配当性向が100%を超えることが予想されます。配当金の原資となるEPSが増加しない限り同社の連続増配については今後赤信号が点灯することになります。

次に同社の配当利回りの推移について示します。

アルトリアの配当利回りの推移

同社の株価がここ2年の間に大きく下落したため、現在の配当利回りは8%を超える水準となっています。日本にはこんな高配当銘柄は存在しませんよね。まさに驚愕の配当利回りとなります。

また、2010年時点での同社の配当利回りは7.3%でした。一方、 2010年の配当金1.46ドルと比較すると、今年の配当金は3.36ドル(2.3倍)となっているのです。

つまり、2010年時点に同社の株価を購入した場合には、現時点において配当利回りが16.8%にまで上昇しているのです。

配当利回りが16.8%ということは、同社の株式を約6年保有することで配当金だけで原資を回収可能ということです。これは驚愕の結果です

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まとめ

以上アルトリアの株価の推移と配当金の推移についてご紹介させて頂きました。

既存の紙巻きタバコの事業の不透明性やマリファナや電子タバコ等の新規事業に対する逆風が吹き荒れているといった現状より同社の株価は最高値から現在48%下落しております。これに伴い同社の配当利回りは現在8.4%の驚愕の水準となっております。

目下短期的な視点で考えるとチャート的には下降トレンドである点やフィリップモリス社との将来的な合併を考慮すると、現時点で同社の株に対して一度に投資することはリスクが伴います。

現在の株価が底値とは判断できないため、ここは積立投資として徐々に同社の株を買い集めるのが得策であるようにも思います。同社の株の連続増配傾向を考えると長期的(10年単位)には報われる可能性が高いと個人的には考えるためです。

同社の株はジェレミー・シーゲル教授が選ぶ典型的なシーゲル銘柄となり、米国株投資家には人気がある銘柄でもあります。同社の株と、当ブログで紹介している米国医療機器メーカの株は対照的でもあります。私は、現在、タバコ銘柄を含む高配当株、医療機器メーカの株、VYMやVTI等のETFをバランスよく保有しています。

では皆さま良い三連休をお過ごしください。

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