聴覚障害者ばかりが暮らす寄宿学校に転校した主人公が
不良グループに染まっていく様子を描いたもの。
登場人物同士のやり取りはすべて手話で行われ、
音声や字幕はおろか、BGMすら一切流れない衝撃的な造り。
すべての状況は雰囲気で感じ取る必要があり、
人間関係どころか名前もわからない状態で、
淡々とした異様な作風に最初は挫折しそうになる。
とある事故が起こったあたりから
徐々に状況が把握できるようになり、
そのあたりから面白くなってくる。
ヒエラルキーの最下層だった主人公が
不良グループの中で地位を確立していき、
未熟な恋愛にのめり込んでいくところが妙にリアル。
性描写から暴力シーンまで
かなり容赦のない表現がされており、
その生々しい映像には覚悟が必要。
序盤は挫折する寸前まで追い込まれるが、
峠を越えると本作独自の魅力が見えてきて
他作品では味わえないエグさが病みつきになる。
普通の作品では刺激が足りなくなった映画通向けの作品。
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