ふと思いました、「今、『源氏物語』で人気投票をやったら、どういう結果が出るんだろう?」と。
主人公の光源氏は・・・順位低いのかなぁ^^; 夕霧とか薫とか、真面目な男性のほうが現代人には好まれそうですね。
女性の場合は・・・やっぱり紫の上が一位かしら?
私は大学時代、源氏物語研究会に入っていたのですが、そのサークルでは定期的に会報を発行していました。その会報のある号で、学科の先生方に『源氏』に関するアンケートを取ったんです。その中に「どの登場人物が好きですか?」という質問があったので、その答えをここで発表してみたいと思います。
紫の上→2票
明石の君→2票
花散里→2票
六条御息所→1票
見事に全員女性ですね(笑)。ちなみに投票してくださった先生7名の性別の内訳は、男性6名、女性1名でした。
学生の間で一番人気があったのは、たぶん花散里です。時代は「癒し系」を求めているということでしょうか。
「美人じゃないけど心は綺麗」な仲間と言える末摘花も人気でした。
女子学生は、「ザ・お嬢様」な葵の上や、華やかな朧月夜に憧れている人も多かったような気がします。
『源氏』の男性陣に関しては、とにかく柏木が女子学生に大人気でした。「情熱的で素敵!」というわけです。女子学生が多い年の源氏物語研究会は、別名「柏木ファンクラブ」のようになっていました(笑)。
でも柏木の子である薫はものすごく不評でした^^; 「大君や中の君に対しては彼女達の意志を尊重して手を出さないのに、浮舟にはさっさと手を出すのが嫌な感じ~。真面目な顔してるけど、女房にはいっぱい手をつけてるんだよ、この人」というわけです。
親友の想い人に横恋慕した匂の宮のほうがひどいような気もしますが、匂の宮のほうが私の周りでは人気がありました。若い女の子にとっては「情熱的」なのがいいんですかね。
あ、あと、女子学生から総スカンを食らっていたのはやはり髭黒ですね。まぁ、これは仕方ないですよね^^; 玉鬘の寝所に踏み込んじゃいましたから。
男子学生の間で人気があったのは夕顔・玉鬘親子だった記憶があります。
夕顔はとにかく「男性の憧れ」という感じですよね。「儚げな美女、しかもエロティック」で。
玉鬘は運命に順応して幸せを見つけていく姿が好かれていました。
あと、雲居の雁推しの男子学生もいたなぁ。雲居の雁かわいいですよね。夕霧・雲居の雁夫婦は『源氏』に登場する夫婦の中で一番現代人と感覚が近いですよね。私も好きです。
男子学生が好きだった男性は誰だったかなぁ・・・。惟光だったかな。
では、私の好みの変遷は?
まず女性については・・・。
六条御息所(瀬戸内寂聴さんの影響で。寂聴さんが一番好きなのは六条御息所なんですよね)
↓
明石の君(「耐え忍ぶ女性」が好きだったんです)
↓
朧月夜(自分にはできない生き方だからでしょうか。私はこんなにモテないので)
かな。でも今の一番を問われたら・・・正直なところ、決められないんです。しかしはっきり言えるのは「やっぱりヒロインは紫の上よね」ってこと。
第一部を読んでる時は紫の上のこと好きじゃなかったんです。嫉妬している場面ばかりが目について。だけど、第二部を読んだら紫の上の苦悩が胸に迫ってきて、「かわいそうだな。でも精神的に大きく成長した紫の上は偉いな」と感動しました。
男性についての好みの変遷は・・・。
夕霧(真面目な人が好きだったんです)
↓
柏木(これも寂聴さんの影響です。今はストーカーみたいなだなぁと思ってしまいますが^^;)
↓
朱雀帝
今、とにかく好きなのは朱雀帝ですね。「優しいお兄ちゃん」が好きなんです。しかもこの方、最高位にいるわけでしょう? 私が『源氏』の世界に入れたら、光源氏の寵愛を競うのはしんどそうだから(光源氏も好きですけどね)、朱雀帝の後宮に入りたいなぁ。朱雀帝だったら、深く愛されなくても、優しく接してもらえるような気がします。
大学時代は源氏語りできる仲間がたくさんいて楽しかったです。
源氏物語講座がもっと進んだら、受講者様達とも「どの登場人物が好きですか?」というお話をしてみたいなぁと思っています^^