化粧品と微生物②
皆さんこんにちは!
連日の暑さでバテバテないろはねです(汗)
皆様も外出の際はどうか無理はされませんように…
さて!前回に引き続き化粧品と微生物のお話ですね!
今回は防腐効力試験に使用される指定の微生物にはどんなものがあるのかを書いていきたいと思います!
…とその前に、防腐効力試験を行う目的を明確にしておきましょう!
<防腐効力試験の目的>
防腐効力試験の一番の目的は、防腐剤の効力が最も機能できる最低濃度を導き出すことです!
防腐剤は多量に配合すれば良いというわけではありません!
過剰に防腐剤を配合してしまうと、肌への負担が大きく、刺激になることがあるのです!
微生物の細胞膜も人の皮膚と同じたんぱく質で構成されていますので、そこを刺激して微生物を殺す防腐剤は、過剰に配合すると当然人の皮膚にも影響が出てしまうということなのですね!
つまり、化粧品を使用するユーザーの方々にとって、いかに安全に防腐剤をフルに機能させることができるのか…
微生物だけではなく、人に焦点を当てて防腐効力試験は行われているのです!
<防腐効力試験の指定微生物>
ということで本題ですね!
防腐効力試験に使用される菌種は日本薬局方によって定められています!
①大腸菌
②緑膿菌
⑤黒コウジカビ
①~③は細菌で、④・⑤は真菌になります!
化粧品の製造や使用中に、人や周りの環境から混入・増殖してしまう可能性のある代表的な微生物が指定されています!
①大腸菌
環境中に広く分布していて、鳥類や哺乳類、私たち人の腸管内にも常在している菌の一つです!
腸内の大腸菌はほとんど無害なのですが、病原性を持つものも存在し、その一群が糞とともに排出され、環境を汚染します。
その汚染された食べ物を食べてしまったり、感染した動物に触れたり、汚染されたプールなどの水を飲んでしまったりすると下痢や腸炎などを引き起こす恐ろしい細菌です…
②緑膿菌
この細菌も環境中に広く分布していて、人の腸管内にも常在しています!
水周りによく見られ、栄養分の少ない環境でも増殖できる細菌です…
日和見感染症の代表的な細菌で、健康な人に病原性を発揮することはないのですが、抗生物質に抵抗性が強いので、抵抗力の非常に低下した人には様々な恐ろしい症状を引き起こしてしまいます…
顕微鏡で見るとブドウの房のように集まっているので、こんな名前が付けられています!
食中毒の原因菌としてテレビでもよく聞いたことがあるかもしれません…!
他にもニキビやアトピー性皮膚炎などを悪化させてしまう細菌です。
これも環境中に広く分布していて、人の皮膚や髪の毛、喉、鼻の中など多くの場所に存在していますので、これによる汚染に十分気を付けなければなりません!
イースト菌は酵母とも呼ばれていて、その発酵能力が様々な食品に良い影響を与えてくれていますね!
カンジダ菌は、細胞性免疫を強める働きをしたり、善玉菌の栄養源にもなるので、良い影響を与えてくれる菌なのですが…
加齢や生活習慣などによって免疫機能が弱まると、このカンジダ菌が大量に繁殖してしまい、病原性を発揮してしまいます。
⑤黒コウジカビ
黒コウジカビは、食パンや生鮮果実など広範囲にわたり食品を汚染し、環境中にもよく存在しているカビです!
カビは乾燥した環境でも生育でき、胞子を飛散してどんどん増えていきますし、さらには日光やアルコールなどの薬剤にも比較的耐性のある強い菌なので、発生してしまうと非常に厄介な存在です…
これらを用いて防腐効力試験を行っていきます!
試験対象の製品にそれぞれの菌を植え付け、一週間後、二週間後、三週間後と菌数の減少率を観察していきます!
試験期間は準備期間も含めて約二か月ほど必要で、なかなかの長期間になります。
こうして各微生物の特徴を調べてみると見えてくるのは、私たちが生活する環境に、
身体に、身近に存在するものばかりだということですね。
だからこそ、いつどこでどのように化粧品に混入してしまうかわかりません!
それを未然に防ぐために防腐剤を配合し、しっかり効力を発揮することができるのか試験をする…その必要性と重要性が身に染みて分かったいろはね研究員なのでした。
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