Aljaz Bedene
生年月日: 1989.07.18
国籍: スロベニア
出身地: リュブリャナ(スロベニア)
身長: 183cm
体重: 73kg
利き手: 右
ウェア: NEPTUNE
シューズ: NIKE
ラケット: Wilson Ultra Tour
プロ転向: 2008
コーチ: Andraz Bedene, Miha Mlakar
左右両サイドから力みのない自然なスイングで伸びのあるスピードボールを操り、ベースライン深くに丁寧に粘り強く打ち続けることで打ち合いの展開をものにしていく軽量級の本格派ストローカー。ベデネの名がテニス界で最も話題に上ったのは国籍変更に関する問題で、15年にイギリスの市民権を獲得したことでイギリス国籍のプレーヤーとしてデビスカップおよびオリンピックへの出場を目指したがITFの裁定によりその希望は叶わず、18年に母国スロベニアに国籍を戻してプレーすることになった。対戦相手のタイプを問わず常にクリーンなインパクトを確保して素直な軌道のショットで応戦するテニスは、特定のサーフェスに偏ることなく成績を残すことに寄与しており、15年以降実に地味な存在ではあるが安定してトップ100に位置している。ツアータイトルはまだないが、過去4度ツアー決勝に進出、うち2大会は予選からの勝ち上がりという記録からも分かるとおり、勢いに乗るとランキング以上の力を発揮するプレーヤーでもある。
相手の球威を利用して効率的にスピードボールを操るストローク
フォアハンド、バックハンドともに小さめのテイクバックからシャープな振りで鋭いフラット系のボールを飛ばす能力に優れ、パワー系のストローカーと対しても力負けすることなく確実にコースに散らす堅実な技術力を備える。その中で彼がポイントを奪うための生命線となっているのはストレート攻撃で、特に得意とするフォアはボールがラケットの面に吸い付くような球持ちの良いショットが魅力的だ。これをフォア側からカウンターの展開に使ったり、回り込んでバック側から逆クロスを狙ってウィナーを取っていくのが彼の特徴である。また、ペースの緩急や打点の高低などあらゆる変化にも乱されない対応力の高さも強みであり、自らラリーのリズムを変えるような場面は少なければ、一発のビッグショットもなく、対戦相手として怖さを感じるタイプのプレーヤーではないものの、逆に明確な弱点も見出しがたい。ストロークの安定感と展開力は健在だが、それをよりポイントに直結させていくためには、ウィナーを狙うバックの精度とネットプレーの質を向上させ、それらの頻度を高めることが今後の上積みには不可欠だろう。
ラインを捉える正確性を武器とするサーブ
こちらも派手さはないが強力なサーブも大きな武器の1つになっており、特に1stのポイント獲得率が高いのが数字面での特徴だ。決して210km/hを超えるような破壊力はないが、ラインを捉えるフラットサーブの正確性によって多くのフリーポイントを稼ぐことができる。
悲願のツアー優勝を掴み取ることができるか⁉
強打というよりはパワーは最小限度に抑えつつ相手の球威を利用して打ち合いに対抗するテニスは現役ではセッピに近い。また、体格や球質から日本人が参考にしたいプレーヤーともいえる。フィジカル・メンタルの耐久性をもう一段階底上げすることに成功すれば、これまで惜しくも阻まれてきたツアー優勝にも十分に手が届くはずだ。