Yahoo!知恵袋で面白い問題を発見して解いてみたので記事として残しておきます。
途中計算はかなりハードで打ち込むのがめんどくさかったので基本的に省略しています。計算の練習だと思って自分の手で頑張って計算してみてください。
さてさっそくですが問題は以下の通りです。問題の出典はこの質問。
下の図に示すような非圧縮粘性のくさび型隙間2次元流れを考える。
上壁は固定されているが、下壁はy軸方向に速度Vで動く。
この2次元流れの支配方程式は式(1)のように表される。
このとき、くさび状隙間流れの圧力分布pをhの関数として以下のように表されることを示しなさい。
ただしhとは位置xにおける下壁面から上壁面までの長さを表すxの関数であり、
h(0)=h1,h(L)=h2と定数が与えられている。
また、くさび型隙間への流入口と流出口の圧力は
大気圧p0という定数が与えられている。
ってな感じですね。質問者様の質問文を読む限りではQまで求めてくれているようですが一応検算がてらそこまでの計算も含めてやっていきましょう。
では、さっそく解答です。
式(1)より
となり、この両辺をyで積分していくとpはxのみに依存するから
が得られます。境界条件y=0でu=VよりC2=V、y=hでu=0より
なのでこれを式(2)に代入するとuは
となります。ここで隙間を通過する体積流量Qは
となってこれに式(3)を代入すればQは
となります。質問者様の値と一致しましたね。ここからpを求めていきましょう。
上の式をdp/dxについて解いてあげると
となりますね。ここでhはxの1次関数であり座標値xにおけるhの値は
と表せますね。ただしαは
としています。計算の簡略化のために文字で置きましたが計算力に自信がある方はそのままやってもかまいません。h=h1-αxを用いて式(4)を書き換えると
となります。ここでQは質量保存則よりx方向によらず定数になるのでこの式の両辺をxで積分すると
となるわけです。ここで境界条件x=0でp=p0、x=lでp=p0より
が得られます。式(6)+式(7)よりC3を求めると
となり、式(6)-式(7)よりQを求めると
となります。これらを式(5)に代入して地獄の計算を行うと
が得られます。
いやーハードな計算をさせる問題ですね。骨が折れました。
余談ですがこの流れの支配方程式が式(1)で表されることを示しておきましょう。
この流れは明らかに二次元なのでz方向については考えなくていいのは自明ですね。なのでx,y方向についてのナビエストークス方程式を考えましょう。また、外力も明らかに働いていなく、定常なので外力の項と時間項は最初から無視します。これらを考慮したナビエストークス方程式はx,y方向の速度成分をそれぞれu,vとすると
となります。明らかにこの流れではy方向の流れ成分がないので
これより式(9)は結局
となるのでpはxのみに依存する関数となります。また連続の式
において
より
となります。以上を考慮すると式(8)から式(1)が得られるというわけですね。
記事は以上になります。見てくれてありがとうございました!
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