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炎症を起こしている免疫細胞を抑える、抗炎症的な働きをするTレグ細胞(制御性T細胞)を、ビタミンDが活性化させる(免疫調整作用・動画の8分12秒過ぎあたり)ということは、ビタミンDが、Tレグ細胞に働きかけ、過剰な免疫活動(毛包への攻撃)を抑える可能性があると思います。
毛母細胞活動の活性化作用
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6759203/
AIにて要約 正確には本文を
Treg細胞(Tレグ・制御性T細胞)は、自己免疫疾患やアレルギー反応を抑制することで知られています。
著者らは、PubMedおよびEMBASEデータベースから、ビタミンDのTreg細胞に対する影響に関する研究を収集し、総計17の研究を分析しました。
その結果、ビタミンDは、Treg細胞数を増加させ、Treg細胞の表現型を調節することが示されました。
これらの知見は、ビタミンDが自己免疫疾患や炎症性疾患の治療法として検討される可能性があることを示唆しています。
ビタミンDレセプターの毛包生物学における役割
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1876678/
AIで要約・正確には本文を
この論文は、ビタミンD受容体(VDR)が毛包の発育、周期調節、繊維芽細胞の機能、セバセア細胞の成長制御など、毛包生物学において重要な役割を果たしていることを説明しています。
著者らは、VDRが毛包の正常な機能に必要であることを示すために、VDR遺伝子を欠失したマウスを用いた実験を行いました。その結果、毛包の発育や周期調節の異常が観察されました。
また、VDRの活性化によって、毛包の細胞分化や成長が促進されることも報告されています。
これらの知見は、毛包障害や脱毛症などの疾患の治療法開発につながる可能性があると考えられています。
Journal Scan / Research ・ 2018年4月26日
脱毛症患者におけるビタミンD欠乏症の有病率の増加
欧州皮膚科学学会誌:JEADV
https://www.practiceupdate.com
上のサイトが見られない場合はこちらで↓
「この研究の体系的レビューとメタアナリシスに関与した研究者らは、
1225人のAA(円形脱毛症患者)と784人の対照者で、
ビタミンD欠乏と脱毛症(AA)の関連性を調べた。
AA患者はビタミンD欠乏症の確率が3.55倍高かった。
AA患者は、血清ビタミンDレベルが低く、AAを有さない個人よりも
ビタミンD欠乏症である可能性がより高い。
これらの結果によると、
皮膚科医はAA患者のビタミンD欠乏症のスクリーニングを検討すべきである。 」
- Jeffrey Scott、MD
ビタミンDは人間の健康にとって重要な栄養素として浮上しています。
低いビタミンDレベルは、悪性疾患、心臓血管疾患、うつ病、および自己免疫疾患を含む多様な疾患のリスクの増加と関連しています。
著者らは、AA患者のビタミンD値を報告している14の先行研究の系統的レビューおよびメタアナリシスを行った。
全体として、1255人のAA患者が784人の対照者と比較された。
著者らは、AA患者がの血清25-ヒドロキシビタミンD(25(OH)D)レベルが有意に低いことを見出した。
ビタミンD欠乏が臨床現場で遭遇する頻度と欠乏に伴う無数のリスクを考慮すると、
AA(円形脱毛症)患者に血清ビタミンDをスクリーニングし、
ビタミンD欠乏症のAA患者には、経口ビタミンDまたは局所ビタミンD類似体の栄養補給を検討することができます。
私(Melissa Piliang )は1日あたり2,000IU(25μg)をお勧めします。
Journal of Steroids &Hormonal Science 2018
脱毛症児のビタミンDの状態と、経口ビタミンD治療の効果
円形脱毛症の小児におけるビタミンDの状態と経口ビタミンD治療の効果
要約
目標:ビタミンDと円形脱毛症(AA)との関連についてはほとんど知られていない。私たちの目的は、25-ヒドロキシビタミンD [25(OH)D]レベルとAAの発症およびAAおよびビタミンD欠乏症の子供における経口ビタミンD治療の有効性との関係を検索することでした。
方法:新たにAAと診断された30人の患者と、性別および年齢を一致させた対照25人が研究に含まれました。
25(OH)Dの値が治療開始前および開始後25か月目に測定されました。ビタミンD欠乏症と診断された患者と対照の両方が、3か月間経口ビタミンDで治療されました。
結果:ビタミンD欠乏症の頻度は、患者と対照で類似していた。25(OH)Dの血清レベルは、ビタミンD欠乏症の患者および対照の両方で、治療の25か月後に有意に増加しました。
経口ビタミンD治療中にAAでビタミンD欠乏症の患者では、完全な改善がより高い頻度で観察されました。
結論:AA患者と対照群の間で25(OH)D値に統計学的有意差はなかった。
ビタミンD欠乏のAA患者で、ビタミンD欠乏の状態が改善された患者では、完全な改善の頻度が高いことが観察されました。
方法
新たに診断された6〜17歳の30人の円形脱毛症(AA)患者と、
性別と年齢をマッチさせたAAでは無いコントロール(対照者)、トータル60人が研究に含まれました。
25(OH)D、副甲状腺ホルモン、カルシウム他を、ベースライン(試験開始時点)及び6か月後に測定しました。
AA患者および対照者の血清25(OH)Dレベルは、それぞれ25.3±19.4ng / ml及び21.3±12.5 ng / mlでした。
ビタミンD欠乏症の頻度は、AA患者(30人中15人、50%)および対照者(30人中16人、53%)で同様でした。
副甲状腺機能亢進症は、ビタミンD欠乏症のAA患者(15人中4人、27%)で判明しました。
全てのAA患者は局所治療を行いました。
ビタミンD欠乏は、20 ng / ml未満の血清25(OH)Dレベルとして定義されました。
血清25(OH)Dレベル<20 ng / mlの場合は、1500 IU /日
血清25(OH)Dレベルが10 ng / ml未満の場合は、3000IU /日
の用量で、6ヶ月間ビタミンDが投与されました。
25(OH)Dおよびカルシウムの血清レベルは、
ビタミンD欠乏症を有するAA患者および対照者の両方に対する治療の6ヶ月後有意に増加しました。
25(OH)D3(ng / ml)が、
開始時 10.5±2.9 から
6か月後 25.5±12.4
子供たちはいずれも、試験終了時に副甲状腺機能亢進症や高カルシウム血症がありませんでした。
※下図 「n」は人数 「VitaminD deficiencint」はビタミンD欠乏
ビタミンDが欠乏しており、経口ビタミンDと局所治療との併用療法を受けたAA患者
15人中7人(47%)においてCI(complete improvement、 完全な改善)を観察しました。(上図 「7CI、47%」)
ビタミンD欠乏が無く局所治療のみ受けたAA患者15人中3人(20%)において、完全な改善(CI)を観察しました。
結論
AA患者と対照者の間で25(OH)Dレベルに統計的に有意な差はなかった。
(双方とも、ビタミンD欠乏者が半数)
当初ビタミンDが欠乏していて、ビタミンDの状態が改善したAA患者では、完全改善の頻度が高い(47%)ことが観察されました。
この知見は、経口ビタミンD治療は、ビタミンDが欠乏している選択されたAA患者にのみ投与できるという考えを支持している。
以上です、正確には原文を。
※考察:上の研究では、ビタミンD欠乏(20 ng / ml未満の血清25(OH)Dレベル)の患者さんには経口ビタミンがありましたが、ビタミンD不足(20~30 ng / mlの血清Dレベル)や、血清ビタミンD値が30 ng / m以上の患者さんには経口ビタミンD投与が無いようなので(投与した場合の改善率が分からない)、円形脱毛症でビタミンDが欠乏していない場合には 経口ビタミンD投与の必要が無い、とは言えないと考えます。
これも海外研究です
血清ビタミンDレベルは小児円形脱毛症の疾患重症度に関連しています
結論: ビタミンD欠乏症は円形脱毛症(AA)病因の唯一の病因ではありませんが、他の病因因子が存在する場合、この欠乏症はAAの重症度を悪化させる可能性があるため、ビタミンD補給は小児円形脱毛症の治療に有益である可能性があります。
血清ビタミンD値の目標の参考に2つのサイトをご紹介
東洋経済オンライン
2014年に32件の研究をメタ分析したところ、がんや心臓疾患など、さまざまな原因による早期死亡のリスクが最も低かったのは、ビタミンDの血清25(OH)D濃度が40〜60ng/mlの時だった。
野村内科外科
血中25(OH)ビタミンD3濃度を調べて、40~80ng/ml位の範囲にあるのが望ましいと言われています。20ng/ml 未満でビタミンD欠乏、20~30ng/mlでビタミンD不足の診断です。
ビタミンDサプリ摂取の注意点
ビタミンアカデミー
日本では、円形脱毛症に対してのビタミンD不足を視野に入れた診察・治療は殆どされていないので
こちら↓のサイトなども参考に。
「ビタミンD欠乏性くる病・骨軟化症-症状、検査、診断」最終更新2018
https://medicalnote.jp/contents/180329-003-ZF
「ビタミンD欠乏性くる病・骨軟化症は、主に血液検査によって診断されます。
血液検査で調べるのは、血液中の「25水酸化ビタミンD(25-ヒドロキシビタミンD)」の数値です。25水酸化ビタミンDとは、体内に取り込まれたビタミンDが活性化する前の状態を指します。
これまで原因がわからなかったという患者さんも、この検査によって正しい診断がつくよう期待されています。
測定する項目には注意が必要?
多くの医師の間で勘違いされていることですが、ビタミンD欠乏性くる病・骨軟化症の検査として「1,25水酸化ビタミンD」を測定することは誤りです。
1,25水酸化ビタミンDとは、体内に取り込まれたビタミンDが活性化した後の状態を指します。そのため、1,25水酸化ビタミンDの測定によってわかることは、体内に取り込まれたビタミンDの腎臓での変換効率です。これでは、ビタミンDの欠乏について正確に調べることは困難です。
検査を受けるときは、医師とよく相談してみましょう。
骨の病状と関連するのは25水酸化ビタミンD
以前は、体内に取り込まれたビタミンDは腎臓で活性化されて1,25水酸化ビタミンDとなり、腎臓や腸管、骨ではたらくと考えられていました。そこで、血液中の1,25水酸化ビタミンDの濃度を測定すれば骨の病状がわかると勘違いされてきました。
しかし、現在では、活性化する前の状態である25水酸化ビタミンDが、腸管や骨など各々の箇所で活性化され、その場所で作用することが明らかになってきています。このことから、骨の病状と関連するのは、血液中の25水酸化ビタミンDの濃度であるということがわかっています。
繰り返しになりますが、ビタミンD欠乏性くる病・骨軟化症を疑って検査するときは、1,25水酸化ビタミンDではなく、25水酸化ビタミンDを測定してもらうようにしましょう。 」
ビタミンD補充について https://medicalnote.jp/contents/180329-004-VA
「ビタミンD欠乏性くる病・骨軟化症の治療では、1日あたり1,000 IUの補充が一般的です。
しかし、欧米での治療方法と照らし合わせると、効率的に治療するためにはもっと多く補充する必要があると考えられています。」
血中ビタミンDの測定について
ビタミンD非充足は"血清25(OH)D濃度30ng/mL未満"
「 血清25(OH)D濃度は,血清1,25(OH)2D濃度よりも、
細胞内のビタミンD作用をよく反映していると現在では考えられており、
諸外国では血清25(OH)D濃度の測定結果を用いて
ビタミンD不足・欠乏症の診療が行われている。 」
「ビタミンD非充足は"血清25(OH)D濃度30ng/mL未満」
ビタミンDをサプリで補充
ビタミンDをサプリで補充の際は、活性型ではなく非活性型のビタミンDを。
サプリは、基本的に非活性型です(体に入った後、必要時に活性型に変わるが過剰症に注意)。
病院での処方薬は活性型ビタミンDです(過剰症に一層注意)。
医師にご相談ください。
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