円形脱毛症とビタミンDに深い関係あり その2

 

円形脱毛症と「ビタミンDに深い関係あり(ケアネット提供)

https://www.carenet.com/news/general/carenet/37823

 

 

皮膚科学会ガイドライン2017

AA_GL2017.pdf での

ビタミンDクリーム外用療法の海外の研究とその評価です。

研究

「軽度から中等度の円形脱毛症の局所カルシポトリオール療法」

要約

バックグラウンド:

脱毛症(AA)は、頭皮および他の身体部分からの髪の毛の斑点状の喪失を特徴とするT細胞媒介性自己免疫疾患であると考えられている。カルシポトリオールは、ビタミンD類似体であり、強力な免疫調節分子である。最近の研究では、AAおよび様々な自己免疫疾患の患者において、低い血清ビタミンDレベルが観察されている。これまでの報告では、ビタミンDが毛包に与える影響についても報告しています。

目的:

この研究の目的は、軽度から中等度のパッチ状AAの治療のための局所カルシポトリオールの有効性および安全性を評価することであった。

方法:

軽度から中等度のAAを有する48人の患者が、遡及的な12週間の試験に登録された。カルシポトリオールクリームを患部に1日2回塗布した。脱毛症の重症度(SALT)スコアおよび毛の再増殖率を、ベースラインおよび3,6,9および12週間で計算した。

結果:

12週目で、患者の69.2%が総反応を達成した。

12週目の患者の平均SALTスコアをベースライン時の患者の平均SALTスコアと比較すると、12週目の値は有意に低かった(P = 0.001)。

62.5%の患者でRGS≧4(髪の再増殖率≧75%)が観察され、完全な再増殖率は、再増殖スコア(RGS)が3以上(毛の再成長が50%以上)毛の再成長= 100%)は27.1%であった。

結論:

カルシポトリオールは、軽度から中等度のパッチ状のAAで安全かつ有効な治療選択肢として役立ち、この治療でより広範囲に制御された研究を必要とする。

 

上の研究に対する日本皮膚科学会円形脱毛症診療ガイドラインでの評価

CQ20 ビタミン D 外用療法は有用か 
推奨度:C2  推奨文:行わないほうがよい. 

解説:軽症から中等症の AA 症例 48 例にカルシポトリオールクリームを外用し, 
治療前と12週間後の脱 毛面積を比較した症例集積研究 1 件の報告がある。
しかし,重症度の低い小規模試験で,プラセボとの比較もないため,十分なエビデンスはない。
以上より、今後の臨床試験で十分に検証されるまで、日常診療においては行わないほうがよい。

 

「脱毛症診療ガイドラインは個々の症例に応じて柔軟に使うものであって,医師の裁量権を規制し治療方針を限定するものではない」(診療ガイドラインより抜粋)

ということなので、

ビタミンDクリーム外用が無効・有害というエビデンスないので、

ビタミンD外用を医師に相談してみるのも一手かと思います。

同時に、ビタミンDやその他の栄養素(亜鉛、鉄(フェリチン)など他)不足はないかなどについても、相談してみてください。

 

 

かなり古いですが

1955年(日本での研究報告)

「脱毛に対するビタミンD2の作用(第1報)」

https://webview.isho.jp/journal/detail/abs/10.11477/mf.1491201410(文献概要)

https://webview.isho.jp/journal/detail/abs/10.11477/mf.1491201410?p=firstTab(1ページ目のみ)

「円形脱毛症に対するビタミンD2の筋注療法」

https://webview.isho.jp/journal/detail/abs/10.11477/mf.1491201511(文献概要)

https://webview.isho.jp/journal/detail/abs/10.11477/mf.1491201511?p=firstTab(1ページ目のみ)


 

ビタミンD 海外の情報 「統合医療情報発信サイト」厚生労働省

http://www.ejim.ncgg.go.jp/public/overseas/c03/10.html

 

 

☆ビタミンD測定と濃度についての注意(分子栄養学実践講座ページより)

「がん対策の場合 25OH-Dは100pg/ml以上の濃度が推奨されていますが、

その一方150pg/ml以上では毒性が指摘されています。

がん治療を専門とするドイツのサノムニクリニック院長 Dr. F. Schillingによると、

その毒性は1.25ビタミンDへの過剰転換による影響が強いようです。

そこで、非活性型と活性型の両方を測定する事が副作用のモニターに重要に

なるとのことです。

指標は25OHD濃度>1.25OHD濃度となるのが理想的です。」

https://orthomolecularmedicine.jp/ortho/labodatatsuika

 

※ pg/mlという単位のレベルが良くわかりませんが、

ビタミンDを補充の際は、1.25OHDの過剰にも注意という感じで理解しました。

 

 

円形脱毛症とビタミンD

(重複記載あります) 

円形脱毛症とビタミンD その1 

円形脱毛症とビタミンD その3 

円形脱毛症とビタミンD あれこれ 

 

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