大阪都構想を否決した反対派に経済成長の対案はあるの?

都構想に賛成は誰?→新自由主義経済のグローバリズム

大阪都構想で、多かった声はこれ。

「賛成と反対の一方を聞くと正しく思えても、両方聞くとわからなくなる」。

それもそのはず、都構想は次の構図でした。

有名人たちに誘われました。
「必ず儲かる投資があるから、参加しませんか」と。
無名の学者たちに警告されました。
「うまい話は、完全に理解するまで乗っちゃだめ」と。

理解できないうちは賛成し、理解すると断固反対する構図で、賛否は拮抗しました。

有名人はなぜ都構想に賛成した?

賛成の有名人は上級国民で、地元でなく地縁のないよそ者、革命分子とわかりました。

おいしいことがあるの?

利権です。庶民から搾取し収益を上げる立場です。

下級市民を侵害するから、下級市民に「飲んであげる」と言わせる投票でした。

当初のテレビでは得する話ばかりだったし

大阪の敵を壊せとたきつけ、無駄をなくせのスローガンを繰り返しました。デメリットはないとして伏せられました。

よいことずくめは「絶対に儲かる投資」の手法です。

捨てゼリフもそうか

「老害の死に損ないが、新時代を怖がった臆病」。

「貧困を脱する最後の機会を、消した馬鹿ども」。

「古い時代を続けたいなら、勝手に滅んで死ね」。

「やらないと得ないなら、やる意外にないだろ」。

詐欺の殺し文句です。

「ベルギーダイヤモンド」を連想しませんでしたか。

有名人も賛成だったが?

ネットのカリスマ論者も、続々と大阪都構想に賛同しました。

勇気と積極性、プラス思考の好人物。革命家の雄姿です。過去を捨てる思い切りが、自分カッケー。古来の日本を崩して男を上げるトレンド。

シンガポールにでも引っ越せる人は、日本の混乱で儲けネタが増えます。現に日本破壊に熱心な有名人は、外国へ移住済みが多い。

日本国を商材とみる者たちが、大阪市の空中分解にお金のにおいをかぎつけました。

都構想に反対は誰?→ケインズ理論の反グローバリズム

「大阪都構想は伝統と文化と地域コミュニティーを壊し、貧困を広げる」。

これが、反対論の軸線でした。「ケインズ理論で運営するインフレ好況の資本主義が今の日本に必要だ」と訴えてきた学者が中心でした。

格差拡大はだめ、中流の没落もだめ。没落前を知る世代が中心です。彼らの強みは好景気時代を知っていて、冷静な点です。

「他人が滅べば自分が得だ」の自己責任主義に批判的です。

おいしいことがあるの?

生まれつきの性格です。不正を敵視する性分です。

ほら、いるじゃないですか。正義みたいに皆を見張り、利益を広く分配する思考に自然に向かう人が。「実益も一応あるよ」と照れ隠しで弁解するやつ。

マイノリティーか

必ず儲かる話は主催者が必ず儲かると、彼らは知っています。その儲けが負け組の犠牲で築かれるワナを嫌う性格です。

バクチの持ちかけに賛成しない。革命や急進改革に反対する。

その頭脳で、迷える庶民を口車に乗せ儲けることは簡単です。でもイモっぽい人柄でやらない。たぶん生まれつき。

国家財政と社会経済に詳しく、国際政情や世界史の専門が目につきました。貨幣、お金とは何かを大局的にとらえる一群です。「I」でなく「We」で考える人たち。

推進者の方がカッコよく見えたが

反対運動はどんくさい。おしゃれなスローガンがなく、バラ色の未来を約束しないまま、泥臭いデータ解説や論理説明に終わりました。

演技性が乏しく、地味で人気が出ない。誰も踊ってくれず、人々を熱狂させるカリスマ性がない。

賛成派はポンポーンと夢のような話で、人々をうっとりさせました。対照的に、反対派はまじめくさったダサダサでした。臆病で消極的なマイナス思考に映ります。

反対派の説明を理解するには、それなりの教養と時間が必要です。結果は反対派の負け戦だったと、5年前も今回も映りました。

マスコミは社会変革したい立場だったし

大阪は日本経済の縮図です。貧困で心が折れ、儲け話に飛びつく心境です。

詐欺の被害者が、直後にサルベージ詐欺で重ねて持って行かれる、あんな感じ。

既得権をなくせば経済は伸びるの?

縮みます。

ガーン!

行政の無駄をなくし、節約して経費を浮かせれば、経済は悪化します。

1990年代末の「建設既得権撲滅」運動で、日本は急激に傾きました。

記事→ コンクリートから人へ

都構想をやめれば、反対派の顔役は何をしてくれる?

反対派は以前から「日本はこうして景気を上げよ」を、一択で言い続けています。

大阪など地方都市が貧困化した原因は、二つあります。一つでも、三つでもなく。

A.緊縮財政と消費税増税で、国内の通貨量を減らして所得を下げてきた
B.東京一極集中によって、人・物・金を東京メガロポリスに集めてきた
知ってるつもりで知らない

世界の国家財政に、ポリシーが二種類あります。積極財政と緊縮財政です。

積極財政ではインフレ好況になります。緊縮財政ではデフレ不況になります。

ニジュウギョウセイやキトクケンは原因じゃなかった?

大阪の人は「キンシュクザイセイ」の語を知っていますか。

記事→ 緊縮財政という特別な語の意味

日本の縮み志向は故意にやってるわけ?

日本とEUが緊縮財政をとり、不況です。

アメリカも中国も積極財政だから好景気です。大卒初任給が55万円と高い。

二つの違いがグラフの分布に表れている

わざわざ縮む方を選ぶ国はなぜ?

大阪都構想にあこがれる気持ちと同じです。経済宗教。財源論です。

記事→ 財源論とは

もう一方の東京一極集中で大阪に何が起きた?

高度成長時代の大阪には、意外に有名大企業の本社が多くありました。

その後、東京都内に本社が引っ越して行きました。名古屋より大阪がワリを食いました。霞が関の職員から登記を東京へ移すよう言われた会社もあり、国策なのです。

それネットニュースでも見た

大阪の没落は、歴代の府知事や市長がアホだからではなくて、ナンバーツーの宿命です。

大阪を悪くした首長が本当にいるとすれば、コストカットした者がそうです。

コストカットが諸悪の根源か?

「都構想は消えても、無駄の削減は続けよう」は、間違った思考です。

・ 国民や住民が無駄金を使わないと、経済の動きが小さくなり、GDPが下がる
・ 国や自治体が無駄金を使わないと、自国通貨の発行量が減り、GDPが下がる
正解は大阪をどうすべき?

大阪府内にあるお金を増やします。

パイの分け方でなく、パイの全量を増やします。

どうやればお金の合計が増える?

その疑問が出ること自体が、貧困化の直接原因です。

何もわかっていない人だけが、口にする疑問ですね。

発行か

通貨発行権でお金を発行して、市場に投入します。それだけの話です。

税金は財源ではないのです。

政府が出費すれば、比例的に経済成長するグラフ

・ 緊縮財政と消費税に反対し、地方交付税交付金を増やすよう申しつける
・ 地方債でも資金を発行し、生産を府で内製化する
・ 外資や外貨への依存をやめて、住民搾取を止める
・ 中小企業を強化し、技術を集積する
・ デジタルプレイランドを国産で組み、世界へ発信する(他者の同意見あり)
・ DISCOVER OSAKA CITY キャンペーンを始めて万博につなげる
・ グローバリストのレントシーキングを切る(べったりで名古屋に抜かれた)
水道民営化はどう?

それをやった各国と各地はメチャクチャになり、泣いたり暴動になっています。

水道は自由競争せずに一社が独占するから、民営化後に無限に値上げするから。

インフラは公的資産とすべきか

土地やインフラは商売道具なので、売り払うとビンボーまっしぐらです。

大阪都構想は土地やインフラを外資に売り換金する計画なので、理解者は反対しました。

記事→ 水道を政府出資で工事すれば、好景気になる話

大阪市廃止の対案は90年前から知られ、緊縮財政と消費税を、積極財政と消費税廃止に変えます。新案は中小企業育成と、デジタル遊戯天国です。
Photo: by Rollalyn Ruis on Unsplash