睡眠障害とうつ病との関連性はあるの?体験談からお話します

睡眠障害ってどんなもの?うつ病との関連性はあるの?のアイキャッチ うつ病を知る
この記事は約7分で読めます。
記事内に広告が含まれています。

睡眠障害の定義は幅広い

やおこ
やおこ

最近、寝付きが悪くて・・・不眠症かも。

ななころ
ななころ

そういう話よく聞くよね。

眠れないとか途中で起きちゃうとか。

やおこ
やおこ

睡眠障害って言葉をよく聞くけど、不眠症とは違うの?

ななころ
ななころ

ではここでは睡眠障害について扱ってみようか。
私の体験談も盛り沢山です。

睡眠障害の定義とは

睡眠に関連した多種多様な病気の総称。大きく分類すると、不眠症・過眠症・睡眠時随伴症がある。

睡眠に関連した多様な病気を、まとめて睡眠障害と呼びます。
睡眠障害のなかで最も多いのが、不眠症です。不眠症とは、その人の健康を維持するために必要な睡眠時間が、量的あるいは質的に低下し、そのために社会生活に支障をきたしたり、自覚的にも悩んでいる状態をいいます。
過眠症とは、日中に過剰な眠気がおきる状態をさします。仕事や学習など日常生活に支障をきたすような場合には、病的と考えられます。
睡眠時随伴症は、睡眠中におきるねぼけ行動をさします。

出典:厚生労働省 e-ヘルスネット

簡単にいうと睡眠に何かしらの問題を抱えている状態です。
寝つきがわるいだけでなく、何度も目が覚める、朝に起きれないなども含まれます。
ですので、一概に睡眠障害といっても、それがどんな症状かによって診断名が変わってきます。

睡眠障害は8種類に分類される

米国睡眠医学会が2014年に定めた睡眠障害国際分類第3版(ICSD-3)には以下の8つが睡眠障害に分類されています。

  1. 不眠症
  2. 睡眠関連呼吸障害群
  3. 中枢性過眠症群
  4. 概日リズム睡眠障害群
  5. 睡眠時随伴症群
  6. 睡眠関連運動障害群
  7. 孤発性の諸症状
  8. その他の睡眠障害
ななころ
ななころ

この名称を見ただけでは、わかりづらいので、もう少し掘り下げて見ていきます。
わかりやすく、噛み砕いて説明します。

不眠症

身体やこころの状態から引き起こされる症状で寝付けない、途中で目が覚めてしまう、朝早く起きてしまう、寝ても疲れがとれないなどの症状です。
現代人が睡眠に問題を抱えている場合は、大半の人はここに分類されるのではと思っています。

睡眠関連呼吸障害群

睡眠中に異常な呼吸の問題がある状態で、有名なものとして「睡眠時無呼吸症候群」があります。

中枢性過眠症群

過眠に関わるもので過眠症やナルコレプシー(日中に突然眠ってしまう)などがここに分類されます。

概日リズム睡眠障害群

概日リズム(人間の1日の体内時計)がうまくリセットできず、睡眠リズムが一定に刻めないことです。
交替勤務の仕事の人は要注意です。

睡眠時随伴症群

睡眠中のねぼけ、夜尿、歯ぎしり、悪夢などの総称です。

睡眠関連運動障害群

周期性四肢運動障害やレストレスレッグス症候群(むずむず脚症候群)など、手や足の運動に関連するものです。

孤発性の諸症状

孤発性とは医療用語で「ときどき発生する」という意味です。

その他の睡眠障害

上記に分類されないものです。

やおこ
やおこ

睡眠障害ってこんなにいろんな種類があるの!?

ななころ
ななころ

大きく分けると8分類だけど診断名だと88種類にもなるよ。

うつ病と睡眠障害の関連性はあるの?

結論からいうと関連性はあります。

睡眠がうまく取れないということは、睡眠不足になり身体やこころがゆっくり休まりません。
つまり、脳も休めないため身体のバランスが崩れがちになります。
うつ病は脳の病気ですので、睡眠不足が長く続くような生活が続けば、うつ病になりやすいと言われています。
これはうつ病にかぎったことではなく、他のあらゆる病気にも言えることです。
ですので、質の良い睡眠は病気予防の基本です。
眠れないと自覚している人は、かかりつけ医に相談することをオススメします

逆のことも言えると思います。
つまり、うつ病になった場合には睡眠障害になりやすいということです。
例えば、うつ病になると生活リズムが崩れがちになります。
昼夜逆転する人も珍しくありません。
また、不眠や過眠になったり、中途覚醒が多くなる場合もあります。
病気自体による原因もありますが、おくすりの副作用であったり、生活環境の変化なども関係します。
睡眠がうまく取れないと、うつ病の治療にも影響します。

睡眠障害は現代病?

日本人の5人に1人は睡眠に悩みを抱えているというデータがあります。

その背景には私の考察では、3つの変化です。

  • 仕事形態の変化(24時間営業や交替勤務、深夜勤務など)
  • 社会環境の変化(ストレス要因の増加、仕事の複雑化)
  • IT機器の発展(スマホやパソコンの浸透)

私が生まれる前にはコンビニのような24時間営業はありませんでした。
夜になれば娯楽がないので自然と眠る生活だったと聞きます。
そういうさまざまな変化が要因になっていると考えれば現代病と言えるのではないでしょうか。
(注釈:ここでの睡眠障害は生活要因が関連する不眠症や概日リズム睡眠障害などを指しています)

私の睡眠障害を体験談から振り返る

私の睡眠障害を体験談から振り返る

一番古い記憶は幼少時代

私は子供の頃から眠るのが苦手な子でした。
一番古い記憶を辿ると幼稚園です。
お昼寝の時間があるのですが、みんながすやすや眠っている時間、私は3年間一度たりとも眠れたことがありませんでした
なので目を閉じて眠っているフリをしてたのを今でも覚えています。

小学生になってからは夏休みになると、深夜まで起きてるようになり、中学生になると夏休みは昼夜逆転していました
その生活は成人するまでどんどんひどくなり、社会人になっても夜に眠れない、朝起きられない、という生活が続きました。
最初は自己管理ができないからだと思っていました。
遅刻は頻繁にしていたため、数え切れないくらい多くの人に迷惑をかけました。

しかし、うつ病になり精密検査をしたところ、ついた診断名が「概日リズム睡眠障害(非24時間睡眠覚醒症候群)」です。
人が朝日を浴びて体内リズム(24時間より長い)をリセットして社会生活に適応するのに対して、私がそれができない体質でした。
つまり生まれ持ったものです。
メラトニン(体内時計を調節するホルモン)を作るちからが人の平均より低いため、夜に眠くならずにリズムが崩れてしまうという診断でした。
うつ病にならなかったら、このことを知らないまま生きていたかもしれません。

ななころ
ななころ

概日リズム睡眠障害については、別記事にまとめてあります。

睡眠にまつわる面白いエピソード

私のように生まれつき睡眠リズムが崩れる人は現代社会の生活に馴染むのが本当に苦労します。
ある人から聞いた面白いエピソードを紹介します。

「同じように概日リズム睡眠障害の人がとった意外な方法とは?」
多くの人は私のように治療していますが、一部の人は自分のその体質を利用して、仕事は午後~夜にする形に変えたそうです。
例えば、深夜に働く夜勤勤務です。
一見、良くないのでは?と思えますが、毎日続けていれば、その人に合った勤務スタイルになるわけです。
また、別の人は雇用形態を変え、サラリーマンからフリーランスになった人もいるそうです。
自分で働く時間を決め、体質に仕事を合わせたという興味深い例です。
「夜眠れないのは悪いことではない」
夜に眠れないと現代社会に順応するのが難しいですが、遥か太古にさかのぼり、原始時代だった頃のことを想定すると、夜に全員が眠ってしまうと野生動物に襲われる危険があります。
つまり、夜に起きている見張り役が必要なわけです。
そう考えると「夜に眠れない=悪いこと」ではなく、それがその人の持った役割と言われました。
びっくりしましたが、そう考えると少し気分が楽になりました。

睡眠障害とうつ病との関連性はあるの?体験談からお話しますのまとめ

睡眠障害ってどんなもの?うつ病との関連性はあるの?のまとめ

睡眠障害の概要とうつ病との関連性についてをまとめました。
睡眠はあらゆる病気予防の基本ですので、悩みを抱えている人は迷わずに医療機関に相談しましょう。
まずは近くのかかりつけ医で良いと思います。
睡眠外来という専門機関もありますので、症状が重い人はそちらも利用してみて下さい。

お気軽に感想をどうぞ