裁判の中で、
蘭と被告人が親子であったことを
隠し通すことは無理だった。

養父の父親が
情状証人として出廷した時に
「仲の良い本当の親子のようだった」
と言ってしまい、
傍聴している人全員が
その関係を把握する形となった。



この情状証人。
結局は養父の父親が出たが、
最初は、蘭の母親が出ようとしていました。

「夫は反省しています。」
と主張したかったのだろうが、
被害者は、自分の実の娘です。

自分の実の娘が被害者で、
自分の夫が加害者。


自分にひどいことをした犯人を
庇う母親の姿なんて
13歳の娘に
見せていいわけがない。

検事は、
「母親が情状証人として出廷するのは
蘭の心情を考えて控えてもらいたい」
と、裁判所にお願いをしていた。

そのおかげなのか分からないが、
情状証人は父親が出たけれど、
何の意味もない出廷だった。



そして、検事からの
被告人質問では、人格の話も
もちろん突っ込まれていたが、
接触禁止の同意書に
サインをしなかったこと
について質問された。


検事
「今回は性犯罪であり、
被害者であるA子(蘭)に対し、
接触禁止を同意することは
最低限の約束であるにも関わらず、
それを約束できなかったのは何故ですか?」

養父
「私は今でも家族だと思っています。
A子が私を許してくれた時、
A子の母親を通してまた会いたい。
A子が求めてくるのなら、
助けの手を差し伸べたいと
思っているため、同意できません」

検事
「A子の意思で会いたくないと
主張していますが?」

養父
「反省して、罪を償った姿を見てから
判断してほしいと思っています」

検事
「刑期を終えたからと言って、
反省した、罪を償ったと言えますか?」

養父
「それだけではないですが、
それも一つの判断材料だと思います」



罪の重さを理解していないのが
とてもよくわかる言い訳です。


その後、蘭の陳述書の一部が
代理人弁護士(私たちの弁護士)により
読み上げられた。

傍聴席では、泣いて聞いてる人もいた。



読み上げられている時に
蘭の母親をチラッと見ると、
涙するわけでもなく、
何も考えていないような
ボケーっとした顔をしていた。

おそらく、
蘭の言葉だと思わなかったのだと思う。

母親と一緒に住んでいた時の蘭と今の蘭では、
事件の捉え方も考え方も全然違うから。

私たちの言葉で作られた
「蘭の陳述書」だと思っていると思う。













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