たむたむの配当金生活への道

草食系投資家のたむたむが、高配当株への投資で夢の配当金生活を目指します。

ホテルREITは今どうなっているのか?

f:id:tamtam0824:20200524091831j:plain

一部地域を除き、緊急事態宣言が解除され経済活動の再開に向けて一歩を踏み出しましたが、新型コロナウイルスの影響を最も受けた業種の一つがホテルです。そのホテルに特化したREITの株価の暴落と今の状況についてまとめてみました。

 

株価の推移①(コロナ前から暴落まで)

コロナショックが顕在化する前の1月31日と、いくつものREITがストップ安を付けた3月19日、そして直近の5月22日の株価を比較すると、次のようになっています。

f:id:tamtam0824:20200524091902p:plain

1月31日と3月19日の株価を比較する(表のB/A)と、大まかに2つのグループに分かれます。株価が60%以上下落したいちごホテルリート(3463)、インヴィンシブル(8963)、ジャパンホテルリート(8985)の3銘柄と、株価の下落は50%~60%に留まった星野リゾートリート(3287)、大江戸温泉リート(3472)、森トラストホテルリート(3478)の3銘柄です。

こうしてみると、3月の時点ではリゾートホテルやラグジュアリーホテルは比較的コロナの影響が小さく、宿泊特化型ホテルやフルサービスホテルの方が比較的コロナの影響が多いと評価されていたと解釈できそうです。

星野リゾート森トラストは月次の数字を公表していませんが、大江戸温泉は3月の売上高が前年同月比▲50.8%で、いちごやINV、JHRと比べてかなり健闘していました。3月の数字が発表されたのは4月24日でしたが、大江戸温泉はインバウンドの依存度が低かったので、市場ではダメージが相対的に小さいと考えられていたのかもしれません。

 

www.tamtam-dividend.xyz

 

 

 

 

 

株価の推移②(コロナ前から現在)

コロナ前の1月31日と現在(5月22日)の株価を比較する(表のC/A)と、コロナ前の四分の三程度にまで株価が回復している星野リゾートと大江戸温泉の2銘柄、コロナ前の40%台に低迷しているいちごとインヴィンシブルの2銘柄、そしてその中間の森トラストとJHRの3つのグループに分かれています。これにホテルのタイプを当てはめて見ると、

 宿泊特化型<フルサービス<ラグジュアリー<リゾート・温泉

という序列があるように見えます。

元々ホテルが過剰供給気味で激戦区の宿泊特化型ホテルや普通のフルサービスホテルは今後の業績の回復が最も厳しく、ブランド力のあるラグジュアリーホテルやリゾート施設やインバウンド依存度の低い施設などが優位にあることを物語っているのかもしれません。

 

株価の推移3(暴落から現在)

3月19日はREITが軒並みストップ安を付けた思い出深い日でしたが、3月19日と現在の株価を比較する(表のB/C)と、株価が60%以上回復しているJHR、50%程度回復している星野リゾート、大江戸温泉、森トラストの3銘柄、回復が20%~30%程度のいちごとインヴィンシブルの3つのグループに分かれています。

このようにみると、コロナショックで最も株価が下がったJHRが最も回復率が高いものの、その他は大きく売られた銘柄ほど回復率が低い結果となっています。

JHRは現時点ではまだ分配金予想を開示していませんので、最も売り込まれた銘柄が自律反発しただけなのかもしれません。一方、INVは+23.6%、いちごは+32.2%と他の銘柄と比較して3月19日からの回復率が低くなっています。

ただ、INVといちごはコロナの影響を織り込んだ分配金予想を開示していますが、他のREITはまだコロナの影響を織り込んだ分配金予想を開示していません。そのため、現時点では回復率が高いからと言って、安易に飛びつくのは危険で、予想の数字次第では暴落することもあり得ると思います。

 

 

 

 

 

情報開示の状況

株価は思惑だけでなく情報開示の影響を強く受ける可能性がありますので、各REITの再起の情報開示の状況をまとめてみました。

f:id:tamtam0824:20200524092112p:plain

ここで気なるのが、星野リゾートが昨年12月以降、業績に関する情報を開示していないことです。私は保有していませんが、直近の業績を知る手がかりが全くない中で、ホテルREITとしては比較的株価が安定しているのを見ると、保有リスクが高そうに感じます。来月には2020年4月期の決算が発表されますので、もしかしたらその前に業績予想の修正が発表されるかもしれません。

また、他の銘柄についても、3月の時点でホテル業界全体として厳しい状況に直面していましたが、4月に入って一段を厳しさが増し、休館も増えましたので、その影響がどこまで織り込まれているか見極めていく必要があります。その点ではインヴィンシブルは先日最悪とも言えるリリースを発表しましたので、それ以上悪くなりようはなさそうにも思えます。また、森トラストは決算発表時には業績予想は未定としていましたが、5月中を目途に予想を開示するとしていましたので、そろそろ出てくる頃です。

 

www.tamtam-dividend.xyz

 

 

www.tamtam-dividend.xyz

 

 

www.tamtam-dividend.xyz

 

 

 

 

 

星野リゾートリートでちょっと気になること

これまで株価の動きから星野リゾートと大江戸温泉を同じ様なカテゴリーのイメージで説明してきましたが、大江戸温泉は温泉旅館や温浴施設付ホテルで構成されているのに対して、星野リゾートや「星のや」その他の星野リゾートブランドの施設だけでなく、チサンインやANAクラウンプラザ、カンデオホテル、ザ・ビーなど普通のホテルも多く保有しています。

当法人は月次の数字を公表していませんので、コロナの影響を知る手掛かりはありませんが、星野リゾートブランド以外のホテルについては他のホテルREIT保有するホテルと大してパフォーマンスは変わらないと考えられますので、当法人の名称に「星野リゾート」が付いていることで、当法人の株価が過大評価されているのではないかと思ってしまいます。

f:id:tamtam0824:20200524092227p:plain

出典:星野リゾートリートウェブサイト

 

 

 

 

 

むすび

一括りにホテルREITと言っても、コロナショック前後の株価の動きには大きな乖離があります。これはホテルのカテゴリーによる面と情報開示の新しさによる面の両面から見ていく必要があると思います。

ホテルの業績は3月に入って急速に悪化し、4月に入ってからは壊滅的な状況になり、休館している施設が増えました。週明けには月次データが開示されますので、そこである程度明らかになってくると思います。

ただ、REITの業績に直接影響を与える賃料について固定賃料が契約通り支払われるのか、あるいは減額するのかは、情報が開示されないとわかりませんので、迅速な開示が望まれます。

ホテルの業績はいずれ回復するとは思いますが、それまで半年なのか1年なのか、あるいは2年、3年とかかるのかはわかりませんし、来年のオリンピックの開催すら危うい状況です。そのため、保有するのであればあくまで長期保有と割り切って放置しておくくらいの気持ちが必要だと思います。

私の場合は、これ以上株価が下がっても2、3年もすれば戻るだろうという気持ちで構えつつ、何かの思惑で株価が急騰すれば売っていくという両構えの姿勢で臨んでいきたいと思っています。

 

なお、この記事はあくまで僕の個人的な見解を示したものなので、投資判断はくれぐれも自己責任でお願いします。