夏の終わり。 | "かのかな" の 電光一閃!『臥龍八卦』

"かのかな" の 電光一閃!『臥龍八卦』

こんにちわ花野夏菜(かのかな)です。八卦を使います。皆様の悩んでる事、決められない事。
私が一発で「あなたの最善の道をご提案」いたします。どうぞご相談ください!

みなさんこんにちわ!
かのかな(花野夏菜)です!

仕事から帰って来ると、パパがしみじみとしてました。。
「ああ。『としまえん』も、今日が最後かぁ。。」

「どうしたのパパ?『としまえん』になんか思い出でも?」
「思い出もへったくれもあるか。『としまえん』はパパの
青春の1ページだよ。」

「どういう話?」
「うん。パパは昔何度も、としまえんでアルバイトしてた。」
「とにかく学生時代おカネがなくて。スポットでアルバイトに何度も入った。」
「パパ、成人式出てないんだよ。『バカバカしい』って。
だったらバイトしてた方がいいって。」
「『としまえん』で豊島区の成人式やってた。パパもその時新成人。」

(※パパ曰く「としまえん」の場所は練馬区にあるけど、
豊島区の成人式は「としまえん」でやってたそうです。)
「でもパパはそんな自分と同い年の子たちにアルバイトとして
いろんなサービスを提供する仕事してた。」

「それ、なんだかかわいそう。。自分の成人式は?」
「出てるヒマもカネもないよアッハッハ。」
「同級生になる新成人に仕事中
おめでとうございます!実は自分も新成人
なんです!
』とか言って。」
「ふ~ん。そうだったんだぁ。。。
 パパ、アルバイトで一番印象に残ったことってなに?」
「アレは忘れもしないね。ゲームのアトラクション担当になったんだよ。」
「うん。」
「冬休みのちょっと寒い日。パパは大学生だったんだけど。
高校生カップルとおぼしき2人が来て。」

「うんうん。」
「彼女さんが、アトラクションの景品のぬいぐるみが欲しいって。
んで、彼氏さんが頑張って取ろうとする。」

「それで。」
「頑張っても頑張っても。1個は取れたんだけど、
ペアになるもう1個が取れない。」
「3千円くらい使ったのかな?結局諦めちゃって。」

「かわいそうね。。。」
「だろ?パパもしょんぼりした彼氏さんを励ます彼女さんの
姿を見て心打たれて。。」
「心打たれて?」
「カップルを追いかけて、
欲しがってた景品をあげた。

「ええっ???」

「いいんだよ。だってアトラクション成功したかどうかはカウント
してないからわかんないもんアッハッハ。」
「したらさ。カップルの2人が『いいんですか?』って。
うん、いいですよ。だって彼氏さん、
彼女さんのために頑張ってたから。
』」
『ああでもコレないしょですよ。
バレたら怒られちゃうかもエヘヘ。』

とか言ったら2人とも『ありがとうございます!!』って。」
「何度も何度もこっち見てお礼してくれるの。
パパも「
ありがとうございました」と深く一礼して、
手を振って返した。」

「あの笑顔と、彼女さんの『頑張ってよかったね!』と
彼氏さんに言ってた後姿を見て。
ああ、オレいいことしたなぁー!」って(笑)」


「パパの気持ちはわかったけど、どうして勝手にそんなことを・・?」
「安いもんだろ?たかが景品1個。それまでに何千円も使ってもらってさ。」
「そんでもって。その景品1個をナイショでサービスすることで。」

「することで?」
「『としまえん』に好印象を持ってくれて。
 『
またデートに行こうね!』とかなったら。パパは
『としまえん』のために立派に仕事したことになる。」
「なるほど。。。」
『損して得取れ』
杓子定規ではダメってこと。

「自分とおんなじように『としまえん』が好きになってくれたら、
サイコーじゃんか?」

「パパ、なにげにすごい。。。」
「いや別に褒められたものではない。けど、自分にそういう
言い訳をしながら、
自分のできる最高のサービスを提供
した。しょんぼり肩を落とした2人がかわいそうに見えたから。」

「自分がカップルだったら、ちょっと嬉しいかも。。」
「うん。もしもね、そのカップルが順調にゴールインしてだよ。
子どもができて、『としまえん』に来ることがあった時に。

「昔こんなことが『としまえん』であったんだ。」
とか子どもに伝えてると『素敵やん?』とか思ってねアッハッハ。」

「まぁ。いずれにせよ。『夏も終わり』だな。さみしいもんだ。。。」


パパから聞いた、ちょっといい話でした。

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