『僕は仮面をつけ、ありのままの自分を捨て、好かれるためのキャラをセットし、
深呼吸をひとつしたあとで、電話をかけた』
こんにちは、斎藤です。
今日は、ASDとSAD持ちが女性に好かれるために頑張って話すとこうなるという実例です。
これはフィクションです。
【登場人物】
男：ASD、SAD持ち、頑張って話している。
電話した後は疲れる。女性に好かれるために仮面をかぶっている
【電話の目的】
男はいかに短時間の会話（目安は２０分）で心理的な距離を詰めるかを目指している
【状況】
マッチングアプリで知り合い、連絡先を交換し、初めて電話したところ
（お互いの外見はわかっている）
＊記事の転載は固く禁じます 斉藤礼二
(通話開始）
男：「あ、もしもし、こんばんは。」
女：「もしもーし、初めまして。こんばんは。」
男：「あ、どうも、初めまして。」
女：「初めまして。」
男：「なんか初めまして。いやーもうなんかかわいすぎて、お茶噴き出しちゃいましたよ。」
女：「はははは、いや、いや、いや、いや、噴かないですよ、普通。」
男：「いやー、普通は噴かないんだけど、あまりにもかわいかったんで。ちょっとあまりにもかわいかったんで、噴き出しちゃった、みたいな。」
女：「あはは、いや、いや、いや、いや、久しぶりにかわいいとか言われましたよ。」
男：「ホントにこんな天使みたいな人なのに？」
女：「あはははは。ない、ない、ない。」
男：「もうなんか、地上に天使現るかと思いました。」
女：「いや、いや、いや、いや、いや。他にもいっぱいいますよ、世の中には。」
男：「いやー、いない、いない、いない。あ、いた。〇〇さん、いた、みたいな。」
女：「あははは、あざっす。」
男：「あざっす、すか。」
女：「あざっす。」
男：「あざっす。」
女：「そこはもう。」
男：「えっとー、じゃあ結構モテる感じで？やっぱり。」
女：「いや、モテない、全然モテない、全然モテない。」
男：「あ、そうなんだ。」
女：「とりあえずかわいいって言われたら、ありがとって。」
女：「あー。ちょっと素直に。」
男：「素直に。」
男：「ねぇ、なんかでも、すごい話の、こう、返しもうまいし。」
女：「いやいや、うまくないですよ。」
男：「いや、そんなまた、上手だし、なんか、あの、なんか、すごい、居心地の良さを感じますけどね、なんか。」
女：「話しててですか？」
男：「あ、LINEのメッセージって言うか、ちゃんとこう、反応してくれて、言葉拾ってくれて。」
女：「はははは。」
男：「返してくれるんでね。」
女：「いや、さー、そこは拾わないと。」
男：「守備力抜群じゃないっすか。」
女：「いや、いや、そんなことないです。」
男：「いや、ファインプレーの連発だなぁと思って。」
女：「もうね、そこはもうばっちり。」
男：「ばっちり。」
女：「鍛えられてるんでね。」
男：「あー、じゃああれですか、あの出会いがないみたいな感じなのかな、なんか。」
女：「そ、そーう。うーん、かなりそっちかな。」
男：「うーん、いや男いっぱいいたらねー、絶対カワイイていう人、絶対いるよねぇ。」
女：「いや、いない、いない、いない。」
男：「なんでそんなに自己評価が低いの。」
女：「うふふふふふ、え、だっていないから。」
男：「え、ほんとに？」
女：「うーん。」
男：「え、でもなんか、何人かねー、今まで付き合ったりとかしてきたんでしょ。」
女：「何人、ほんとに何人かかなー。」
男：「あ、2人ぐらい、みたいな感じだ？」
女：「1人が長くてー。」
男：「うんうん。」
女：「みたいな。」
男：「1人が長くてな、うん。」
女：「うーん。だからー、人数的に少ない、みたいな。」
男：「うん、うん。5年とかみたいな感じ。」
女：「そんぐらい。」
男：「うん。」
女：「たぶんそんくらい。」
男：「あー。」
女：「数えてないけど。」
＜3分経過＞
男：「うーん、なんか家庭的な雰囲気があるよね、なんか長持ちしそうな感じする、すごく。」
女：「あー。ねぇ、でね、結局離れてくんだけどね。」
男：「え、なんで。なんで、そこ離れちゃうの。」
女：「え、甘やかしすぎて。」
男：「あー。」
女：「そう、で、なんかいい男になってって。」
男：「おーおーおー。」
女：「別の女が、来てー。」
男：「うん、うん。」
女：「そっちに流れるみたいな。」
男：「あー、レベルを上げちゃって、そのー、乗り換えられちゃうんだ。」
女：「そう、そう、そう、そう、そう。」
男：「へー、ぜひ俺の。」
女：「ブリーダーブリーダー。」
男：「ブリーダー。じゃあぜひ俺も育ててもらっていいっすか。」
女：「なん、十分育ってるじゃないですかー。」
男：「いやいや、恋愛レベルでいくとスライム並みなんで、まだ。」
女：「いや、いや、いや、いや、いや。そんな、そんな。」
男：「〇〇先生にレクチャーしてもらって、ちょっと課外授業とか、してもらっていいっすか。」
女：「うふふっ、課外授業ですかー？ちょっと別料金発生しますけど（笑い）。」
男：「あー、結構単価が高い、高単価なんだよね、きっと。」
女：「高単価かもしれないっすねー。」
男：「あー、まあでも、俺とお前の仲じゃん、安くしろよ。」
女：「なんでだよー（笑い）。」
女：「うふふ。」
男：「いきなり失礼なこと言うね、こいつも。」
女：「おもしろすぎる。」
男：「えー、そうかー。」
女：「まあそんなかんじ。」
男：「ブリーダーか、えー、いい男になってくんだ。」
女：「たぶん、いい男になってった。」
男：「んー、じゃあ・・・。」
女：「と思ってる。」
男：「あれだね、お世話しちゃうんだな、きっと。」
女：「そーなん・・・、そう、そういうかんじ。」
男：「んー。」
女：「んー。」
＜4分半経過＞
男：「こう普段からこう、尽くしてくれそうだもん。」
女：「なんだろ、仕事柄？」
男：「あー。」
女：「かな。」
男：「じゃ、逆にプライベートでは甘えたい、みたいな。」
女：「んー、ちょっとはそうしたい。けど、なんかできなくてー。」
男：「うん。」
女：「みたいな。」
男：「できないってのは、素直になれないってこと。」
女：「そう、あんまり、なれない・・・かな。」
男：「あー。そっか。」
女：「うーん。」
男：「かわいく甘えられないんだ？」
女：「かわいく甘えらんない。」
男：「へー。じゃあ今度頭なでなで…。」
女：「それはすごい。（聞き取れず）」
男：「なに？」
女：「なになに？」
男：「いやだから、今度頭なでなでしてあげようか？」
女：「やばい、それー。」
男：「頭ポンポンで、かわいがってあげようか。」
女：「かわいがってほしいな、それ。」
男：「うーん、かわいいなぁ、お前、丸っこくてかわいい、かわいい、かわいい。」
女：「あはっはっ。」
男：「よしよし。」
女：「ペット、ペットか。」
男：「あー、いや、あーでも、あれだよね、マスコット的な愛らしい天使のような。」
女：「言われる―。」
男：「あ、なるほどー。言われる―？」
女：「それ言われるー。」
男：「あー、キャラなんだ、じゃあ。そういう。」
女：「じゃないんだけどー。」
男：「ないんだけどー。おー。」
女：「言われることが、多い。」
男：「あー、それ、でも人気あるってことじゃないの。」
女：「人気なのかなー、なんかね、言われる―。」
男：「んー。え、だから男女、男女意識っていうよりも、なんか友達感覚みたいな。」
女：「そう、そう、そう、そう、そう。」
男：「んー。えー、俺全然もうなんか下心あるけどね。」
女：「え、全然あるんですか（笑い）。」
男：「あるっていうか、だから全然、なんかキスとかしたい感じだけどね。」
女：「やったー。」
男：「あ、やった？あ、じゃあ俺とキスできる？」
女：「できる。」
男：「おっ、認められました。ありがとうございます。」
女：「うふふ、できる。」
男：「いいね。」
女：「うーん。そうなの、キャラ、キャラは違う。キャラは全然違うはず。」
男：「あー、キャラは違うんだ。」
女：「うーん。」
男：「なるほどな。」
女：「そう、キャラは基本お姉さんだから。」
男：「そうだよね、なんか、こう包容力ある感じする。」
女：「でしょ。でもー。」
男：「うん。」
女：「マスコットとは言われる。」
男：「あー。お姉さんやけど。」
女：「うーん。」
男：「こう、妹的な側面も持ってるみたいな。」
女：「いや、なんだろう、違うんだよな、お姉さんだけど、なんかいじ・・・、いじられる側、いじられるキャラ。」
男：「あー、ちょっとこう上から、上からっていうか、ちょっと、いじられちゃうみたいな。」
女：「そう、そう、そう、そう、そう。」
男：「え、ムッとするわけ、それは。」
女：「ううん、しない。」
男：「おっ。心広いな。」
女：「それはしない。」
男：「しないんやー、うん。」
女：「うん。なんかありがとうってなる。ふふふ。」
男：「あー、いいね、いいね、いいキャラっていうか、いい性格してるね。」
女：「ありがとって、年下の子とかからの、なんかガッツリいじられたりとか。」
男：「うんうん。」
女：「説教とかされるけど。」
男：「うんうん。」
女：「ありがとってなる。」
男：「ほー。あー、あれだ、人に警戒心与えない雰囲気があるんだ。」
女：「あー、そうなのかなー。」
男：「あ、違う？人の良さが出てるとかじゃなくて？」
女：「わかんない、あ、でも初対面の人でもしゃべったりとかでも喋ったりとかはできるほうかもしれない。」
男：「今ね、俺めっちゃ楽しいもん。喋りやすいもん。」
女：「うそー、うふ、やったね。」
男：「もうねー、楽しいっす。」
女：「よかったですー。」
男：「よかったです、はい。」
女：「よかったです。それは。そっかそっかー。」
男：「へー、じゃあ育ててもらおうかな、俺も。」
女：「えー？うふふ。だって育てたら離れてくんだもん。」
男：「大丈夫、俺はあのー、離れないんで。・・・いや、なんかね、寒いこと言いましたけども。」
女：「うふふふふふふ（笑い）。」
男：「ふふ（笑い）。」
＜8分30秒経過＞
＊＊
（次回に続く）
