ネットワークって。。。#28(ルーティングプロトコル)

今回は、RIPの話。。。

Routing Information Protocolの略で、リップって読みます。

 

 

早速ちゃいます笑

 

RIPは、経路制御情報を動的に作成する距離ベクトル型のルーティングプロトコルで、LANの世界で広く利用されています。

 

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経路制御情報をブロードキャストする

RIPは経路制御情報を定期的にネットワーク上にブロードキャストします。

ブロードキャストっていうのは、ネットワークにつながっている機器に一斉に通知(送信)するって事です。

送信は30秒周期で、受ける側はこの経路情報が来なくなったら接続が切れたと判断します。

具体的には、30秒周期で5回まで待って、6回(180秒)待っても来ない場合に、接続が切れたと判断します。

 

では、経路制御情報って何???

前回同様、大阪の自宅からハワイ目的地に行く経路の例で、

 

 大阪の自宅

  ↓

 関西空港

  ↓

 成田空港

  ↓

 ホノルル空港

  ↓

 ハワイの目的地

 

この場合、各拠点は、ハワイの目的地までの距離(通過拠点数)を経路制御情報として全拠点にブロードキャストします。

例えば、

  • 関西空港は、ハワイの目的地まで3つ(成田空港、ホノルル空港、ハワイの目的地)
  • 成田空港は、ハワイの目的地まで2つ(ホノルル空港、ハワイの目的地)
  • ホノルル空港は、ハワイの目的地まで1つ(ハワイの目的地)

って感じで。。。

で、ネットワーク上には、上記以外の空港、羽田とか伊丹とか新千歳とか更には、世界中の空港もいて、それぞれが、ハワイの目的地までの距離(通過拠点数)を通知するイメージです。

その中で、最短経路が、上記経路って感じで。。。

 

例えば、

  • 新千歳空港は、ハワイの目的地まで3つ(成田空港、ホノルル空港、ハワイの目的地)

っていうのが、関西空港に送られてきたとして、、、

関西空港から見ると、 成田も新千歳も直接行けるけど、ハワイの目的地により近い成田を選ぶってイメージです。。。

 

 

距離ベクトルにより経路を決定

RIPも上記ハワイの例と同様に、距離ベクトルにより、最短の経路を通信の経路として選択します。

距離(メトリック)の単位は、前回も述べたとおり、ホップ数(通過するルータの数)です。

 

まさに、上記例の

  • 関西空港は、ハワイの目的地まで3つ(成田空港、ホノルル空港、ハワイの目的地)
  • 成田空港は、ハワイの目的地まで2つ(ホノルル空港、ハワイの目的地)
  • ホノルル空港は、ハワイの目的地まで1つ(ハワイの目的地)

 のイメージです。

 

 

サブネットマスクを利用した場合のRIPの処理

サブネットマスクについては、ネットワークって。。。#12を参照してください。

RIPは、サブネットマスクの情報を交換しませんが、サブネットマスクを使っているネットワークでも利用できます。ただし、同一のビットマスクの場合のみ利用可能となります。

 

例えば、ルータAのインタフェースが192.168.1.33/27で

  • 隣接したルータCから192.168.1.128/27はルータCを見に行けという経路情報が送られてきた場合 → ルータAの経路制御情報に、宛先:192.168.1.128/27 ゲートウェイ:ルータCのアドレスが追加(正常)
  • 隣接したルータCから192.168.1.128/26はルータCを見に行けという経路情報が送られてきた場合 → ルータAの経路制御情報に、宛先:192.168.1.128/24 ゲートウェイ:ルータCのアドレスが追加(異常)

  ※サブネットマスク長が異なるので標準のクラスCとして判断

 

???

ですかね。。。笑

 

例えが、難しいのですが、上記ハワイの経路の例で行くと、

「ハワイの目的地に行くには(具体的な空港名ではなくて)ハワイに行け」というような次元の違う経路制御情報が送られてきても処理できませんよってイメージです。。。多分笑

 

 

RIPで経路が変更されるときの処理

今一度、ハワイの例。。。

ここで、ある事情で、ハワイの目的地がなくなったとします。(ネットワークでいうと、いわゆるネットワーク障害)

 

 大阪の自宅

  ↓

 関西空港

  ↓

 成田空港

  ↓

 ホノルル空港

  ↓

 ハワイの目的地

 

ここで、隣接するホノルル空港は、ハワイの目的地が無くなった事を検知し、経路制御情報を流さなくなりますが、成田空港は、上記の通り、180秒経つまでは、過去の情報(成田空港はハワイの目的地まで2つ)を流し続けます。

この成田空港の経路制御情報が、ホノルル空港に流れたとして、ホノルル空港は、勘違いして、「ハワイの目的地に行くには、成田空港に行け」という経路制御情報を更新してしまいます。

このように、過去に教えた情報を逆に教えられて、お互いに伝え合ってしまう問題を無限カウントって呼びます。

 

上記の例のように、RIPではネットワーク障害等により経路情報が無限カウントに陥る可能性があります。

無限カウントを解決する為には、

  • メトリック16を通信不能とする(最大許容ホップ数:15)
  • 経路情報を教えられたルータには教えられた経路情報を流さない(スプリットホライズン)
  • 経路が切れた時、ホップ数16で経路情報を流し無効とする(ポイズンリバース)
  • 情報が変化した時に30秒を待たず経路情報を流す(トリガードアップデート)

という工夫がとられています。

 

 

RIP2

RIP2は、RIPのバージョン2のことで、RIPでの経験をもとに改良が行われたプルトコルです。

主に下記機能が付加されています。

 

 

まとめ

  1. RIPは、経路制御情報を動的に作成する距離ベクトル型のルーティングプロトコルで、経路制御情報を定期的にネットワーク上にブロードキャストする。
  2. RIPは、距離ベクトルにより、最短の経路を通信の経路として選択。
  3. RIPは、サブネットマスクを使っているネットワークでも利用できるが、同一のビットマスクの場合のみ利用可能。
  4. RIPは、ネットワーク障害等により経路情報が無限カウントに陥る可能性があるため、最大許容ホップ数:15やスプリットホライズンなどの工夫がされている。
  5. RIP2は、RIPでの経験をもとに改良が行われたプルトコル。

 

 

今回は、以上になります。 

 

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

 

 

【参考書籍】

 

 

 

     

 

 

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