ポスト・パンデミックに向かう毎日。
おぼろげな期待と掴みどころのない不安にさいなまれながら、何か有用なヒントはないかと今日もネット上を漁るが、ひときわ目を惹いたこの記事を紹介しよう。
東ヌサトンガラ州、東部インドネシアに広がる小スンダ列島のフローレス、スンバ、西チモール3島を主とする州だが、そこの州知事が観光客受け入れを6月15日から再開するというニュースだ。
最初は、ナニ? 隔絶された絶海の孤島が並び、未開の自然が色濃く残る地域なのでコロナウイルスが拡がらなかったのか?、、と思いきや読み進めていきビビることに。。
州知事の談話が載っているので、その趣旨を書きならべてみると次のようになる。
我々は、州民達がこのまま餓死していく様を黙って見るよりは、コロナウイルスに対峙した方が良い。
よって州政府は、自治州内の観光地を再開し客の受け入れを始める。
Covit-19を社会経済活動を全面的に停止する理由にしてはならない。
引き続き自治州の繁栄の為、これに対して戦う道を選ぶことに決めた。
しかし、戦う=コロナウイルスを無視することではなく、注意深く対峙しなくてはいけない。
この州知事が述べることによると、WHOの言うコロナウイルスへの対応ガイドラインについては充分に理解しているが、この様な措置は当地東ヌサトンガラ州では事実上、履行不可能であると。
必要な全てのリソースが、(予算、資材、技術、施設等を含む)充分でないのが、その理由。
対応措置が不可能なうえ、封鎖などしたら自分達で自身の首を絞めることになりかねず、平常化に戻すことが最善策を判断したという事だ。
因みに、この東ヌサトンガラ州には、コモド島やロチ島、アロール諸島、スンバ島を含み、これらの地域が6月15日から立ち入りが解禁されるという。
よってこれらの該当地域は、観光客受け入れの準備を進めるべきだという通達を発出。
同時に停止している同地域の関連行政サービスも開始されるらしい。
インドネシアでは、3月2日に公式のCovit-19感染が確認されて以来、(当地、東トンガラ州では4月)東トンガラ州では、85人の感染が確認されていて、9人の治癒と同じく9人の死者が発生している。
なんとまあ。。
上手くいくことを願うしかないのだが。。
同じインドネシアでも裕福なバリ島などでは、それなりの封鎖措置が執られている。
現在も厳しい感染防止策が継続中。
ジャワ島のジャカルタにある中央政府も、引き続きCovit-19に対して強固な防疫スタンスを継続する意向ではある。
しかし、先進国の中央集権的な統治など望むべくもない世界最大の群島国家のインドネシアでは、この様なことが現に起きるのだ。
考えられるだろうか? 沖縄県知事が、(我々は金も設備も充分に無いから、来月から中国からの観光客をタンマリと受け入れることにする。。)なんて声明を発表することを!
観光客を受け入れるとは言っても、現在も国外からインドネシアに乗り入れる国際線は限られ、外国人の入境は事実上、停止されてはいるが。。
しかし、此処に群島国家ならではの事情が深く絡む。
大スンダ列島に位置するインドネシアには、大小様々、17000以上の島々から成っていて空路のほかに海路で入境するケースも少なくないのが実情。
現に、周辺の豪州やマレー海域などから海路でインドネシアの領海に入境する人たちも多い。(富裕層を中心としたプライベートな船舶での往来も盛ん)
遠くジャカルタの中央政府の統治の及ばない小スンダ列島の行政官の長が、直々にそうすると言うんだから、きっとそうなるのだろう。
仮に外野で誰が何と言おうとも。。
6月15日解禁らしい! 如何かな?
勇者は、絶海の孤島に暮らすコモド・ドラゴン達に会いに行ったり、遠い昔、世界史に影響を与えた香料貿易の舞台などを訪ねてみては?
そこには原始時代から差ほど変わらない生活を営み続けている人々も居る。
きっと、長いコロナ自粛にささくれた気分も、少しはマシになるのではないだろうか?但し、船に弱い人は酔止めを持参することを薦める。
私からは以上だ。。