日本を滅ぼすための教育をどうすればよいか、という本ではありませんでした。残念ながら。
冗談はともかく、20~30年前くらいに刊行された、古い本が好きです。何故か? 未来人の視点による「愚かなる人間どもよ」という神の視点が楽しいのです。foresight とか 外交ジャーナルの、1970年代の昔の雑誌を読むと、今の雑誌よりか全然面白い。たまに未来を的確に予言している記事があったりして、なかなか妙です。
こちらの本は2006年刊です。一番良かったのは
「能力・学習成果に応じて、何歳であっても『やり直しがきく』労働市場を実現することが、教育改革にとって不可欠である」
ということ。未来人を唸らせる一節になってることを期待してます。
大学入試については「入りやすく出にくい」ことを支持する人が多いのに、
労働市場は「入りやすく馘にもなりやすい」という状況が支持されないのは不思議
という見解には激しく同意します。
私見ですが、正直、雇ってる側が「雇ってやってる」みたいなエラそうな態度とってるのが、心底心情から理解できません。これが今の日本社会の発展を阻害する要因のうちの大きな一つであると思ってます。別に勤めてるところを辞めたところで痛くもかゆくもなし、といって100件くらいは辞めてきましたが、全然困らない。なので正直、生活保障とか安定とか、なんか色々言ってる社会的な話題のほとんどが、前提から理解できてないのですが、多分この辺の感覚が一般と違うんだろうと思ってもいますが。
「辞めたいけど辞められない」という人の理由を聞いて、納得や共感ができたためしがないのです。
うちの生徒には、実力一つで自由に社会を歩いて行ける力を身に着けてもらいたいですね。
さて、高校3年間で3000冊読破の目標を掲げて以降、年を経るごとに読書量は減って、今では・・・。ふむ、頭も悪くなるわけだ、と納得。
高校生活で平均1日3冊は、薄い本や上下巻分冊の1冊も1冊でカウントしてるので、言うほど大した量じゃないですが、あの頃はもうチョット知ることや考えることに対して真摯だった気がするな。過去の自分と会ったら、絶対見下されると思います。はい。
うちは原則政治的な活動は行いませんが、どうあって欲しいかという理想の社会は
・品格と責任を伴う「自由」な社会
です。自由があれば平等や保証はいらないです。最低限の機会の平等さえあれば十分。それ以外の弱者救済は、古代ローマ(広い指定だな・・・)のような、金を持ってる人が自分の意志で好きなように社会理念に沿った活動をすればいい、と思ってます。今でいうなら、著名人が基金作ったり、一時生活支援金の貸し出しをしようというときに、「偽善だ」という批判が出るとか「法律上それがどうこう」言い出して行政に任せるべきだとかいう意見は、正直、なんだかなぁ、と。
理想の社会は制度に求めないので、うちの生徒たちが社会を生き抜く力を身に着けて、気づけば生きることに充実感のある社会になってることを期待してます。はい。