シリコンバレーロックダウン後日記

起点はシリコンバレーがロックダウンされた2020年3月。2021年6月、シリコンバレーのロックダウンが解除されてから、シリコンバレーと世界がどのように回復に向かっていくのかを日記に記録してみようと思う。

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日本は緊急事態解除(ロックダウン71日目・現時点の解除予定日まで残り6日)

*この日記でロックダウンと呼んでいる規制は正確にはShelter-in-PlaceまたはStay-at-Home(自宅避難)規制と呼ばれています。ロックダウンには広範囲の意味があり、緩い規制から厳しい規制にまで幅広く使われいます。

シリコンバレーに半月以上遅れて始まった日本の緊急事態宣言が解除されたそうだ。日本がシリコンバレーの私たちよりも随分遅れてロックダウンした頃、カリフォルニアよりほんの少しロックダウンが遅かったニューヨークでは、感染者も死亡者も指数計算的に伸びていきピークを迎えていた。米国では毎日悲惨なニュースが流れ、多くの人たちは犠牲者たちと最前線で戦う医療関係者のために祈るしかなかった。

そんな時に、日本の緊急事態宣言を聞いた米国では、東京がニューヨークのようになるんではないかという懸念を持っていた人も多かっただろう。ところが、日本は感染爆発を起こすこともなく1ヶ月半で緊急事態宣言を解除できるところまで状況を改善することができた。ロックダウンに入ってもうすぐ2ヶ月半を迎えるシリコンバレーは今だロックダウン状態であり、今後も規制が緩和されるとはいえ日本の状態に戻るまでにはまだ相当な時間が必要そうである。一体、日本はなんで感染爆発しないんだろうと、世界は首を傾げている。

もともと握手をしたり、ハグをしたりしない、人と人との間の距離感がある文化のためなのだろうか。従来からマスクをして過ごすことに抵抗がないため、マスク着用が早くから徹底されていたためなのだろうか。室内では靴を脱いだり、手洗いが習慣化されている衛生観念の高さが要因なのだろうか。様々な文化的に優位な条件を確かに日本は持っている。

しかし、東京の満員電車や人混みを知っている在米日本人にとっては、あの狭い空間でたくさんの人たちが密集する機会がたくさんあるのにも関わらず、感染が広がらなかったのは不思議でならない。

また、米国での犠牲者の多くは老人ホームにおける感染が原因なのだが、超高齢化社会の日本にも関わらず、老人ホームでの感染事例は米国に比べると決して多くない。一体、何がどう違うんだろう。

昨日も書いたように、シリコンバレーのお隣のサンタクルーズでは、母の日前後の週末で規制を破って開催されたパーティにより、新たなクラスタが4つも発生している。なんでなんだ?パーティという場で行われる行動に問題があるのだろうか。ハグをすること。食べ物、飲み物をシェアすること。向かい合って長い会話をすること。そういうことの方が、すし詰めの通勤列車よりもはるかに感染率が高いのだろうか。

そういうことなら、ロックダウンが解除されたとしても、米国で人々の集まりの規制は続くだろうし、相当小規模の集まりしか許可されないかもしれない。規制が解除されたら一番待ち望んでいるのは、人々との画面越しではない顔を見ての会話なのだけれど。

解除された後、日本ではどの程度まで、規制前の生活が戻るのだろうか。普通にショッピングに行って、商品を手にとって見たり、試着をしたりできるのだろうか。レストランで友人たちと何時間もおしゃべりをしながら食事をとれるのだろうか。そして、それによって起こりうる第二波を日本はどうやって切り抜けるのだろうか。

一足先に早くロックダウンに入り、日本の人たちに参考にされた米国のロックダウンだったが、今度は、日本が一足先に解除するので、その後の動向は欧米に注目されるだろう。

ぜひ、このまま第二波を起こさずに、どういう風にすれば感染を広げることなくNew Normalを生きていけるのかお手本になってほしい。

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