シリコンバレーロックダウン後日記

起点はシリコンバレーがロックダウンされた2020年3月。2021年6月、シリコンバレーのロックダウンが解除されてから、シリコンバレーと世界がどのように回復に向かっていくのかを日記に記録してみようと思う。

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カリフォルニア、再ロックダウンへ

時間の問題だったカリフォルニア再ロックダウンへの鶴の一声が、州知事から今日かかった。本日、米国もカリフォルニア州も一日あたりの新規感染者数、現在の入院者数共に最高記録を更新している。ちなみに米国の新規感染者数は20万人超え、入院者数は10万人超え、一日あたりの死者は2500人超えというすごい数字が並んでいる。

今回のロックダウン(Stay-at-Home 規制と呼ばれている)のルールは、各地域の使用可能なICUのベッド数と連携することになっている。すでにICUのベッド数が足りずにテントや駐車場を使用してい臨時医療施設を設置している州が存在しており、カリフォルニア州が同じような道を辿って医療崩壊を起こすことがないようにするのが、今回のロックダウンの主な目的だ。

そのルールは次の通りである。

カリフォルニアを大きく5つの領域に分け、それぞれの領域で使用可能なICUベッド数を監視する。使用可能なICUベッド数が残り15%になったタイミングで、その領域は Stay-at-Home 体制に入らなくてはいけない。ちなみに現状から予測すると、5つの領域のうち、シリコンバレーのあるベイエリア領域をのぞいた4つの領域は、2、3日以内に残り15%のレベルに到達する可能性が高く、Stay-at-Home 体制に入るのではないかと言われている。

Stay-at-Home 体制に入った場合の規制はどの程度なのか、主な規制を以下に箇条書きにする。

・レストランは室内野外共に食事禁止となり、持ち帰りや配達のみで営業可能

・理髪店やパーソナルケアサービスは営業停止

・バーやワイナリーなど主に酒類をサービスする店は営業停止

・公園は室内野外共に使用禁止

・映画館、博物館などのエンターテイメントの営業停止

・プロスポーツは観客なしで継続可能

・小売店やショッピングセンターは通常の20%の顧客受け入れで営業継続

・教会のミサは野外でのみ許可

・ホテルは重要なフラストラクチャのサポート目的のためにのみ営業可能

・学校は現在の規制のまま

・旅行や一緒に暮らす家族以外の人との交流は制限

などなどで、ざっと見たところ、学校が場所によっては登校可能であったり、プロスポーツが観客なしでゲームができるなど、いくつかの点を除けば、最初のロックダウンの2ヶ月半後に、少しだけ規制緩和されたときの状態とほぼ似ている 。5月の末ぐらいのレベルだろうか。

こう書くと、さぞや不便になるのだろうと思えるかもしれないが、シリコンバレーでは規制が常に他の郡よりも厳しい状態にあったこと、私自身は最初のロックダウン生活を規制緩和後もあまり変えていなかったことが要因で、実質的にはだいたい今までと同じ生活を続ける感じになりそうだ。たぶん、食料品店の行列が少し長くなるんじゃないかと思う。

規制緩和と共にレストランやバーにでかけてパテオで楽しんでいた人や、子供を公園で遊ばせていた人、また、ショッピングセンターや教会に出かけたりしていた人にとっては、残念な再ロックダウンとなるだろう。

最初のロックダウンに比べればわかっていることが多いので、もしかしたらトイレットペーパーなどが一時的に品薄になるかもしれないが、春のロックダウン初期に、何故か卵が買えなくなったり、買ってきた品物を消毒用アルコールで拭くという作業に疲弊するというような誤解や混乱は発生しないと思う。あのときの困惑と不安感がないだけ、パンデミック史上最悪の感染拡大状態を迎えているにもかかわらず、今回のロックダウンはストレスが少ないかもしれない。

ただ、人間なれるということは怖いもので、困惑と不安感が少ない分、ロックダウン規制を破る状態にも慣れてしまっている人々は、規制を強化したところで守らない可能性もある。これだけの拡大状態にあれば、相当高い確率で街には無症状で無自覚な感染者が歩いているはずで、外にでかけた人が知らぬ間にどこかから感染を拾ってくる可能性も以前よりもはるかに高い。今こそ、一緒に暮らしていない人と会う時は本当に気をつけなくてはいけないと思うのだが、例えば、ティーンエイジャーが昨日まで毎日遊んでいた友達だから大丈夫だと考えてしまう気持ちはわからなくもなく、しかし、昨日は平気でも今日は知らず知らずの経路から感染している可能性があるので、こういうメンタリティの人たちにどうやって規制を守らせるかは重要なキーポイントとなる。

ロックダウンはまだ始まっていない。特にシリコンバレーを含むベイエリアにはまだ一週間ぐらいの猶予がありそうだ。情報を漏らさないように丁寧にチェックしながらロックダウンに備えたいと思う。

そういえば、駆け込みで美容院に行ったりする人も出てくるかもしれない。我が家は裏庭床屋がだいぶうまくなってきたので誰も駆け込む人間はいないが、髪染めの腕は相変わらず安定していないので、頭が全体的にまだら染めになっている。ただ、これはもうロックダウンが完全に開けるまで放っておこうかなと考えているところだ。

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