流行りのdotStickに適合する18350バッテリー

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結論：18350で0.4Ωコイルなら信頼できるバッテリーで赤モード(20W)に限定して下さい！

今流行りのdotStick、短い状態で使う場合は良く使われている18650よりも短い18350タイプのLi-ionバッテリーを使用します。バッテリーを安全に使用する為にはバッテリーに流れる電流を定格電流以下にする必要がありますが、18350は18650に比べて定格電流が小さいので注意が必要です。本記事ではdotStickのバッテリーに流れる最大電流と18350の定格電流について記載します。安全なVAPEの為にも一読いただけると幸いです。

この記事はダースさん(@sanders_0519)とこいちさん(@yuzukko_vape)の協力のもと作成しました。ご協力ありがとうございました。

dotStickのバッテリー電流
18350の定格電流
安全に使用するには
まとめ
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dotStickのバッテリー電流

dotStickのスペックから出力値を抽出しました。

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コイルのラインナップ的に0.4Ωが最も低抵抗なので抵抗値は0.4Ωとします。出力は緑モードの27Wとします。

出力が調節できるタイプのMODは基本的にバッテリー側回路(1次)とアトマイザー側回路(2次)で変圧する2次回路になっています。(Bypassモードはこの限りではありません)

アトマイザー側に流れる電流Ia、電圧Eaは以下の通り計算されます。
電流(A)×電圧(V)=出力(W)の式より
Ia × Ea = 27 ...①
オームの法則：電圧(V)÷電流(A)=抵抗(Ω)より
Ea / Ia = 0.4 ...②
②式を変形して
Ea = 0.4 × Ia ...③
③式を①式に代入して
0.4 × Ia × Ia = 27 ...④
④式を変形して
Ia^2 = 67.5 ...⑤
⑤式より
Ia = 8.22(A)
これを①式に代入して
8.22 × Ea = 27 ...⑥
⑥式より
Ea = 3.28(V)

次にバッテリー側に流れる電流Ibを計算します。電圧Ebは満充電で4.2(V)、下限はmodの低電保護値によりますが、3.2(V)としましょう。
(満充電時)
Eb = 4.2
2次回路(変圧)の式より
Ia × Ea = Ib × Eb ...⑦
⑦式にIa、Ea、Ebを代入して
8.22 × 3.28 = Ib × 4.2 ...⑧
⑧式より
Ib = 6.42(A)

(残量低下時)
Eb = 3.2
⑦式にIa、Ea、Ebを代入して
8.22 × 3.28 = Ib × 3.2 ...⑨
⑨式より
Ib = 8.43(A)

要するに、dotStickに0.4Ωのコイルを付けて最大出力でパフすると満充電の時は6.42(A)、残量低下時は8.43(A)の電流がバッテリーに流れるという事です。よって最大電流は8.43(A)です

18350の定格電流

世界最大のVAPEフォーラムで信頼と実績のあるMoochが膨大な量のバッテリー評価(rating)を実施していますのでコチラを参考にします。

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こちらは2020年6月にアップデートされた18350の評価結果です。オレンジのCDR値(mooch推定定格電流値)を参照してください。ここに記載のある18350バッテリーは全て9A以上ですが、安全のマージン※を定格電流×0.8とすると9×0.8=7.2(A)となるので0.4Ω緑モードの最大電流8.43(A)を下回ってしまいます。信頼のおけるバッテリーでも0.4Ωのコイルを使う場合は赤モード(20W)で使用するか1.0Ωのコイルを使用してください。

※バッテリーにも製造誤差による差などもあるので過信は禁物です。ベテランVaperさんは誤差を考慮し、各自でマージンの基準(-2A、0.8掛けなど)を持っています。

更に！

市場に出回っている全ての18350が上記リストの物とは限りません。

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一昔前の18350評価結果です。公称電流値(Claimed CDR)が10.5Aでも推定電流値が5Aや6Aの物が有ります。これらのバッテリーで最大出力パフすると最悪の場合満充電でもバッテリーが爆発してしまう可能性が有ります。顔に近い所で爆発するので致命傷を負います。最近のチップは過電流保護とかあるのかもしれませんが、チップが故障するという可能性も無きにしも非ずなので安全なバッテリーを使うに越したことはありません。信頼のできないバッテリーでは赤モード(20W)でも危険です。

安全に使用するには

Li-ionバッテリーを使用するVAPEデバイス全てにおいて安全に使用する為には『各出力のバッテリー電流(最大)』と『自分の持っているバッテリーの定格電流』を知っておく必要があります。

各出力条件でのバッテリー電流

dotStickの各抵抗値毎の出力とバッテリー電流は表にまとめましたのでご参考までにどうぞ。

出力W(低残量時電流[A])
	0.4Ω	0.7Ω	1.0Ω
Red Light	20W(6.25A)	10W(3.13A)	10W(3.13A)
Blue Light	24W(7.5A)	12W(3.75A)	11W(3.44A)
Green Light	27W(8.44A)	14W(4.38A)	12W(3.75A)

安全マージン(定格電流×0.8)を取ることを考えると現状0.4Ωの青モード(24W)と緑モード(27W)に耐えうる18350バッテリーは存在しません。爆発事故を防ぐ為にも0.4Ωのコイルを使う場合は信頼できるメーカーの18350バッテリーで赤モード(20W)の使用に限定するか、18650バッテリーを使用するよう心がけてください。