はじめに
前回、受験校を検討する際に、偏差値が切り口になりやすい点を記しました。また偏差値と関連して、その学校の進学実績も気になると思います。
ここでは進学実績の把握方法について記します。
大学の合格実績と進学実績
各校の大学進学実績をウェブサイトで調べようとすると、多くの学校では進学実績ではなく、合格実績を掲載しています。これですと、例えば一部の優秀な生徒が多くの大学に合格している場合、その学校を評価するには分かりにくい数字になってしまいます。
ここでは、受験校の検討をする際に、各校の進学実績を把握または推測する方法について記します。
進学実績の把握
各校のウェブサイト
一部の学校ではウェブサイトに進学実績が載っていますので、まずは各校のウェブサイトを調べましょう。
週刊誌等
各校のウェブサイトでは、基本的に全ての進学先について掲載されます。一方で週刊誌等の場合は、一部の大学を除き、国立の合計、国立➕早慶など、ある程度括られた数字が掲載される傾向があります。
しかし合格実績よりは進学実績の方が、受験校の検討をしやすいと思います。
計算による推定
調べたい学校の進学実績がウェブサイトに載ってなく、さらに週刊誌等から有効な情報を入手できていない場合について、代わりに計算で推定する方法を記します。
これはあくまで仮定に基づく概算ですが、合格実績のみを見ているよりは、検討しやすくなると思います。
具体的には、次の①②③のように計算で推定します。
①一部の学校は進学実績および合格実績をウェブサイトに掲載している。それらの中から、検討したいA校となるべく偏差値が近いB校を選ぶ。
もしウェブサイトで見つからない場合は、代わりに週刊誌などの進学実績を代用してもよい。
②次に例えば早慶の進学実績を推定したい場合は、以下のように計算する。
まずB校の進学実績と合格実績の割合B1を計算する。
・B校の早慶進学実績:20名
・B校の早慶合格実績:100名
・B校の進学実績と合格実績の割合:B1=20➗100=0.2
次に検討したいA校の早慶合格実績から、A校の早慶進学実績A1を次のように計算して推定する。
・A校の早慶合格実績:50名
・A校の早慶進学実績(推定):A1=50✖0.2=10名
③同様に国公立について計算すると次のようになる。
・B校の国公立進学実績:90名
・B校の国公立合格実績:100名
・B校の進学実績と合格実績の割合:B1=90➗100=0.9
・A校の国公立合格実績:50名
・A校の国公立進学実績(推定):A1=50✖0.9=45名
ちなみに上記のB1=0.2(早慶)や0.9(国公立)は、中堅校以上(トップ校は除く)で使用可能な数字の一例です。
さらに進学実績の計算値を生徒数(例えば200名)で割ることにより、次のように国公立および早慶への進学率C1(%)も推定できます。(あくまで仮定に基づく推定です)
C1=(10名➕45名)÷200名=27.5%
入口と出口の偏差値に要注意
以上のような検討をする際に、1つ気をつけておきたい点があります。
各校の偏差値は毎年変動します。特に偏差値が下がる傾向にある学校は注意が必要で、その年の進学実績は6年前に入学した生徒の実績であり、6年後の実績は大きく下がる可能性があります。
従いまして、進学実績を調べる際には、6年前の偏差値もセットで調べた方が、受験校を検討しやすいと思います。
まとめ
進学実績の把握方法の例について、改めて整理します。このような点も考慮しつつ、受験校の検討を進めて見ては如何でしょうか。
【補足】6年前の偏差値もセットで把握しておきたい。
よろしければ、参考にしてみてください。
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