ZUNTATA【ゲーム音楽作曲家列伝16】

前回のコナミ矩形波倶楽部に続き、団体の紹介となります。

1983年に設立されたタイトーのサウンド部門は、1987年頃からZUNTATAを名乗るようになり、その活動は現在まで続いています。

ZUNTATAの歴史

結成:1987年6月
歴代在籍作家:
32名

タイトー社内ではサウンドクリエイトへの需要から、1981年から1982年頃に今村善雄さんを中心とした「第5研究室」が設置され、1983年にはサウンド部門となりました。これがZUNTATAの前身です。

1987年6月に発売されたダライアスのサントラからZUNTATAの名義がクレジットされるようになり、以後タイトーのサウンド部門はZUNTATAの名義で制作やライブを行うようになります。

コナミ矩形波倶楽部、セガSSTバンドなど、当時はゲーム音楽の盛り上がりに合わせて、各社ともリアル演奏活動を展開する団体を立ち上げるのが流行になっていましたが、音楽に力を入れていたタイトーも演奏活動も出来る団体を立ち上げた、ということですね。

コナミ矩形波倶楽部と同様、演奏活動のためのバンドと、タイトーのサウンド部門全体を総称してZUNTATAと呼んでいますが、ここでは主にタイトーサウンド部門全体ということで扱います。

初代リーダーは今村善雄さん。メンバーの入れ替わりはありますが、現在もタイトーのサウンド部門はZUNTATA名義での活動を継続しています。

現在のZUNTATAのメンバーは以下の4名です。

石川勝久さん(現リーダー)
土屋昇平さん
下田祐さん
森正樹(MASAKI)さん

タイトーのゲーム音楽の印象

自分はタイトーのゲーム音楽の記憶があるのは、フェアリーランドストーリー、影の伝説あたりからです。1985年の夏から秋頃ですね。

当時のタイトーのゲーム音楽、自分は大ファンだったんですが、「渋い」「マニアック」「玄人好み」という印象でした。

タイトーの作品には、フェアリーランドストーリー→バブルボブルのファンシー路線や、影の伝説→奇々怪々の和風路線も流れとしてあるんですが、やはりダライアスシリーズ、メタルブラック、そしてレイフォースシリーズなどのシューティング作品の音楽のイメージが強いです。ソリッドでマニアックな音楽性ですよね。

タイトーのゲーム音楽は、初期の頃から音色の作り方に特徴があって、金属質なんだけど、コナミの波形メモリ音源みたいに煌びやかではなくて、少しくぐもったサウンドで、いぶし銀というか、錆びてるというか、でもとにかく「なんてカッコイイ音を作るんだ」って思っていました。

FM音源はもちろん、PSGの時からそんな印象でした。

このタイトーサウンドは小倉久佳さんの影響力が大きいと思います。

現在はゲーム音楽も表現の形は大きく変わりましたが、そういう初期に確立されたタイトーサウンドの伝統というかフィーリングはZUNTATA内でずっと引き継がれているように思います。

ZUNTATAに在籍した作曲家

50音順、現メンバーを含みます。名前に続けてタイトー在籍時の代表作を列挙します。

相澤静夫(Splatter.A)
ダライアスツイン、レインボーアイランド、オペレーションサンダーボルト

池田宜史(ike)

石川勝久(ばび〜)現メンバー、5代目リーダー
作編曲は行わない

今村善雄(IMA)初代リーダー
バルーンボンバー、ワイルドウエスタン、ちゃっくんぽっぷ、エレベーターアクション

今村善雄【ゲーム音楽作曲家列伝第2部 第1回】
ゲーム音楽作曲家列伝は今回から第2部に入ります。第2部第1回は1977年頃からタイトーに所属し、最初期のゲーム音楽発展に貢献した今村善雄さんです。

内田哉(hyu)4代目リーダー
2011年6月退社、株式会社ファラッドを設立。

上田砂代子(Sayoko)
ガラクタ名作劇場、ラクガキ王国、ゾイドインフィニティ

海野和子(Karu.)
ミズバク大冒険、プリルラ、逆鱗弾、パズルボブル、あっかんべぇだぁー、オペレーションタイガー、クレセントテール

瓜田幸治(URI)
バトルギア、電車でGO!3通勤編、パズルボブル3

1971年生まれ。1991年にマイクロキャビンに入社し、幻影都市、サーク3などを手掛けた後、1995年にタイトーに入社。現在はタイトーを退社してフリーランス。2010年に音楽を担当した「チェブラーシカあれれ?」が高い評価を受けている。

大縫一行(POCHI、NUI)

小倉久佳(OGR)

小倉久佳【ゲーム音楽作曲家列伝06】
ゲーム音楽作曲家列伝第6回は1984年デビューでタイトーのゲーム音楽を作ってきた小倉久佳(OGR)さん。初期のゲーム音楽作家で一番好きな人です。

鎌田良和(KAMATY)

河本圭代(TAMAYO)

河本圭代【ゲーム音楽作曲家列伝07】
ゲーム音楽作家列伝第6回は1984年にカプコンの作曲家としてデビューして、後にタイトーに在籍、初期のゲーム音楽形成に大きな影響を与えた河本圭代さんです。

君島正(KIMI)
アルカノイド、バブルボブル

国京砂織(Sally)

小塩広和(COSIO)
アルカノイドDS、スペースインベーダーエクストリームシリーズ、スペースインベーダー インフィニティジーン、電車で電車でGO!GO!GO!れぼりゅ〜しょん、ダライアスバーストシリーズ、グルーヴコースターシリーズ

1980年6月2日生まれ。2005年にタイトーに入社、営業を経てZUNTATAに加入。2015年11月タイトーを退社してフリーランスに。鍵盤奏者でDJ活動も行う。

櫻井浩司(CHERRY)
逆鱗弾、スーパーフットボールチャンプ

下田祐 現メンバー
グルーヴコースターシリーズ、スペースインベーダーエクストリーム for Steam

2017年6月にZUNTATAへ加入。1982年11月2日生まれ、タイトー入社前はアトリエシリーズ(ガスト)、ロックマン9,10(カプコン)などを手掛けていた。

下田祐さんについてはガストサウンドチームの記事内で紹介しています。

ガストサウンドチーム【ゲーム音楽作曲家列伝38】
ゲーム音楽作曲家列伝第38回はガストサウンドチーム(Gust Sound Team)の紹介です。ガストはアトリエシリーズなど音楽に力が入った作品を作っています。

高木正彦(Mar.、Richard H.B.)3代目リーダー
ナイトストライカー、レイメイズ、ラスタンサーガ、ウォーリアーブレード、ガメラ2000、フルスロットル

1967年11月12日生まれ。タイトー入社後、1987年のランスタンサーガで作曲家デビュー。その後、長期に渡ってタイトーのゲーム音楽を支え、2009年頃タイトーを退社。

高萩英樹(HAGGY)
サイキックフォースシリーズ、武刃街、バトルギア2、ゾイドインフィニティ

高橋誠仁(コモエスタ高橋)

土屋昇平 現メンバー
ホーンテッドミュージアムシリーズ、ダライアスバーストシリーズ、グルーヴコースターシリーズ

現在のZUNTATA中核メンバーでベーシスト。1979年6月6日生まれ。2003年にフロムソフトウェアへ入社し「O・TO・GI 百鬼討伐絵巻」で作曲家デビュー。2008年にタイトーに移りダライアスバーストシリーズのメインコンポーザーを務める。

殿村裕誠(Tono)2代目リーダー
ダイノレックス、クイズH.Q.、レイフォース、レイストーム

中澤秀一郎(シュウ・ナカザワ)
クレオパトラフォーチュン、ランディングギア、ジェットでGO!2

中西宗博(Mu-NAKANISHI)
ガメラ2000

古川典裕(なかやまらいでん)
ダイナマイトリーグ、スペースガン、アラビアンマジック、グリッドシーカー、ライトブリンガー、パズルボブル2、電車でGO!、カオスヒート、タクトオブマジック

1970年2月8日生まれ。1988年にタイトー入社。ZUNTATAのライブには初期の頃からレギュラーメンバーとして参加していた。2001年にタイトーを退社、現在は「なかやまらいでん」名義でフリーランス活動をしている。

堀内理美子(Rimmy)
パズルボブル4

三澤宏行(SAWAMMY、バナナンミサワ)
JETでGO!、サイドバイサイド

森正樹 (MASAKI) 現メンバー
グルーヴコースターシリーズ

1986年12月15日生まれ。2010年頃よりフリーランスで作曲活動を始め、2015年11月にタイトーへ入社。

八木下直人(YAG)
ワイバーンF0、ファイナルバブルボブル

山田靖子(Yasko)
ドンドコドン、バブルシンフォニー、バブルメモリーズ

1988年タイトー入社、10年間ほどタイトーでゲーム音楽を制作。タイトー退社後は有限会社リーブを設立、チョロQシリーズ(タカラ)を手掛ける。

弓谷賢二(KY)
ムーンキャッスル

渡部恭久(Yack.)
メタルブラック、サイバリオン、カイザーナックル、ルナーク、ファイターズインパクト

1988年から1998年頃タイトーに在籍。タイトー入社後に作曲を始めたという。タイトー退社後は、スーパースィープ在籍を経て現在はフリーランス。タイトー退社後の作品では、旋光の輪舞シリーズなどが評価が高い。

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