世界遺産に泊まれる?ホテル その2

https://ioniceland.is/

※アイキャッチ画像はホテルサイトから引用

一度は世界遺産の近くに泊まってみたい!と思われる人も多いのではないでしょうか。でもキャッチーなフレーズ「世界遺産に泊まる」に踊らされていませんか。本当にそのホテルが世界遺産の登録エリアなのか?現実的には国が保全するエリアに観光施設はほとんどないため、注意が必要です。

ここでは、街中を取り上げるとキリがないので、自然(複合)遺産に絞り、「世界遺産に泊まる」かのような表現がよくみられるホテルについて吟味してみたいと思います。

※ホテルは2020年11月時点でのホテルHP上の情報に基づきます。

■トンガベジ・ロッジ(ザンビア・リヴィングストン)

世界遺産「ヴィクトリアの滝」の滝つぼの手前を流れるザンベジ川流域に、いくつかのホテルがありますが、中でもこのトンガベジ・ロッジは食事やアクティビティが含まれた”オールインクルーシブ”な滞在が可能なラグジュアリータイプのロッジ。アクティビティは周辺の野生の動植物をドライブしたり、最も有名なのが、ヴィクトリアの滝つぼのギリギリ境界の水面に入る、まさに”デッドプール”と呼ばれる場所に行くものです!

引用元:https://www.teestyle.jp/country/zambia/Livingstone/hotel/TongabeziLodge.html

一方世界遺産に登録されているエリアは、下記世界遺産委員会HPの資料からは、ザンベジ川流域の上部モシ・オ・トゥニャ国立公園の一部と、下部ヴィクトリア滝国立公園を含む、赤い太枠内。

上記ロッジは図のちょうど左上の切れ目の、ザンベジ川流域にあり、太枠内には含まれません。ここまで近ければほぼ”世界遺産に泊まる”ですが、実際は範囲外でした。

なお、まさに滝つぼの間近に位置し、範囲内にある高級ホテルとしては「ロイヤル リビングストーン ビクトリア フォールズ ザンビア ホテル バイ アナンタラ」等があります。

世界遺産委員会HPより抜粋 赤枠が資産範囲

※世界遺産「ヴィクトリアの滝」についてはコチラを参照ください。

■フェアモントバンフ スプリングス

世界遺産「カナディアンロッキー山脈自然公園群」は、その名の通り、ヨーホー国立公園・ジャスパー国立公園など複数の国立公園から成りますが、観光客に人気なのは”バンフ国立公園”にあるフェアモントバンフホテル。

1888年創業、国定史跡にも指定されている建物はスコットランドのお城を彷彿させます。大自然の中ならではのゴルフコースや、冬はスケートリンクも出来、また客室の豪華さやレストランは10以上もあるほど、設備も格別です。

引用元:https://www.fairmont.jp/banff-springs/

当然ながら国立公園内にあり、世界遺産の登録範囲内。とにかく広い範囲ですから、他にも様々なホテルがあると思われます。

カナディアンロッキー山脈自然公園群の南半分。ホテルは赤枠の中心よりやや東。

■ベルモンド・サンクチュアリー・ロッジ

世界遺産「マチュ・ピチュ」遺跡の入口まで30秒という近距離に位置するため、通常は山のふもとの村からバスで遺跡まで行かなければなりませんが、いつでもアクセスできるのが最大の魅力。

客室のマウンテンビュールームからはワイナ・ピチュを眺めることができるそうです。メインダイニングにはアルパカ肉やピスコサワーなど本場ペルー料理を堪能!

引用元:https://www.belmond.com/hotels/south-america/peru/machu-picchu/belmond-sanctuary-lodge/

世界遺産「マチュ・ピチュ」の登録エリアは非常に広大で、決して遺跡のみではありません。下記世界遺産委員会HPの資料では赤枠が登録範囲になっており、マチュピチュの遺跡は左上の1と書かれた場所であり、このホテルも赤枠の範囲内に含まれます。

※世界遺産「マチュ・ピチュの歴史保護区」についてはコチラを参照ください。

■イオン・アドベンチャーホテル

アイスランドの世界遺産「シングヴェトリル国立公園」は、プレートの裂け目”ギャオ”を地表で見ることができる世界でも珍しい場所です。またノルウェーからの移住者によって世界最古の議会が開かれたとされる点も評価されました。

イオン・アドベンチャーホテルは月面のようなぼこぼこした地表の上にたち、壮大な景色を楽しむことができます。

そのデザイン性も特徴的で様々な雑誌に取り上げられているのを見ました。建築したのは2010年の噴火直後で厳しい時代。まだ当時はアイスランドにデザインホテルが浸透していなかったそうです。

アイスランドの建築家による環境に配慮したサステイナブル建築。もともとあった地熱発電所の社宅を改築したそうで、サウナや地熱の天然温泉もあります。リネンやタオルなど、そして食材もアイスランドオリジナルにこだわる点を本で読み、ますます行きたくなりました。

引用元:https://ioniceland.is/

さて世界遺産の範囲になっている国立公園から20km近く離れており、残念ながら世界遺産の保全範囲外となります。しかし、それにしても泊まってみたい!

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