うすくれないの夕暮れ時
高校生くらいの男子が自転車に乗り
曲がり角の所で
「バイバーイ!」
と片手を上げているのが見えた。
微笑みながら手を下ろし、
ゆっくりとペダルを漕いで通り過ぎて行った。
大人になりかけの少年の
バイバイにちょっとやられた。
私が
「バイバーイ!」
と最後に言ったのはいつだった?
失礼致します。
じゃ、また。
じゃあね。
は、使うけど、バイバーイと笑って
微笑みが長引く様な別れ方をしたのは
いつだった?
バイバーイ!
大きな声で、
大きく手を振って、
あぁ楽しかったと思いながら
また明日!
と、かつて言ったであろう私は
今いずこ…。
ひとりぼっちはつまらない…と気まぐれに思ふ。