プロレス時評

新日本プロレスとAEWの話題を中心にしたプロレスブログ

鈴木みのるとタイチが織りなす極上のサイコロジー

【G1CLIMAX30】鈴木みのるvsタイチが織りなす【極上のサイコロジー】

 

昨日9月23日の北海きたえーる大会初日、Aブロックの公式戦は開幕戦にも負けない素晴らしい試合のオンパレードでした。

特に、飯伏選手のカミゴエをジェイ選手がブレードランナーで切り替えしたその瞬間。

飯伏選手が真っ逆さまになり、まるで時が止まったかのような印象を受けました。

まさに「戦慄が走る」という言葉がぴったりですよね。

ジェイ・ホワイト恐るべしと再認識したファンも多いことでしょう。

ただ、昨日の素晴らしい試合の中で、やはり鈴木みのるvsタイチは見逃せない。

極私的な感想をいうと、ここ数年でも稀にみる名勝負だったと思います。

 

鈴木みのるとタイチ お互いの意地と強さがぶつかる最高のプロレス

サイコロジーとは

プロレスには様々な楽しみ方があり、それはファン個々人の自由です。

選手のルックスに側面をおいてもよし、パワーの側面に惹かれても良し、華麗な空中殺法やマイクアピールに惹かれてもよし…

僕はどちらかというと、心理戦が好きなプロレスファンなのかも知れません。

サイコロジー psychology

と書くとなんだか気取った印象を与えるかも知れませんが、そんなことは一切ありません。

プロレスにおけるサイコロジーとは「足を痛めている選手がいたらそこを攻撃する」とか「対立構造があれば鮮明にそれを表現する」とかそういった基本的なことです。

「正義と悪」であったり。

クリス・ジェリコ棚橋弘至戦の評価が高かったのも、そういったイロハが出来ていて、お客さんに伝わり易いからです。

外国からやってきた大物悪者レスラーと、新日本を守ってきたエースが戦う。

顔にペイントを施しいかにも悪そうな出で立ちのジェリコときらびやかな衣装でまさにヒーロー然とした棚橋。

初見のプロレスファンでもわかりやすいこの構図。

ジェリコ選手が棚橋選手を激賞した理由も、こういった構図が作りやすく、仕事がしやすかったに違いありません。

ただ、必ずしも正義と悪だけの心理戦が素晴らしいわけではない。

昨日の鈴木みのるvsタイチは、そんな試合の一つです。

「勝ちたい」という最強のモチベーション

【G1CLIMAX30】鈴木みのるvsタイチが織りなす【極上のサイコロジー】

 

ケイオス、ロスインゴ、鈴木軍、本体…

同門対決というものは、いつものと仲間としのぎを削るというシリアスな側面があって面白い。

負けたくないと思いながら、どこかお互いを認め合っている雰囲気。

なので、見ている方も心のどこかに「勝負」よりも「感動」を多く抱いてしまうこともあるのではないでしょうか?

今回の鈴木みのるvsタイチは、そういった感動の要素を「勝負論」が上回ったと思います。

椅子を使おうが何をしようが、「勝つための手段」でしかない。

「俺がお前よりも強い」という意地がぶつかり合う試合でした。

最後に立ってたのは俺だろ。それだけだ。強いから技が決まってるだけだ。それだけだ。なんもねえ。何度でも言うぞ。別に誰がボスだとか、そんなものねえんだよ。

新日本プロレス公式

タイチ選手の試合後のこの言葉にもあるように、あくまでも勝負にこだわり感傷的な要素を一切排除しています。

他ユニットと鈴木軍の違いがあるとするのならば、こういった部分なのかも知れません。※良い悪いではありませんよ?※

言葉少なに強さを争う、それがファンに伝わって一挙手一投足見逃せない試合になる。

本人たちは意図しているのかわかりませんが、ファンとの心理戦も制したのではないでしょうか。

Bブロック初日のメイン、棚橋内藤戦とは毛色の違う試合にありましたが、ファンを試合に引き込むという意味でこの二試合は「共通した何か」があると思います。

 

プロレスは長く見るほど面白い

プロレスの見方、楽しみ方は無限大です。

しかし、やはり長く見続けることによって生まれる面白さもあります。

今回僕が鈴木みのるvsタイチに受けた印象も、新日本プロレスを見続けてきたからこそだと思っています。

関取的言動をしながらも明らかに身体を絞っているように見えたタイチ選手。

今回の一戦で「鈴木越え」というのはまだ早いかも知れませんが、まさに心技体の揃ったレスラーになってきました。

G1のみならず、今後のリング上での動きにも注目ですね。

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