一筋の光、降り注ぐ光。

人生はなかなかに試練が多くて。7回転んでも8回起き上がるために、私に力をくれたモノたちを記録します。

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月とワインと神秘と科学―今宵、中秋の名月

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昔、ワイン教室に通っていた。動機は大したことではない。

 

ワインが好きでずっと飲んできたけれど、レストランでもワインショップでも、いつも選ぶときに迷ってしまう。勧められたものをただ漫然と飲んでるのも情けないので、自分で選べるよう少し勉強してみようと思ったからだった。

 

教室には、私のようにライトなワインファンも結構いたけれど、ソムリエやワインエキスパートを目指す、目が真剣!な人たちもいて、その温度差に、講師の先生はさぞやりにくかっただろうと思う。私や友人は、単純に楽しんでいたなあ。本当に面白い講座だった。

 

その先生が、自然派ワイン(ヴァン・ナチュール)が好きな方で、ヨーロッパでの自然派ワイン造りの歴史や手法の話になると、もう熱が入り過ぎて止まらない。だんだん難しい用語が増えてくる中、欠伸をかみ殺す受講生も増えてくる。「早く試飲会にしようよー」と小さく呻く声も。気持ち、わかる。笑

 

でも、その自然派ワイン造りでの「ビオディナミ」という農法のお話は、私の中で強く印象に残った。なんだかすごく興味をひかれ、「へええ!」と思ったのだ。

 

月の満ち欠けを見てブドウの畑に肥料を撒く日が決まる。その肥料とは、牛の角や糞、水晶の粉、たんぽぽやカモミールの花など、独自の調合をしたもの。牛の角ひとつとっても、ある調合では雌牛の角に牛糞を詰めて地中に半年間置いた後、雨水で希釈したものを使う、なんて聞いて、最初は笑ってしまった。まるで儀式みたい。

 

占星術まで取り入れていると聞き、オカルト的とまでは言わないけれど、古くからの呪術的な慣習、経験による先人の知恵、そんな解釈をしたくなる農法だと思った。しかし、それが科学的に理にかなってるということなのだ。

 

長い歴史を持つ飲み物だけに、さまざまな切り口からの学びがあり、奥が深いなあと、感心した。ロマンがある。ワインへの見方が変わった瞬間だった。それまでの私は、ワインが農作物だなんてことすら、考えたこともなかったのだから。

 

ビオディナミとは、1942年にルドルフ・シュタイナーという人智学者が行った講演で世に知られるところとなった言葉。土壌と植物、動物の相互作用、天体の動きにも着目した農法で、「全ての生命は、地球上で完結しているのではなく、地球を含む宇宙の営みからも影響を受け、調和しながら生きている」という思想に基づく。

 

月の満ち欠けが、生命力をも左右するらしい、とは思っていたが、土壌の微生物にまで活力を与えていたとは。その土地が持つ力に働きかけ、宇宙の動きも取り入れて、本来のエネルギーを最大限に引き出すよう環境を調えるというビオディナミ。なんとスケールが大きいことか。

 

そんなふうに宇宙の営みとも調和させて、大事に栽培されたブドウからつくられたワインなら、さぞや美味しく、みずみずしい生命力があるんだろうなあ。多分、月のパワーも秘めている・・・

 

講義の後は、先生のセレクトしたワインを飲み比べる「お楽しみ」があって、これだけを目当てに来る受講生もいたくらいだったが、ビオディナミのお話を聞いた後の試飲会は、私には格別だった。月を見上げながら、この素敵なワインをいただきたいと思ったものだ。

 


今宵は中秋の名月。満月となるのは10月2日の午前6時とのこと。夜に見上げるお月さまは真ん丸のちょっと手前、くらいかな。

 

中秋の名月が満月とは限らない、という話を、何度聞いても忘れてしまうので、ここで自分的におさらいしておく。

 


中秋の名月は、別名「十五夜」、つまり旧暦で8月15日の夜のこと。なので「中秋の名月」という日は、旧暦に基づいて決まってしまう。

一方、満月というのは「月が地球からみて太陽の反対側に来た瞬間」。満月となるのは、ある時刻であり、日付ではない。

旧暦の1ヶ月は、月の満ち欠けの周期であり、平均すると29.4日。しかし、暦は1日単位で数えるため、「.4日」ということはなく、旧暦の1ヶ月は29日か30日ということになる。新月から満月になるための時間は、29.4の半分で14.7日。

また、月の運動は一定ではない。月が地球のまわりを回る軌道は完全な円ではないからだ。満月が近づいたときに地球から遠くなっていると、月の運動は遅くなり、満月になるのに時間がかかってしまうし、逆に地球に近いところを月が回っていると、月の運動は速くなり、満月になるまでの時間が短くなる。

そのため、満月と暦の上での「中秋の名月」に1〜2日のずれが生じることがある。

✻こちらのサイトを参照させていただきました。↓

moonstation.jp

 


今夜はきっと、お月見をされる方が多いだろう。輝く名月を拝むのが、私も楽しみ。
どうか雲に邪魔されませんように。

 

すすきやお団子をお供えしたり・・・
月見の宴で俳句を詠んだり・・・

 

ゆったりと、風流に観月を楽しめる人ばかりではないけれど、世の中のどんな境遇の人にも、今夜、優しさや穏やかさが平等に届いたらいいな、と思う。コロナ禍で皆、大変な思いをしてきているのだから。

 

今日が中秋の名月だと知らなかった人も、ふと見上げた綺麗なお月さまに心が動き、ロマンを感じて癒されたり、小さなご褒美を宇宙からもらったような気持になってくれたら、素敵だなあ。

 

お高いワインとはすっかり縁遠くなった私だけど、プチプラの、でもそこそこ美味しいワイン(笑)を片手に、ベランダに出てみよう。早くお月さまに会いたいな。

 

神秘的な光を浴びたら、何か特別な魔法にかけられるかもしれない?
ちょっと期待もしたりして。私も「全ての生命」の端くれ、ぜひ宇宙の営みと調和したい!


本当の話。
しんどい世の中で日々いろいろあって。
祈りたいことはいろいろある。
いろいろあるけど・・・
まずは、今日を無事に生きていることへの感謝をしようかな。心を込めて。