腐れゲー道

プレーしたゲームの感想文を、ダラダラと粘着質に綴ります。

妖怪ウォッチ3 テンプラ

2020年08月23日 03時37分56秒 | ニンテンドー3DSゲーム感想文
【ハード】3DS
【メーカー】レベルファイブ
【発売日】2016年7月16日
【定価】5,280円(現物版)
【購入価格】980円(新品)
【プレー時間】58時間


妖怪ウォッチの名を知らぬ者は、今の日本にいないと断言する。……現在はオワコン扱いされてるし、それも仕方ないと思うが。とにかくアニメ版の放映をキッカケに大ヒットし、ゲームは当然としてその他グッズ展開も大成功し、巷にはジバニャンの姿が溢れた。どこへ行っても妖怪妖怪で、比類なきブームと言っていい現象だった。やがてレベルファイブらしくブームは萎んでいったが、輝かしい功績まで消えるわけではない。妖怪ウォッチは日本の娯楽史に残る偉大なコンテンツであり、凋落も含めていつまでも語り継いでいかねばならないと思う。……いや、まだ終わっちゃいないって。続編とかもやってるから。お前が一番オワコン扱いしてる失礼野郎じゃないか。ごめんなさい。はぁ。

そんな妖怪ウォッチを、俺は1,2とプレーした。ちなみにアニメ版もアマプビで少し観ている。まぁ「普通に面白い」だった。シャドウなんとか? 観なかったことリストへ。そんでゲーム版を2作遊んだ感想は、「面白い」である。馴染みやすい世界設定とフィールドに用意された膨大なコンテンツは、OWに近いゲーム性と言える。本編を軸にあちこちを歩き回り、多数のサブ要素を嗜んでいけば、アッという間に時間が過ぎる。目的地提示等は親切だが、戦闘バランスは甘くなく、軟弱ゲームという印象もない。実にしっかりした娯楽大作である。3DSゲーム全体で言っても相当にレベルが高いタイトルだと思う。……何を偉そうに、お前そんなに3DSのゲームを知ってんのか。ごめんそれを言われると困るが。でもよく出来てるよ実際。敢えて悪く言っても、最大公約数的な良質ゲームである。今の俺は堂々と妖怪ウォッチファンを名乗れる。面白いゲームを称えることに何の躊躇いがあろうか? 決して何かの勢いでブームになったわけではない。中身の伴った高品質OW風RPG、それが妖怪ウォッチなのである。

なのに……俺はこのシリーズをプレーしてから、どうにも不思議かつ不満でならんのだ。というのも、全然評判が聞こえてこないのよね。妖怪ウォッチは、言うまでもなく大作ゲームだ。発売されれば、飛び付く人が幾らでもいるはず。なのに、主にツイッタだが、全然やってる声を聞かない。まぁもちろん「俺の見る範囲で」と断りが付くが、それにしても異様なほどない。去年に「4」が出ても、その状況は全く変わらなかった。……要するに、妖怪ウォッチは未だ「ガキ向けゲー」と強く認識されているということだろう。ガキ向けゲーだからいい大人がやるもんじゃない。外聞が悪い。まぁ、分からんでもない話だ。……分からんでもない話が、しかし非常に気に食わない。ええからやれや妖怪ウォッチ! ここまで誰もやらんとか不自然やろ! 一方でポケモン剣盾はやかましいと思えるレベルであちこちにプレーヤーがいたことも、この怒りを助長させてくれた。つっても、あちらは20年以上の積み重ねがあり、最早ガキ向けでも何でもない。要するに妖怪ウォッチには歴史が足りないということか? ぐぬぬ、それを言われると反論できん。そうだよなぁ。少なくとも今現在の妖怪ウォッチを、普通は子供以外(子供に付き合ってのプレーは当然別)やらんよなぁ……。


が、俺は普通なんて捨てた(正確には諦めた)んで、妖怪ウォッチをやる。この状況に逆に意地を張る気になり、真打から1年後にプレーを開始した。俺としては相当早い。特別扱いだ。モノはもちろん「妖怪ウォッチ3」である。前2作が中古だったんで今回は新品をと思い、検索。……一番安かった「テンプラ」バージョンとなった。ごめんなさい。多分3本目のスキヤキが一番豪華なんだろうけど、どうせバージョン毎の良し悪しは全部にあるはずだから気にしない。ちなみに今回は新品購入ということで、同梱物という形でとうとう念願の妖怪メダル(トムニャン)を手に入れることが出来た。こ、これが妖怪メダル……こんなもんがあの大ブームを生んだのか……ごめん失礼……今は含まれてるデータがちょっと多いようだね、多分。少しだけゲームにも出番があり、嬉しかった。メダルを手にしたんだから、今度はおもちゃの妖怪ウォッチを買ってみるか!? ……うーん。それなぁ。それだけは、さすがにライン越えてると思うんよね。まぁ今はやめとき。色々ブッソーな時代だかんね……。

さて妖怪3。初代は文句なく良作だったが、続編の2は面白さは変わらないものの、中身の流用っぷりがかなり目に余るゲームだった。基本システム部分からグラフィック、音楽、舞台、妖怪、戦闘システム、キャラ……もちろん新規要素も多々あるが、俺は終始「これじゃ2と言うより1.5やん」と感じていた。面白いには面白いし、ならそれでオッケーじゃんてのは正論だが、「これでいいのか」という疑念は消えなかった。素材の流用はしても、いやするからこそ、細かい部分の改良はすべきだ。「プレー感覚が全く同じ」というのは、続編としては失格だと思う。……いや繰り返すけど、2は2で十分面白いから、否定する気はないのだが。どっちやねん。あーもう。とにかく、俺はこの妖怪3において、仮に悪い方向であろうと、変化を望んでいた。そんな大きく変えなくていいんだ。例えるならストZEROシリーズ各作品くらいの違いで。……分からん? あーもうこれだから最近のガキは。ブツブツ。

そして始めた妖怪3は、物の見事に「初代の拡大路線」な続編でした。操作感覚は相変わらずほぼコンパチで、俺が初代から批判していた「調査画面後を終了するのにBを押さねばならない」点も同じ。メニュー呼び出しや妖怪レンズでの調査もほんま同じ。……はぁ。ガッカリであった。今作は主人公が男女二人制となり、男(ケータ)編の舞台はアメリカとなった。世界設定という点では前2作から大きく大胆な変化が入っているので、ゲーム性にもそれを期待していた。製作期間も1→2の倍である2年間あった。「やれる」はずだったのだ。……けど、やれなかった。まぁそら、こんだけ良く出来たフォーマットだもんね。悪いわけではもちろんなく、3作目にしても面白いのも確か。ならこれでいいじゃない! と日野大先生が叫んだのかは定かではないが、何というか、ギラギラしたものがない。もう3作目だが、まだ3作目でもある。熱いクリエイツ魂はないのか。そらないわけじゃないだろうけど、もっと攻められなかったのか。ブームが下り坂に入った時期に登場した新作は、いつもの妖怪ウォッチでした。……オワっていく理由が分からんでもないなぁ、と。はぁ。

まぁそんだけいつも通りなんだから、馴染みやすさも抜群だ。すぐゲームに入っていけた。そして「変わらぬ面白さ」も据え置きだった……と言いたいとこだが、プレー感覚は変わらずとも、ゲーム展開には違和感があった。今作、所謂クエストが少ないのである。フィールドを走っているとあちこちから舞い込んでくる頼み事、あれが非常に少ないのだ。いや、あるにはある。けど、少なくとも序盤は非常に少ないと言っていいと思う。妖怪ウォッチはOWに近いゲーム性であり、膨大なクエストはそれを象る重要な要素だった。どこへ行ってもクエストだらけで「やることの洪水」に楽しく悩むことは、このシリーズの面白さの一部だったと断言する。……それが今作では薄い。マップを探しても全然見当たらない青い旗(クエストありの目印)に、妖怪ウォッチらしからぬスカスカさを感じてしまった。

まぁクエストの減少は、手抜きじゃなく狙ってやったことだと思う。特に序盤は本編に集中してほしいということなのだろう。更に言えば「フィールドを走り回ってもらいたい」ということも強く感じた。妖怪ウォッチのファストトラベルである「うんがい鏡」を自在に使えるのが中盤からになることからもそれが分かる。しばらくは本編シナリオを進め、かつ今作の世界を掴むべしというデザインなのだ。……うーん。実際、今作の世界は広かった。日本編は前2作のフィールドほぼ全部+アルファで、USA編はもちろん新規フィールドがたくさん。うんがい鏡無しで色んなとこに行く必要があり、移動がとにかく多かった。……で、その間、クエストがあまりない。だから、ボリュームが無いわけじゃない(寧ろ非常にある)のに、どこかスカスカ感が漂っている。加えて今作で非常に気になったのが、スタミナだ。妖怪ウォッチには移動にダッシュがあるが、無制限には使えず、スタミナが切れるとしばらくゼェゼェとフラフラ歩きになる。切れない限りは自然回復するので、ダッシュ→スタミナ切れ直前で歩く→回復したらまたダッシュ が今作の移動の基本だ。今作と言うか、前2作でも同様の、妖怪ウォッチの基本的な移動システムである。

……で、これが今作の広くなったフィールドと非常に相性が悪いと思った。移動がかったるい上に走るとすぐスタミナ切れ。前作まででもそうだったが、今作では殊の外イライラする。スタミナを一定時間無限にする便利なアイテムもあるのだが、それを使うにはいちいちメニューを開いて選択して……と手順が必要で、正直やっていられない。3作目なんだから、ショートカットでスタミナアイテムを使える仕様くらい入れろや日野ぉ!! と何度も叫びたくなった。広くなったフィールド、少ないクエスト、意図的に削られたファストトラベル、何も改良されてないスタミナシステム。なんだかしんどい。前2作と違って夢中で駆け回れず、それでいて変化に乏しいプレー感覚に気持ちが萎え、なかなかゲームに乗っていけなかったのだった。はぁ。


それでもやれることは徐々に増えていく。本編の物語も進んでいき、まぁハマってきた。……で、ここで次の不満が顔を出す。このゲーム、「何でもあり」すぎである。表現がおかしい? 要するに節操がないのだ。なんでもかんでもゲームに詰め込みすぎ。笑えない。と言っても、妖怪ウォッチは元々そういう作品ではあった。「人間界における様々な出来事は妖怪がちょっかいをかけているから」という世界設定を軸に、現代的なものから懐古ネタまで、貪欲に何でもごちゃ混ぜにする。そのためどうにもテキトー感が拭えないものの、そのカオス・出鱈目なところもまた妖怪ウォッチの魅力だった。……「まだラインを越えていなかった」時代の話である。何事もそうだがやり過ぎはよくない。特に「ふざけ」は度が過ぎると相手の怒りを買うものなのだから。

今作のケータ側の舞台はアメリカ。ここでまず「言語はどうするの?」と疑問に思うだろう。で、これは来て早々「ペラペライオン」という妖怪に取り憑かれることで喋れるようになり、解決する。……この時点でご都合すぎるだろと思わないでもないが、これくらいならまぁいい。従来の妖怪的出鱈目さに留まっている。じゃあ次に、アメリカの妖怪とは? 妖怪は言うまでもなく日本の存在だ。「アメリカにもいるんだよ」というならそれでもいいが、ならアメリカ妖怪をキッチリ描かねばならんだろう。どんな風にやってるんだろ? 日野さんのことだからきっと誰もが納得するメリケン妖怪を揃えているに違いない!!! ……で、裏切られる。出てくるのは「わかランナー」「あしたガール」「ほっとけーキ」等々、誰でも知ってる易い英語を使った駄洒落妖怪ばかり。「あしたガール」は言うまでもなく「明日がある」であり、日本語と絡めた駄洒落だ。要するに全然「アメリカ妖怪」ではないのである。……いやぁ……これ、どうよ? そら普通に考えたら、ガチのアメリカ妖怪(を多数)なんて作れるわけないよ。第一そんなの妖怪ウォッチファンのキッズ達にゃ分からんだろう。でもさー。こんなのおかしいやん。全然世界設定を練ってないやん。「これでいいんじゃね?wwwww」という非常に軽い、テキトーなノリを感じる。「何でもあり」な妖怪ウォッチの長所を悪用した手抜き。こんなレベルなら偉そうにアメリカを舞台になんてするなよ。子供騙し。白けちまった。

更に、物語を進めると、より酷い悪ふざけが待ち受けていた。今作にはキー人物(妖怪)として「スティーブ・ジョーズ(サメ妖怪)」なるキャラが登場する。そして彼がかつてCEOを務めていた会社は「ヨップル社」。現在のヨップル社長は「マーク・シャッチーバーグ(シャチ妖怪)」だ。……説明するまでもないが、スティーブ・ジョブズ、アップル社、FBのザッカーバーグの露骨なパロディである。いやー。どう思う? まぁこれらが一発ネタだったらまだ許せたんだよ。けど違う。物語は中盤からヨップル社を軸に展開し、サメとシャチも終始重要人物として描かれる。サメなんて寧ろ主役じゃねとまで思った。またヨップル社とサメは、何と妖怪ウォッチの生みの親! であり、今でも開発部署で最新型を作り、生産部署でガンガン作っているのだ。……いやちょっと待てよ、前作でケータの爺ちゃんが元祖ウォッチを作ったって言ってたやんけ。なんでアメリカ発になってんねん。どうやって日本に運んできてん。大量生産して、誰に売ってんねん。世界中の子供たちが妖怪ウォッチを持ってんるんか? 代金は? タダで? どうやって会社を維持してるの!? もう言葉もないよ。無茶苦茶、出鱈目、荒唐無稽。いい加減にしろと。

繰り返すが、この露骨なパロが単発ネタ、例えば一章だけとかならまだ分かる。でも違うのだ、妖怪ウォッチ3の、いや妖怪シリーズの根幹に絡んでいるのだ。なんたってウォッチの生みの親だからな。これを「相変わらずなんでもありだなwww」と笑えるなら、何の問題もない。でも俺には無理だった。アメリカを舞台にしたのにまともなアメリカ妖怪を作ろうともせず、アメリカ有名人の露骨なパロディには思い切り力を入れ、デカい妖怪会社がどう維持されてるのかどう儲けを出しているのか等の設定はまるで考えず……今までギリギリで節度を守っていた世界設定を笑いながらぶっ壊したようにしか思えなかった。明確に許容ラインを越えていた。……何なんだよこれは。前作までは、プレーヤーを男女から選べることから、本編ストーリーは薄めだった。今回はそれを止めたから、さぞ濃い内容になると思っていたのに……はぁ。他にもゾンビや宇宙人、ムー大陸までほんま何でもあり。面白ければ何でもあり!!!! いや違うだろ。少なくとも俺は違うと思うよ。俺はこんな妖怪ウォッチを見たくはなかったよ。……お前に向けて売ったつもりはない、って? それを言われるとぐうの音も出ませんが。あーあ……。

そんなわけで、中盤からはサブ要素が充実してゲームが面白くなってくるものの、逆に本編の暴走が酷すぎて、「ハマりつつも何だかなぁ」という状態だった。ゲームでは稀によくある話である。上に書いたが、ムー大陸ネタも登場する。何故かそこに多数の迷宮があり、ビリー隊長らとともに攻略することになる。ここでは「バスターズ」という独立したローグ系ゲームになり、なかなか面白かった。……けど「なんで迷宮に妖怪が巣食ってるの? 襲ってくるの?」といった疑問は湧くし、当然ながらそれに答えはない。「面白けりゃいいじゃんwww」という開発者のウェーイボイスが響くだけだった。他にもガキだけでイカダ急流すべりとかロデオとか、一応現実を舞台にしてるのに、ほんま何でもあり。そして、そういった面白要素は全てプレーヤーのためだけに用意されていて、モブどもは寄ってこない。なんて現実感のない世界なんだろう。それともアメリカってのはこんなに自分に都合よく作られている国なんだろうか。ああ俺もアメリカに生まれたかったよ。暴徒になって店襲ってもお咎めなしなんやもんなぁ。……ごめんなさい何でもないです。ゲームと現実は違う。現実はゲームより出鱈目なんだよ……。

戦闘。全体的にやることはあまり変わってないが、戦闘システムは結構手を加えられていて、好印象だった。妖怪6体でパーティを組み、うち3体をレギュラー、3体を控えとするのは同じ。だが戦闘フィールドを9コマに分け、その「位置取り」により様々な効果が出るようになった。前方に位置すれば打撃の威力が上がり、後方だと妖術の威力が上がるとか。また攻撃に範囲の要素があり、必殺技は敵味方共に発動前に攻撃範囲が示されるので、当たらないコマに移動すればノーダメージで済ませられる。必殺技発動までは結構時間があるので、十分避けられる仕様だ。派手な技をノーダメで凌ぐのはなかなか気持ちよかった。俺は前作までの円形切り替えシステムがあまり好きじゃなかったので、今作の変化は全面肯定する。めっちゃ面白くなったわけでもないが、戦略性が上がり、最後まで割と飽きずに遊べたからな。妖怪の自動行動や呪いをミニゲームで解除するところは前作までと同じ。相変わらずケータらは設定的に見てるだけ(指示出しはしてるんだろうけど)で、お前らほんまに友達の契りを結んだのかと疑いたくなるが、人間と妖怪では感覚が違うのだろう。仲良くやっているようだけど、通じてるかは不明。俺だけが分かってないのかもしれんけどね。

連れて歩ける妖怪は6体だけで、後はお留守番。前2作のままである。そして留守番妖怪に一切経験値が入らないのもそのまま。……この仕様のため、今作は「色んな妖怪を使ってみる」気が全く起こらない。前2作でもそうだったが、今作でも序盤に仲間になったジバニャンやメラメライオンが最後までレギュラーだった。だって、入れ替えたくなる強いやつなんておらんもん。いたとしても、その強さを発揮できるまで育てにゃならん。そもそも必ず仲間になるジバニャンやUSAピョンがかなり強めに調整されてるから、その意味でも変える必要性が薄い。また、入れ替えをポンポンやれるならともかく、拠点でないと不可能という不親切さも相変わらず。入れ替えのインターフェースが悪いのも相変わらず。どの妖怪もレベル99まで成長し、どうしようもなくダメな奴がいないから、「このパーティじゃ駄目だ」という事態にもなかなかならない。「続編ではもっと多彩な妖怪を使いたくなる仕様にしてほしい」と願っていたが、一切合切ガン無視されたのであった。……「どうしてここをケチるのか?」、俺には分からん。色んな妖怪を使えた方が楽しいし、作った側もそっちの方が嬉しかろう。せっかくのコンテンツを自ら殺してるとしか思えん。うーん。

このシリーズで非常に気になる「友達」の概念は、今作でも何も変わってなかった。相変わらず戦闘で殴り倒せば尊敬され、メダルを貰って友達になる。後は自由に呼び出せる便利ポケモン友情。冷静に考えればガキの教育上よろしくないのではとさえ思うが、これが妖怪ウォッチだ。ゲームとして、RPGとして成り立たせる以上、この作りにするしかない。あらゆる妖怪が異様に好戦的なのも仕方ない。イベントでどれだけ仲良くしてるように見えても、メダルを貰わない限り「友達じゃない」のも仕方ない。あれは上辺だけの付き合いなんだよ。……難しいのは分かるが、3作目でもな~~~~んも考えてないのは、さすがにガッカリやね。売れてるから手を加える必要なんてない、と? 作品への愛はないのか? そんなだからレベルファイブのシリーズはいつも人気が急速に……いえ。はぁ。ちなみに妖怪発見のプロセスは、相変わらず虫のように逃げ隠れする妖怪をウォッチのレンズで捉えることになるんだが、今回は謎にレンズから出るビームを妖怪に当てるミニシューティングになっている。逃げる妖怪をカーソルで追ってビームを当て続け、ゲージがいっぱいになれば戦闘開始。……いや、なんでそんな妖怪を虐めるんよ。こんなことしたら、そら怒って襲いかかってくるわ。まさか妖怪が例外なく襲ってくることの理由付けか!? だとしたら見事だわ。さすがです日野さん。……このゲームの世界設定理屈を考えるとどんどん気分が萎えてくる。無駄だから止めた方がええんか。はぁ


キャラクター。物語の行き過ぎた何でもあり精神には非常に不満があるが、キャラはどうか。今作にて主人公の選択制がなくなり、ケータとイナホ(名前は変更可能)のダブル主人公となった。ケータは相変わらずウィスパーとジバニャンがレギュラーとして共に行動し、イナホには「USAピョン」というウサギ妖怪がパートナーとして登場する。……USAピョン、言うまでもないがアメリカ妖怪だ。事情があって日本を訪れるが、日本語に堪能な理由は不明。ペラペライオン要らんやん。尚、後にイナホもアメリカに行くが、無論言葉に困ることはない。ペラペライオンの設定、要らんやん。日野神の都合で事実がいかようにも変わる世界、それが妖怪ウォッチワールド。はぁ。んでキャラだが、期待してた「濃さ」はなく、悪くはないがもう一つだった。ケータは少年らしい成長が描かれればと思っていたが、特になし。まぁ自分で汗かく話じゃないしね。アメリカでも学校は登場するものの、友人との絡みが非常に少なかったのは残念。舞台もキャラも用意はされてたから、色々削られたんじゃないかと思う。一方で「マック」という少年が親友ポジションに入り、物語にも大きく絡んでくる。今作はケータイナホそしてマックの物語(実際はサメ会社の話)という感じだった。……けど俺、このマックが最後まで好きになれんかったんよね。そもそもコイツ、妖怪ウォッチを持ってるわけでもなく、故に冒険で役に立つことはない。何もしてないのにケータらに便乗してきてるのが気に食わんし、それをケータが何とも思ってないのも嫌だった。あと、お前の屋敷はなんで妖怪に占領されてんだよ! 大きいとは言え民家なのに孤島みたいな場所にあるし、もう突っ込むのも疲れる出鱈目っぷりである。マックより日本のジャイアンとスネ夫(違う)がいいよ。日本に帰りたかった。

そしてもう一人の主人公・イナホは……ケータと同年齢(11歳くらい?)ながら、「全方位オタク」を自称する、かなり濃い少女だった。特に「セラピアーズ」というプリキュア系(多分)アニメを好み、そのフィギュアに目を輝かせる。見た目はメガネをかけた普通の少女だが、言動は確かにオタっぽい。……アニメ好きくらいならともかく、小学生で「オタク」にはなれんと思うんだがなぁ。何よりも金が無いし。そんな俺の疑問はどこ吹く風で、イナホはオタライフに妖怪要素を交えて実に楽しそうにシナリオを消化する。友人も普通に多く、パン人と一緒に映画を観に行くイベントもあった。寧ろ充である。オタならもっとドロドロネチャネチャしろや!!! という俺の叫びは誰にも届かない。ただこのキャラ、「これでガキ(客層)の人気を得られるのか?」という疑念は尽きない。オタ気質に共感を得られるのは、せめて中学からじゃなかろうか。行動は気持ち悪くないが、言動は「キター!」「にょほほほほ」等、それなりにアレっぽく、俺でさえは少々引いたとこもあった。わざわざ日本&女子サイドを引き継ぐ新キャラとしては、良く言えば攻めてる、悪く言えば奇をてらい過ぎと思った。素直にフミちゃんにしていれば……うーん。また、シナリオが一本化してからはメインは完全にケータとなり、イナホは協力者扱い。途中まではダブル主人公だったのに、いいとは思えない纏め方だった。イナホがケータやマックに敬語で話すのもな。オタ臭いとも言えるが、線を引いてるように見えた。まぁイナホ自身は終始楽しそうに動いてたからいいのかな。状況を一番堪能したのは彼女だったと思う。

サブキャラとして目立ってたのは、アメリカのエージェント「マルダー」と「カクリー」だ。分かる人はすぐ分かるが、風間杜夫と戸田恵子のパロディである。それぞれ丸と四角い顔をしていて、「Y(妖怪)-ファイル」の謎を追っている。まぁこれもやり過ぎ何でもありの一部だが、俺自身あの番組は好きだったので、正直面白かった。負けた。結局、グダグダ言いつつ受け入れられるものなら受け入れられるんだよな。勝手な話だ。でも彼らはケータらと同じ謎を追っていたが、妖怪が見えているわけではなく、終始何も分かっていなかった模様。ケータらと協力してラスボスを追い詰めるような展開を望みたかったが、そういう大人のポジションはサメとシャチに取られてた。切ない話である。ちなみにシナリオの核は「謎のUFO」なのだが、なんかもう色々といい加減でテキトーで、真面目に考える気にならんかった。ラスボスもテキトーで、パロで、倒しても燃えなかった。「面白ければなんでもいい」という精神、基本的には肯定する。「面白ければ」、な。実際今作は面白く作られているのだが、ラインオーバーによるシラケは、それを台無しにする。やはり「何でもあり」はよくない。節度、緻密さ、丁寧さは必要だ。きっと何処かにある、もう一つの世界を作っているのなら。

クエストの少なさによるスカスカ感は序盤だけで、徐々にやることが充実し、それどころか洪水化する。その辺はしっかり妖怪ウォッチでよかった。特にエグいのが、他ならぬ妖怪だ。前作までの妖怪ほぼ全部+今作の妖怪。もう数が多い。多すぎる。それでいて収集は運頼りの殴り覚醒であり、その確率も(前作までと同様)高いとは言い難い。覚醒確率を上げる方法は前作より増えていたが、それを使う条件が厳しく、「なかなか妖怪が仲間にならない」感覚は変わってなかった。数は増えまくったのに収集の大変さは据え置き。正直、これでは「集めてやろう!」という意欲が削がれるよ。それ以外でも、さっきも仲間妖怪入れ替えで書いたが、どうも妖怪ウォッチは「ケチ」なところがある。妖怪ガチャ(希少アイテムコインを使ってガチャを回す)は一日にやれる回数が決まっていたり、仲間にできる特別な妖怪との戦闘は一日に1回だったり。ミニゲームの妖怪バスターズも、ゲーム性は面白いのだが、所持出来るアイテム数が非常に少なく、探索中に何度もアイテムを捨てたり無理矢理使用したりを強いられる。こんだけ世界が広く、要素も膨大にあるんだから、もっと「欲」を解放して駆け回りたかったと思う。やることてんこ盛りなのに、窮屈さを感じて仕方なかった。今作の規模感では正しい在り方とは思えない。結局「やれるとこまではやってやるぜ!」と燃えていたものの、クリア後に各種埋め要素をやっていこうとするといちいち窮屈さを感じてしまい、気分が萎えてプレーを終えてしまった。バランス次第じゃプレー時間は2倍になっただろうに。残念である。今更「合わない」であるわけはないんだがな。ちなみに今回はクリア後ダンジョンもショボめで、そこも残念だった。まぁ表のEDがちゃんとEDなのは正しい姿だと思うが。

グラフィックは、初代の時点で完成されていたから、ある意味進歩なし。もちろん相変わらず高品質だとも言える。日本のフィールドは流用が多いが、イナホに合わせて秋葉原(のパロ)があるのはよかった。そこでメイド服着たりアイドルになったりといったお遊びもある。ちゃんと女児ユーザーのことも考えている。多分。この世界のアイドル「ニャーKB」は例によって超露骨なパロで、今回はそれっぽい歌まで用意されてるから、面白く思いつつも引き要素でもあった。アメリカフィールドは全体的に都会がなく、郊外ばかりだった。その雰囲気は出ていたと思う。つっても俺は実際のアメリカなど知らんが。だから「それっぽかった」としか言えん。それでいいんだろう。ただ自由の女神といった誰でも分かるネタがなかった(ラシュモア山パロはある)から、その分アメリカ度が薄かった。まぁ都会を舞台にするのは大変だろうからね……。キャラ絵も綺麗に描かれていて不満はない。膨大な数の妖怪は全て戦闘参加させられるから、当然そのための絵や必殺技が用意されている。流用が多いとはいえ、相当な労力だっただろう。お疲れ様である。……俺はその9割を見てないんだから、何とも勿体ない。友だちになれなかったからね。

音楽は、まずOP曲(テンプラ専用)「独立宣言」がよかった。ゲラゲラポーのチームが歌う、出鱈目な歌詞の歌だが、ノリが良くて気に入ってしまった。背景に流れるアニメーションも良好で、テンションを上げるOPに相応しい出来であった。何から独立すんねんって話だけどね。あとは、初代から大好きな中ボス戦曲「VSつよい妖怪」が今作でも最高だった。この曲だけは「流用してくれてありがとー!」である。サウンドテストでループしてずっと聴けるね。実はこの曲聴きたさにサントラを手に入れたのだが、収録が1ループでガッカリ。それじゃダメだよ日野さん。こりゃゲームからパソに取り込むっきゃないかな。音声は、いつもの一言ボイス制。俺はこれあんま好きじゃないんだが、フルボイスにするわけにもいかんし、仕方なかろう。イナホの一言ボイスが全体的に正直耳障りだったのが残念。ケータチームの声はもうすっかり馴染んだなぁ。……そういや、前作じゃケータとウィスパーの掛け合いが非常に面白かったけど、今作は別に笑えんかったな。何でもあり暴走からくる「白け」は、それだけ深刻だったということだろうか……。


ふぅ。クリア後のプレーを伸ばせなかったのは計算外だが、それでもそこらのゲームの1.5倍くらいは遊べたであろう。ヨシである。……まぁ、返す返すも、もう少し丁寧に世界を作ってほしかったと思うけどね。もっと好きになりたかったなぁ、妖怪ワールド。……で! だ。実は続編である「4++」も、PS4版を既に所持しているのだ。新品3000円台になってるのを見て早めに確保しておいたのさ。もちろんやる気満々である。4は4つの世界、4人の主人公を操るゲームであるらしい。アニメのシャドウサイドであったケータの未来世界も絡むとか。……うーん、攻めた内容やのう。多分ヨップル社とかの設定は消えて無くなってるんだろうな。はぁ。まぁちょっと不安もあるが、大きく変化してるのは間違いあるまい。ハードも変わり、グラフィックは当然大幅パワーアップ、戦闘でも今度こそケータも戦うようになるという。うむ、期待できそうな内容だ。プレーするぜ。……そのうちに。あと、現在レベルファイブのDL版ゲームが大セール中で、特に3DSタイトル全部500円という破格値になっている。今作のスキヤキバージョンやバスターズ専用版なんかは確保しておこうかな、と今悩み中。ともあれ、俺と妖怪ウォッチの縁はまだまだ続く。「ガキ向けゲーをわざわざプレーして文句垂れまくるとか恥を知れ」と? 違うな。ガキ向けとかじゃなく、真摯に一本のゲームとして触れているからこそ、いつも通り色々言ってんだよ。そういうことにしておいてくれや。好きなんだからよ。俺は妖怪ウォッチのファンなんだ。これからも、な。比類なき子供に大人気なホットコンテンツ・妖怪ウォッチ好きを恥ずかしげもなく宣言して終わり。やるべきゲームはまだまだある。俺と妖怪ウォッチの縁はこれからだ!!

……妖怪ウォッチシリーズの展開は、かんなり怪しくなってるけどね。なんだよ妖怪学園て。基本無料? わっけわかんね。子供向けはいいけどそういうのはちょっと。あーあ。変化はすれど俺の望むものではなく、よく分からないものに。いつも俺を苦しめる妖怪ゲンジツの仕業であった。はぁ。






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