まるでファンタジーの世界!迫力の石垣が凄すぎる『苗木城跡』(中津川市)

岐阜県

「苗木城」と聞いても「遠山氏の居城」と聞いてもピンとこない、歴史には全くといっていいほど名前が出てこない城郭。マイナーなお城かと思いきや、近年では天空の山城として人気を集めています。頂上まで登ると、そこには絶景のパノラマが広がります。

2020/11/19(木)

迫りくる巨岩

第一駐車場に車を停めて城跡へ進んでいくと、まずは足軽長屋跡があります。特に遺構などは残っていませんが、ここは展望台として眺望抜群。苗木城跡の全貌を遠目に見渡すことができるため、撮影スポットとしても人気です。

進んでいくと、どんどん城跡が大きくなっていきます。11月は真っ赤に染まった紅葉とのコラボレーションが素敵です。

お城の麓の大門跡までやってきました。自然石と石垣が積み重なる塊は、まるで巨大な一枚岩のような迫力。さぁ、天守台まで登っていきましょう!

天守台への道のり

天守台まで続く上り坂は、舗装されてスロープになっているため歩きやすいルート。途中の眺望も素晴らしく、まるで天空に向かっていくような感覚で登っていくことができます。

そびえる石垣。もともとこの地にあった巨岩を活かして上手く組み合わされています。石垣の組み方も全部で6パターンが確認されているため、あちこち見比べてみると発見がありそう。

麓から登ること約10分で天守閣跡まで到着しました。

絶景の天守跡

さて、ついに最上部の天守閣跡までやってきました!岩の上に柱を建てた「懸造り」タイプの展望台が設置されています。

不安定なように見えてしっかりと組みあがっているこの柱は、かつて城郭が建っていた柱の穴を利用しています。かつての天守閣もこのような形で岩の上にせり出すように造られていたと考えられます。

登ってみると、広がるパノラマが気持ち良い!高くそびえる恵那山や静かに流れる木曽川、遠くには焼山も見えます。てっぺんに立って実感しますが、天然の要害に囲まれたこのお城を攻めるのはかなり大変だったのではないでしょうか。

この苗木城は「日本の城 ベストランキング 2020 (晋遊舎ムック)」という書籍内に掲載されている「絶景!山城ベスト10」にてランキング1位に輝きました。下から見上げても上に立っても素晴らしい景色の城跡、人気があるのも納得です。

城跡に残る歴史

きれいに並んでいる石は、柱を建てていた礎石。かつてそこに建築があったことを意味しています。ここには武器蔵・具足蔵があったそうです。

巨大な岩は馬洗岩。かつて苗木城が敵に攻められ水を絶たれた際に、この岩の上に馬を乗せて米で洗うことで「水が豊富である」と思い込ませたエピソードが由来となっています。

こちらは千石井戸(せんごくいど)。どんな日も水が枯れることなく、千人の生活を支えるだけの水が湧いていたためこのような名前が付けられています。・・・馬を洗う水はなかったのでしょうかね。

苗木城跡のすぐ隣には、苗木城最大の櫓・大矢倉跡があります。コンパクトですが、きれいに切りそろえられた石垣が魅力的な城郭跡。北側の防御であり、倉庫としても機能していました。

 

苗木遠山資料館

苗木城跡の麓には、資料館が建っています。苗木城の歴史および江戸時代の苗木藩に関する展示パネルや、武具や火縄銃などの貴重な歴史資料が集まっており、城跡見学の前に立ち寄ると、想像力が膨らみます。

開館時間:9:30〜17:00
休館日:月曜
料金:330円

注目は苗木城の復元模型。岩の上に石垣で平らな部分を作り、そこに建物が乗せられています。無数の柱で岩の上にバランスよく立つ「懸造り」建造物を見ていると、不安とわくわくが入り混じります。

(写真撮影禁止ですが、こちらの復元模型に限り撮影可能でした)

苗木城は漆喰が塗られておらず赤土の壁がむき出しだったため、赤壁城とも呼ばれていました。龍が夜のうちに漆喰をはがしてしまうという伝説や、漆喰を買うお金が無かったという話も伝わっています。

第一駐車場は要注意

苗木城跡の駐車場は複数あるため、事前に地図で確認しておくのがおすすめ。一番近いのは苗木城跡第一駐車場。ここから城跡の入り口大門跡までは徒歩3分ほど、天守跡まで登っても15分程度ととっても便利です。

ただし、ここへ行くためにはすれ違いも困難なほど細く、そしてなかなか傾斜がきつめな道路を登っていく必要があります。舗装こそされていますが、途中なぜか石畳ゾーンがあったりとちょっぴりハード。

また、スペースも20台程しか駐車ありません。今回は平日の15:00頃でしたが、ほぼ満車でした。もし空いていない場合は、空くまで待つか麓の資料館前の駐車場に停める形になります。

土日祝など混雑時は「細い上り坂ですれ違いを気にしながら空車待ち」なんてことになるかも。最初から資料館に停めてしまった方が良いかもしれません。

コメント

タイトルとURLをコピーしました