50代元アニメーターのアニメレビュー

「planetarian 〜星の人〜(2016)」



(ネタバレ含む)


2004年に発売されたゲームが元ネタ。
それが2016年にアニメ化。WEB配信アニメ「planetarian 〜ちいさなほしのゆめ〜」全5話として配信。
これは同時に作られた劇場版アニメの方。

アニメ版の映像を使いつつ、その後日譚が展開している。

ゲームもアニメも知らずに観たが、この劇場版だけで物語はしっかり起承転結が描かれている。

キャラクターデザインは好みにもよるが、作画も美術も脚本も、とりたてて良い所はない。
ただ、観終わったら久しぶりにプラネタリウムが見たくなった。

このアニメで泣ける自分に驚いた。


ストーリー
世界規模な戦争によって荒廃した未来。
大気は直接呼吸できないほどに汚染され、雪がふりしきり空も見えない世界で、人類は地下に暮らし、しだいにその数も減っていった。
そんなおり、教会の地下シェルターに作られた集落に、一人の行き倒れの老人が運び込まれる。
彼は村々を渡り歩き、人々に忘れられた星空を見せる「星の人」であった。

彼がなぜ「星の人」になったのか。

それは一体のロボットとの出会いから始まる。
戦争によって人々が消えた街。
彼は逃げる最中に大きなドームのある建物に入り込む。
そこはデパートの屋上に備え付けられたプラネタリウムで、少女の姿をしたロボットが、誰もいない館内でずっと上映の案内をしながら人間たちを待ち続けていた。

29年と81日ぶりの来館者に、はりきって案内を始める少女。
メンテナンスも受けられず、磨耗した部品と非常電源のわずかな電力で動く彼女は、「お客様」である彼に通常通り、プラネタリウム上映の解説を始めるのだった・・・

「わたしたちロボットは、人間の皆様の幸せのためにありますから」

ツッコミどころはたくさんある。
外で呼吸するマスクが「ナウシカ」みたいとか。
何でプラネタリウムでのんびりしているんだ? とか。
投擲弾みたいな弾がなんで動いている対象に当たるんだ? とか。
「星の人」が持ち運んでいる投影機はどんな仕組みなの? とか。

4年前のアニメにしても絵柄が古臭い。

しかしまぁ、それはそれで「ギャップ萌え」だと思えばいい。
つまらなく思えてしまいそうなシーンの積み重ねの中で描かれるプラネタリウムのシーン。

少女の想いが投影される星空。

響く少女の声。

スタッフのこの作品に対するいきごみは伝わってくる。
正直「あれ、これどこかの宗教団体のPRアニメなのかな?」と思うほど技術より”想い”が先行しているアニメだ。



自分もプラネタリウムは好きだ。

星空の見えない世界で星を見せるためのプラネタリウム
それを人間ではなくロボットが守り続けている。

この作品の最大の魅力はここだろう。

プラネタリウム好きの人にはオススメだ。



監督 津田尚克  原作 Key  脚本 ヤスカワショウゴ、津田尚克
制作 David Production



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