レンブラントの変態漫遊記

レンブラントの変態漫遊記

プロレスが大好きな変態の日記です

journey〜2020.11.3「竹下幸之介vs秋山準」を見て、私が感じた事〜

2020.11.3に大田区総合体育館で行われた、DDTプロレスリングのビッグマッチ。

このセミファイナルにおいて、「竹下幸之介vs秋山準スペシャシングルマッチが実現しました。
 
今年6月に、全日本プロレスからDDTにレンタル移籍という形で入団した秋山
秋山の移籍から程なく、竹下擁するユニット『ALL OUT』の面々と対戦する機会が増え、同時期に秋山を中心としたユニット『準烈』も発足。
 
4ヶ月以上にわたる両ユニットの抗争は、ユニットの頭領である、竹下と秋山の一騎打ちに発展。
今回のシングル実現と相成ったのでした。
 
ただ、試合の方は、見ていて色々と考えさせられたり、竹下にとって重い現実を突きつけられるような内容になった気がします…。
 
現地行ってない民ですが、UNIVERSEで見たこの試合について、色々と語りたいものがあったので、書きます。
 
まとまりつかないですが…。
 

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どいつもこいつも青春のjourney
掴んだつもりのふわふわのglory
賢くなるなよ
間違いのない答えはない

調子に乗るなよ青春のjourney
錆びた鎖でがんじがらめ
誰かのせいだと泣く奴に明日はない

勝手にやめるな青春のjourney
死ぬまでヤングでいようぜbrother
お前の残した足跡が答えになる

間違いだらけのお前のまま
答えになれ
 
赤い公園 - 『journey』

 

 
 
 

・試合雑感~秋山に挫折と現実を突き付けられた一戦~

序盤は、竹下が秋山に対して試合を優位に進めていた印象でした。
 
印象的だったのは、ヘビー級の秋山相手に、ワンハンドバックブリーカーを決めた場面。
こういう力技を決め切る所は、竹下にしか出来ない攻めだったと思います。
 
その後、秋山を連れてリング外に出た竹下は、リング下に敷かれたマットを剥がすなど、更なる腰攻めを試みるも、エプロンでの断崖式を狙ったタイミングで、秋山が反撃のエプロンDDT!!
 
ここで秋山に流れを明け渡してしまうと、以降は秋山の独壇場。
竹下に対し、脚を中心とした非情なる攻撃を加え、みるみるうちに形勢が逆転していきます…。
 
中盤以降、リングに戻ってきた竹下は反撃を試みるものの、痛めつけられた脚のダメージもあってか、反撃は点止まりに…。
一方の秋山は、竹下への脚攻めを継続しつつも、一切の主導権を渡さんとばかりに、厳しい攻めを連発!
要所要所で、秋山が竹下の反撃の芽を摘んでいる印象を受けました。
 
最後まで竹下が主導権を握れないまま、試合はリストクラッチエクスプロイダーフロントネックロックで秋山がギブアップ勝利!
 
決着直後、実況の村田晴郎アナウンサーが「あなたに負けましたという、竹下の意思表示です!」と叫んだのが印象的でした…。
 
戦前、経験、修羅場が必要じゃないですか。何でもそつなく出来る選手って、お客さんは応援しづらい。応援しなくても出来ちゃうから。」と鋭い指摘を残していた秋山。
 
 
その言葉通り、秋山が竹下に修羅場を叩きこむような内容になりました…。
秋山強い!
 

 

一方、「メジャーvsインディー」、「プロレス界のバランスが大きく動く」と豪語していた竹下にとっては、結果・内容共に、これ以上ない屈辱を味わう格好に…。
 
 
試合中は散々竹下の脚を攻めながら、最後は秋山自らフォールを解いてフロントネックロックという勝ち方なんか、その最たるシーンだったかと。
 
バックステージコメントでは、敗れた竹下がこのようなコメントを残しました。
 
…………僕がやってきたこと、信じて歩いてきた道っていうのは、正解じゃなかったのかもしれません。間違っていたなんて、そんなこと思いたくないですけど……やってきたこと……間違っていたのかなって思いました。以上です。

 


 

 

・挫折の少なさではなく、問題は「○○○○」の多さ

秋山は今回の試合後、Twitterで以下のツイートを残しています。
 

 

 
「答えが出た時は俺に勝つ時だよ。」
 
まあ、でも、私自身この一言を聞いていて感じたのは、秋山が言うような、リベンジしてアンサーが出る問題なのかなあ、と…。
 
私は、言われる程「竹下は挫折を経験していない」訳でもないと思っています。
 
KO-D無差別級王座初戴冠を果たした2016年以降に限っても、同年夏の両国で石川修司に敗れたり、2018年秋の両国でCIMAに敗れたり、ベテランに潰される「挫折」は過去にも経験済。
 
直近ですと、2019年秋の両国メインでHARASHIMAに敗れた瞬間、多幸感に包まれた会場の雰囲気なんかは、それこそ竹下にとって「挫折」以外の何物でも無かった訳で。
 
 

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今年に入ってからは、新設された「ユニバーサル王座」の初代王者決定戦(2月)、田中将斗の元に流出していた「KO-D無差別級王座」への挑戦(3月)はあったものの、立て続けに敗戦。
そして、今回の秋山戦…。
 
回数の多寡はあるのかも知れませんが、少なくとも、竹下のキャリアの中で「挫折」と言えるようなポイントは、振り返るとそれなりにある。
 
でも、私はそこで、ふと思ったんです…。
 
結局のところ、竹下は「挫折経験が少ない・足りない」のではなく「挫折を経験しても、それを周囲から挫折として見られていない・捉えられていない」事に問題があるのではないか、と。
 
そして、これは、彼のインタビューやマイク等で端々から滲み出るナチュラルな「俺凄い」アピールや、ともすれば過大にも取れてしまう自己評価の数々に代表される、自画自賛」の多さに起因してくるのではないか、とも。
 

 

今回の秋山戦に向けたインタビューなんかもそう。
 

最初は、秋山さんからプロレスを学びたいという気持ちでした。たとえばDDTの全選手が秋山さんと1回ずつ試合したとして、僕は他の選手が感じられないものを感じる自信がある。感じて、それをかみ砕いて、自分のものにすることができると。

 

 

――因縁こそありませんが、これほどドラマティックなカードもなかなかないのではと思います。

「そうですね。ホントにこれはボクの勝手な見方ですけど、ボクと秋山さんは非常に似ていると思うんですね。プロレスの考え方もそうなんですけども、もっと似てる部分が境遇なんですね。秋山さんは(ジャイアント)馬場さんからアマレスで直々にスカウトされてエリートとしてプロレス界に入ってきて後楽園で小橋(建太)さん相手に破格のデビュー戦をした。(中略)

ボクもそうで、プロレスが好きでプロレスラーになりたかっただけなのに、高校生でデビューすることになって、エル・ジェネリコを相手に日本武道館デビュー。そして最年少でベルトを取った。ボクは強くなりたくてやってて、やった結果そうなったことでエリートと言われる。

(中略)

そういう部分で秋山さんの歴史を追っていると、自分に似ているなと感じますね。エリートvsエリート。そのなかでのメジャー出身のエリートとインディー出身のエリートという意味では、本当の意味でのメジャーvsインディーなんじゃないかなと思いますね

 
前述したように、竹下のキャリアの中で、石川修司やCIMAらに敗れたという「挫折」は確かに存在しました。
 
ただ、その後、竹下がリベンジを果たした過去の流れを見ていても、周囲から見た時に、「竹下の何が変わったのか・答えが出たのか」と問うてしまうと、個人的には疑問符の一つや二つも付けたくなる訳でして…。
 

 

 
過去に、CIMAや潮崎に勝った時なんかにこんなレスラーいないでしょ!」なんて発言もありましたけど、折角の挫折ポイントも、そういう振る舞いによって、周囲からは"挫折経験が少なく見えてしまう"気がするのです。
「ああ、この人、挫折した事ないんだな」みたいな。
 
 
前述したような挫折経験も、"タメ"になっていない。
秋山もインタビューで"タメ"に言及していましたが、全日からDDTに来たばかりの立場とはいえ、秋山から「まだまだタメが必要」と思われている所がその証左かと。
 
 
私自身、過去にそのサイクルを何度となくなぞってきた竹下を見ているだけに、今回秋山に勝っても負けても、「結局そこに帰結するんでしょ…?」という諦観が、戦前から捨てきれなかった部分は、正直ありました。
 
 
別に、竹下に「いい子になれ」という話ではないです。
 
「俺凄い」アピールも、キャラを確立する所まで突き抜けたならば、華や毒のような強烈な個性にもなるでしょうから。
実際、前述した2019年秋の両国において、HARASHIMAのセコンドについていた『ディザスターBOX』の面々に喧嘩を売って、両国中から大ブーイングを起こしてみせた時なんかは、そうした現状から抜け出す一つの契機になると信じていたのですが…。
 

 

 

 

 
シングル王座を獲った2016年頃は、団体内で竹下と張り合えるようなライバルが、HARASHIMA佐々木大輔位しかいなかった(≒少なかった)、という環境もあるのでしょうけれど、そうした中で実力を上げていくうちに深めた自信が、ともすれば増長にも見えてしまった感も否めない。
 
だから、今回の試合は、伸びきった天狗の鼻の、ごく先端部を折られただけにすぎないな、とも。
 

 

確かに、竹下は凄い。
 
強さの象徴にして何でも出来るオールラウンダー。
個人的に、ゲームにこういうキャラがいたならば、真っ先に使いたいキャラクター候補筆頭。
 

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先のインタビューで、「常に頑張っている人が認められるようになりたい」とも言っていますが、そもそも頑張ってなかったら、ああいう所まで竹下が強くならないはずなので。
 
ただ、実績の申し分ない竹下が、実績に対して今一つ周囲からの支持がなされていないようにも感じるのは、実績や数字などの目に見える形だけが輝いて、人間味だとか、感情だとか、そういうベースの部分に見てる側が共感しにくくなったからなのではないかなあ、と。
 
最年少でタイトルを取った後は、最多防衛記録を目指しました。でも僕は選手として何十年に及ぶ下積み経験がないまま、デビュー後わずか数年で王者になったため、批判する人もいたんです。防衛戦のたびにプレッシャーを感じてました。

周りに認めてもらうためには、自分の個性を磨くしかないと思いました。そこで改めて個性的なDDTの選手の中で、僕の魅力は何かを考えたとき、強さしかないなと思いました。派手で難易度の高い技を繰り出し、技のすごさを見せつけるような試合をするようになりました。
 

an-life.jp

 

2017年10月、DDT後楽園大会で男色ディーノとの防衛戦に勝利した竹下が、試合後にこんなマイクをしています。
 
「本当に、DDT総選挙では、第7位という結果で。個人的にはすごく悔しいです。この悔しいという気持ちは、今までは自分の中で押し込めている部分であって、出さない感情でした。
 
「実は、こうしてベルトを防衛してる今も、自分は悔しい。そんな気持ちでいっぱいです。だから、これからは、この気持ちをどんどんどんどん、前面に出して、熱い防衛戦をしていきたいと思います。」

 https://www.ddtpro.com/universe/videos/3043

(3:21:00~)
 
この時、私は現地でこのマイクを聞いていたのですが、「そういう事じゃないんだよなあ…」というモヤモヤを感じながら聞いた記憶があります。
"意識的に"出した感情って、支持の高まりに繋がるものなのか、と…。
 
そのモヤモヤは、前述した秋山戦に向けたインタビューでも感じてる訳で。
 

――秋山選手に対して、「ライバルになってください」とも呼びかけました。ライバルということは、しのぎを削る、切磋琢磨することにつながると思います。秋山選手と同じレベルのところまでいきたいということですか。

「そうですね。プロレス界もキャリアとか年齢とかいろんなものが上下として関わってくる。リスペクトをもって闘うのももちろんなんですけども、せっかくシングルマッチをするならば、そういうのを通り越した闘いにしたいなと思います。ボク自身、ちょっとライバル不足なので、秋山さんくらい強かったらライバルになってくれるんじゃないかと

 

「本当の強さがあれば、それこそ“エモい”試合をしようとした相手を潰してしまうこともできる。エモい試合になりそうだったことすらお客さんに感じさせないというね」

 
「観客の印象すらコントロールしたい」とハッキリと口で言ってくる選手に、見てる人は、ポン、と気持ちよく感情を託せるもんなのかなあ、なんて意地悪な事も考えてしまったり…。
 
そういうのではなく、ありのままの竹下を見せてくれよ、と。
 
思い切り笑っても、泣いても、喜んでも、悔しがっても良いから。
 
周囲の感情をコントロールするために、感情を押し殺したり、「強さを追い求めるロボット」にならなくたっていいじゃない。
 

 

比較してはいけないのかも知れないけれど、そういう意味で、私は2019年春の清宮海斗プロレスリング・ノア)を思い出してしまうんですよ。
 
 (1:55:06~)
 
2019.4.30の『GLOBAL TAG LEAGUE』公式戦終了後、タッグを組んでいた拳王と仲間割れを起こし、拳王から「会社に推されている」と痛罵された清宮。
それに対し、「自分の気持ちでやってるんだよ!!」と泣きながら反駁した清宮。
 
若くして団体のトップとなった竹下と立場的に比べられることもある清宮ですが、泣きながら感情をぶちまけたシーンを見て、私、思ったんです。
 
「凄くカッコいい」って。
 
傍から見れば恰好は悪いのかもしれない。
けれど、「新しい景色を見せる」というフレーズより、あの時自分の言葉で感情を曝け出した、あの瞬間、清宮をとても魅力的な人物に感じたんです。
 
強さは当然必要な部分。
 
でも、竹下の場合、その"強さ"は、弱さを無意識に曝け出した瞬間初めて輝きだすと思うんですよ。
清宮の例を見ていて、私はそう感じた次第です。
 
 

・「可愛い子には旅をさせよ」

秋山戦の敗戦による、竹下の「挫折」。
これを活かすも殺すも、今後のDDTや竹下次第になるかなあと。
 
でも、ある程度ほとぼりが冷めたら、団体内でまた復権して、そこで「俺凄い」アピールをしちゃったら、それこそ、今までやってきた事と何ら変わりない訳で。
 
だからこそ、今の竹下には、DDT所属のまま他団体に参戦する道を積極的に取ってほしい、と、勝手ながら感じてしまうんです。
これは、2019年両国のHARASHIMA戦だったり、1年以上前から感じていた事ではありますが…。
 

 

 

 
正直、今後、竹下がDDTという団体の中で「強さ」を求めていくにしても、過去の実績を考えても、DDTの中では、強さに関してはある程度極める所を極めてしまった感もすると思うんです。
 
それなのに、(言い方アレですが)いつまでDDTの中だけで「俺凄い」アピールをし続けて、優越感に浸っているのか、という話なんですよ。
 
竹下の素質や能力を考えたら、そこは本当に勿体ない。
 
DDTの環境がダメ、とかでは全くなくて。
寧ろ、何度となく竹下が歩んだサイクルから脱却するなら、その道を秋山戦で全否定された今しかないでしょう、と。
 
秋山戦前の会見で、「プロレス界のバランスが大きく動く」なんて豪語していたのもそう。
 
「プロレスラー竹下幸之介として“勝ちたい”という気持ちが、どういうふうに見られるか、人それぞれ。メジャーvsインディーと見られるか、世代対決と見られるか、単純にどっちが強いかと見られるか。僕は竹下が勝つということは、プロレス界のバランスが大きく動くと思う。20代の僕たちが引っ張っていく試合にしたい。若い芽は摘ませません。竹下が勝つ姿を皆さんにお見せしたい」
 
一見外敵のように見えて現在DDT所属である秋山と、ユニット対決を何度となく重ねた上で、ホームで実現した一騎打ちに付けるテーマとしては、ぶっちゃけ大言壮語。
 
極端な話、自団体なら2015年両国の「棚橋弘至vsHARASHIMA」、プロレス界云々なら2012年新日の「レインメーカーショック」(オカダ・カズチカIWGPヘビー戴冠)並のインパクトは欲しい。
 

 

 
それこそ、本当にプロレス界のバランスを大きく動かしたいのなら、今年『KO-Dトーナメント』を優勝した遠藤のように、新型コロナウイルスの影響でダメ元だったとしても、ケニー・オメガとのシングル実現を要求しにいくような波風を、自ら立てにいかなきゃアカンと思うんです。
 
 

・他団体なら、「俺凄い」も華や毒に昇華する

個人的に、竹下は「自分が本当に凄い」と思うんだったら、尚更自分の力を他所で試しに行くのもアリだと思うんですよ。

若くてやり直しも効いて、ベルトもない身軽な状態の今でないと、こういうチャレンジって出来ない気がしますし。
ライバルが不足してると自ら言うなら、尚更。
 
前述した、自己評価と他者評価のズレを埋める契機としても、今の竹下に必要なのは強さではなく、そういうチャレンジではないか、と私は感じます。
 
DDTには、新日の「鈴木軍」や「BULLET CLUB」、ドラゴンゲートの「R.E.D」に代表されるような、観客からリアルなヘイトを呼び込むような、ハッキリしたヒールはいません。
 
どちらかというと、ユニット同士で選手が共闘することもしばしばあったりと、互いを尊重し合う風土が、(何となくですが)団体や選手、ファンの間に醸成されているように感じます。
勿論これは、DDTの魅力的な部分の一つ!
 
そのDDTの中で、竹下の自信に満ちた言動は、時に先輩や周囲を見下す異質なものに映ってしまうのですけれど、他団体ならば、そうしたナチュラルヒール的発言も、「外敵」という立場も含め、ピッカピカに光り輝くのではないか、と私は思うのです。
 
 
特に、竹下は他団体のリーグ戦で見てみたいんです!
全日の『チャンピオンカーニバル』とか、NOAHの『N-1 VICTORY』とか!
 
デカい選手が多い全日でやってきた秋山と、体格面で全くヒケを取っていなかった竹下だからこそ、そういう期待感を(勝手ながら)抱いてしまうんです。
 
 

 

 
個人的に、竹下ならば、他団体のリーグ戦であっても、他団体の主力級の首を打ち取って、勝ち越して、何なら優勝まで手にして、DDTに戻ってこれるだけの実力があると感じていますから、尚更!
 

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2019.12.30 『OWE』後楽園ホール・「竹下vs T-Hawk」より
 
一部大手を除き、団体間交流も増え、外敵でも歓迎される土壌も広がりつつある今のプロレス界において、「強くて、憎たらしくて、ブーイングしがいのある(今は出来ないですが)」外敵になれる存在って、本当に稀有だと思いますし。
 

 

竹下は、そういう存在になれる素質を持っている選手だと思う。
これは声を大にして言いたいです!
 

・まとめ~「間違いだらけのお前のまま答えになれ」~

今回の「竹下vs秋山」、竹下の言っていたような、「プロレス界のバランスが大きく動く」試合では無かったと思います。
 
でも、同時に私は、試合後の反響が決して小さいものでは無かった、とも思っているんです。

 

人と語り合いたくなった試合。

個人的には、「朝まで生テレビ!」方式で討論したい案件。

 

私は、「竹下幸之介は、HARASHIMA遠藤哲哉のようにはなれない」と思っています。
 
でも、こうも思うんです。
 
HARASHIMA(或いは遠藤哲哉)は、竹下幸之介にはなれない」
 
竹下幸之介になれるのは、竹下しかいない」
 
とも。
 
この秋山戦で「今までやっていた事が間違いだったんじゃないか…」と漏らすほどの現実を突きつけられたならば、今が変わるチャンス。
 
竹下は現在25歳。
まだまだ若く、いくらでもやり直しは効く年齢。
 
でも、プロレスラーとしてのキャリアが8年という事を考えた時に、「今後竹下にノれるかノれないかの分水嶺」は今しかない、とも思うんです。
2019年両国のHARASHIMA戦で生まれた変わるチャンスを、竹下もDDTも活かせなかったのを見てしまっているだけに、尚更。
 
その為には、団体側の後押しも不可欠。
これは、竹下1人の頑張りだけで解決する問題でもないと思っています。
 
幸い、HARASHIMA佐々木大輔など、DDT内で竹下の好敵手がごく一部の選手に限られていた2016年~2017年頃に比べ、今は遠藤哲哉樋口和貞上野勇希など、主力として台頭している選手は間違いなくDDTに増えている。
 
そこで互いに高め合っても良いんでしょうけれど、見方を変えれば「竹下が遠慮せず外に打って出られる環境」でもある訳で。
 
昨年末にOWE後楽園大会でT-Hawkとの一騎打ちがありましたけど、敵地でも竹下への声援は飛んでいましたし、そういう光景は今後も見ていきたい。
 
 

…………僕がやってきたこと、信じて歩いてきた道っていうのは、正解じゃなかったのかもしれません。間違っていたなんて、そんなこと思いたくないですけど……やってきたこと……間違っていたのかなって思いました。以上です。

 

秋山戦後のバックステージのコメント。
 
今までの間違いだったかも知れない道程も、今後答えに出来るかどうかは竹下次第。
 
だからこそ、思うのです。
 
「間違いだらけのお前のまま答えになれ」と。
 
それが出来た時、真の意味で、竹下幸之介DDTを背負って立つような、唯一無二のレスラーになるんじゃないか、と私は信じています。
 

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