夢でささやくピアノ

クラシックピアノとジャズピアノの両立を目指す、ねむいゆめこの迷走記録

黒鍵を親指で弾いてはいけないとは知らなかった

黒鍵を親指で押さえているダメな例

「ジャンプしよう」を移調したときにダメ出しされた理由

先日のクラシックピアノでのバーナムピアノテクニック2の7番、「ジャンプしよう」

という課題。

普通に弾けばむずかしいものではない。

だがこれは移調が要求されているので、私はどの調を指定されてもいいように、一応自宅では12調全調で練習している。

まじめやなぁ~ ホンマ自分でもまじめやと思うよ。

にもかかわらず、I➡Ⅴの和音に飛ぶとき間違うことがあるんだよね。

それで私としては、音をはずさないことだけが注意点なわけで、指使いなんて考えてみたことはなかった。

それで先生の今日の指定調はホ長調

Ⅴの和音はシ・レ#・ファ# なので、これが正しく押さえられた時は、

「やったぜ!」

と思った。

しかし先生からは、

「黒鍵を親指で押さえないでください」

とダメ出しがはいってしまった。

黒鍵を親指で弾かないのは合理的

ネットをぐぐると、「黒鍵を親指で弾いてはいけない」というのは常識らしい。

でも私はそんなの聞いたことなかったよ。

いったい今まで何を習ってきたんだろうね。

その理由としては、ちょっと考えてみたら合理的なことがわかった。

例として、ホ長調 I の和音はミ・ソ#・シ、Ⅴの和音はシ・レ#・ファ#だが、これを531の指使いのまま、移動させると、手首を数センチ奥に移動させることになる。

ミ・ソ#・シの531の指使いのまま、シ・レ#・ファ#を弾くと
手首を移動させなければならない。

それに対して、Iの和音はミ・ソ#・シは531で弾くとして、シ・レ#・ファ#を532にすると、手首の位置はさほど変わらない。

写真でちょっとわかりにくいのは、ご愛敬ということで😂

ミ・ソ#・シを531で、シ・レ#・ファ#を532で弾くと手首の位置はほとんど変わらない

テンポの速い曲のときに気がつけばよかった

別にゆっくりした曲を弾く分には、手首の位置がジグザグしても大差ないだろうが、テンポの速い曲を少しでも正確に、となるとこういう工夫はとても有効なのではないか、と思うのだが、どうだろうか?

私はふだんから、

「速い曲を弾くには、打鍵を浅くして、離鍵を早くして・・・?」

とか考えていたのだが、そんなことより、『黒鍵を親指で弾いてはいけない』をもっと前からやっていればよかった、と残念な気持ちなのだ。

バロックは例外らしい

尚、この常識をさらに正確に言うと、

黒鍵を短い指(親指と小指)で弾くのは望ましくない

らしい。

先生によると、この常識というか、鉄則を広めたのはショパンらしい。

「でもショパンもその時代から言われていたことを、ひろめたのかもしれませんけど」

と言っていたが。

しかし、何事にも例外あり、でバロックにはこの常識は通用しないそうだ。

そうだろうね、バッハなんかいつももう1本指があったらいいのに、と思うほどだから、親指小指には黒鍵を免除さしあげる余裕なんてないのだ。

やっぱり、バロックというか、バッハは指使いがむずかしいよ。

アバウト人間には試練のクラシックピアノレッスン

ジャズピアノレッスンは3か月で区切り

今思えば、ジャズピアノのレッスンでは3か月がだいたい一区切りになっていると思う。

つまり3か月ごとに開かれるアンサンブル練習会のために、2曲を仕上げる。

その2曲はどんなに間に合ってなくても、出来が悪くても、アンサンブル練習会以降はレッスンでとりあげることはない。

だからあまり好きでない曲、得意でない曲、もう飽きてきた曲の場合も、

「アンサンブル練習会まではがまんしよう!」

という気になる。

このシステムが理解できるようになったのは、入会してアンサンブル練習会を2回ほど体験した後のことだし、もちろん体験レッスンのときは何も知らなかった。

アンサンブル練習会というのがあるということさえ、知らなかった。

それに参加しない生徒さんもいるので、先生も説明する必要はない、と思ったのだろう。

やはり体験レッスンというのはないよりはましだけれど、それでお教室のすべてがわかるわけではないのだ。

期待値を上回ったクラシックピアノの先生

今のクラシックピアノの先生のレッスンはきょうで5回目となる。

当初、予定していた月2回というより、先生のほうでは毎週、または隔週、または月1回というレッスンペースなので、隔週を選んだ私は、3月にして早くも5回のレッスンを経験することになった。

さて、その感想。

  • いまだレッスンをキャンセル、あるいは変更されたことがないのは非常にありがたい。
  • レッスンスタジオではもったいなくも、スタンウェイを弾かせていただいている
  • 手首、指、腕の使い方など基本的なことも、子どもにでもわかるように丁寧に説明してくださる

以上のことから、ひょっとして私にはもったいない先生ではないか、と思うぐらいだ。

想定外のこともあるクラシックピアノレッスン

しかしやっぱり想定外のことがある、というのが人生につきものだ、ということを実感した。

今までに巡り合った先生の傾向から、

「レッスンのキャンセルや変更さえ頻繁でなければ、どんな先生ともうまくやっていける」

と思っていたのだが、これは楽天的すぎたかもしれない。

なぜかというと・・・

レッスンの前半はあいかわらずバーナムの2に費やし、

「半音下降のときの左手中指のカタチがよくない、

手首をもう少しあげたほうがよい etc ・・・」

で30分ぐらいはあっというまにたってしまう。

やっと曲に移るも、初回からみていただいている、バッハ フランス組曲2番 アルマンドでは

「裏拍が強拍になっているところがある、3度以上離れているのにつながっているところがある、アルトの音が聞こえない」

などなどなど、ヤマほど欠点を指摘される。

ときおり「最初のときより、ずいぶんよくなりましたよ」とは言ってくださるけど。

そしたら最初はどんなんやってん?

ときどき

「あれ、前回そこはそんなこと言われなかったのに」

と不思議に思うこともある。

これって検査をすればするほど、カラダの悪いところが明らかになるのといっしょなのだろうか?

これは性格の問題かもしれない

以上のことを、クラシックも経験したジャズ友に愚痴ると、彼女は

「『もうこの曲は飽きました』ってゆうたほうがええんちゃう?」

と言った。

私も、

「そうやねぇ。今度はそうゆうてみようかなぁ」

と言ったのだが、きょうもあれやこれやと改善点を指摘され、

「もうそんなんいいですから、次の曲にいきたいです」

なんてことはとても口にできなかった。

だって今まで、そんなに細かく厳しく言ってくれる人がいなかったため、私のピアノはひと皮むけずに同じレベルにとどまっているのだろう。

要するにこれは性格の問題では?

先生=物事に妥協を許さず、細かく厳しい

私=大雑把、アバウト、いいかげん(臨機応変ともいう?)

困ったなぁ。

私はどこまでついていけるのだろう?

 

【演奏動画】女性ボーカルが似合う「You Go To My Head」を弾いてみた

マリリン・モンロー

女性ボーカルにふさわしい「You Go To My Head」

On a Clear Day」に続く曲はスローバラードの「You Go To My Head」(忘れられぬ君)であった。

この曲はレッスンでとりあげられる前はまったく聞いたこともなく、師のイチオシでレッスン曲に決まったのだった。

弾いてみると、たしかになかなかいい曲ではあるが、雰囲気的に、私には似合わないと思う。

この曲は私のイメージからすると、マリリン・モンローのような妖艶、かつ豊満でお色気たっぷりの女性ボーカルが、ハスキーボイスでじっくりと、語るように歌い始めるのがふさわしい。

だいたい私は、≪go to someone's head ≫には、「(成功などが)人をうぬぼれさせる」以外に、「人を興奮させる、酔わせる、当惑(混乱)させる」の意味があるなんて、まったく知らなかったのだ。

そしてそれに合わせるように、≪champagne≫、≪sparkling Burgundy brew ≫、 ≪kicker in a julep≫ などのアルコール名が出てくる。

下戸の私にはとんとご縁がないものばかりだ。

やっぱりこの曲は誰か女性ボーカルの影に隠れて、ひっそりと弾きたかったなぁ。

スローを飽きさせずに盛り上げる難しさ

これは私だけの実感であるが、テンポの速い曲なら勢いでごまかせるものの、スローはそうはいかず、聴衆を飽きさせずに盛り上げるのは大変難しい。

第一この曲、最初のテーマだけで2分20秒もかかっている。

「ああ、お客さんはもう飽きてるやろなぁ」

と焦る。

しかしアドリブの前半で倍テンポをもってくるには早すぎる。

心にぐっと迫る粋なアドリブメロディーが弾ければいいんだけどね。

無理無理無理。

それじゃ、ブロックコード(和音)をがーーん!と鳴らそうか?

でもそんなに早い内から盛り上げたら、コーダで弾くものがなくなってしまう。

などと忙しく考えていると、今自分がどこを弾いているかわからなくなってしまうことがあるから気をつけないと!

【演奏動画】エンディングに苦言あり

なんとか最後まで大きなミスもなく、弾き切った!と最後のコードを押さえたときはそう思った。

ところが弾き終わってからやや不気味な沈黙があり、後部の座席にいた師からは、はっきり聞き取れなかったが、エンディングについて苦言があったようだ。

でも私にしたら、

「このエンディング、このあいだのレッスンで弾いたのと同じやし、そのときは何も言われてないよね、たしか」

クエスチョンマークでアタマがいっぱいになった。

だって、ドミナントアルペジオで弾いて、そのあとオクターブでミ♭でしょ。

それからダダダダダダダダで降りてくるやつ。

これ、ダメですかねぇ? がっくり。

もっと凝ったのを考えないといけなかったのか。

youtu.be

初見は合格、今週からはクラシック

恐怖の初見については、優しいボーカルさんが選曲を担当してくれたおかげで、スタンダード中のスタンダート、「Fly me to the moon」を弾くことになり、ほとんど楽勝。

ただ、ふだん弾いているキーはCだったので、ボーカルさんのキー:Fにはとまどったが。

でもリスクをとらない、ダサいイントロ・エンディングを弾いたため、大きな失敗なく終わった。

とりあえず良かった、もうほんとにホットした・・・

これからもう水曜日まではジャズもポップスも弾かない。

アタマを切り替えて、クラシックに専念することにすることにしよう!

【演奏動画】雨の日「晴れた日に永遠が見える」を弾いた

「晴れた日に永遠が見える」を弾いた日は雨

アンサブル練習会は当然、屋内でやるわけだから、晴れていようと雨であろうとまったく関係がない。

しかしこの日、私は今年にはいってからまるまる3か月、練習を重ねた(?)「On a Clear Day / 晴れた日に永遠が見える」をアンサンブルで弾くのだ。

からっと晴れてほしかったなぁ。

なのに「神戸は~大阪は~ きょうも雨だった♪」

という残念な天気。

家を出る前、1時間弱練習したが、初見はもう諦めの境地だった。

いまさらじたばたしてもどうなるわけでもなし、いざ、というときにピカッと自分のアタマがひらめくのを期待するしかない。

kuromitsu-kinakochan.hatenablog.com

36小節という変わり種に手こずった

この曲は前々からとても好きな曲だったが、いざやってみると、今までに気がつかなかった難しさに遭遇した。

だいたい、ジャズのスタンダード曲は32小節というパターンがいちばん多いかと思うが、この「On a clear day you can see forever」は36小節という変わり種である。

なおかつ、ボーカルが気持ちよさそうに、you can see forever, and ever and ever

と繰り返し歌う部分が私たち楽器部門にはアドリブがしにくいため、アドリブソロのときにはここの2小節を省くことが多い(そうだ)。

レッスン中、師からは何回も、

「ここ、アドリブしにくいやろ、そやからアドリブでまわすときは弾かんでええねん。」

と言われていた。

それなのになぜか、私は弾かねばならないテーマのときにすっ飛ばし、弾かなくていいアドリブのときはなにかしらを弾いてしまうのだ。

しまいに私は、

「私、ここのコード好きだから、全コーラスでここを弾かせてください」

とお願いして、黒本の譜面通りでいくことになった。

余計な遠慮は失敗のもと

さて当日。

黒本の譜面コピーをベース氏、ドラム氏に渡すとき、

「お願いします!」

と深々とアタマを下げただけで、私は曲についてはなにも言わなかった。

ところが師は、

「あかん、あかん、説明がいるわ!」

と私たちに割って入った。

そして

「これな、もう全部譜面どおりでやって、これの通りや」

と両氏に指示した。

私にしたら、プロのミュージシャンのかたに私ごときが指示するのはおこがましい、身の程知らず、と思ったため、何も言わなかったのである。

でもこれではあかんねんね。

あやうくコミュニーケーション不足で失敗のもとになるところだった。

【演奏動画】「On a Clear Day / 晴れた日に永遠が見える」

さて本番。

自分としては「まあまあ」の出来だったと思う。

しかし師からのコメントでは「迫力はあった」だけだった・・・

ということはなにかしらが、あかんかったのだろう。

次回のレッスンでは、辛口批評を謹んで承ることにしよう。

あ~~ 何を言われることやら・・・

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サロンコンサートがあればもっとよいヨドコウ迎賓館

兵庫県芦屋市にある旧山邑家邸(ヨドコウ迎賓館)

フランク・ロイド・ライト設計の重要文化財

兵庫県芦屋市にはこれといった観光名所がない。

たとえば背の高いタワーとか、由緒あるお寺とか、巨大なショッピングモールとか。

もし誰かに芦屋市を案内してほしいと頼まれたら、私は本当に困るだろう。

その少ない観光名所のひとつに、国の重要文化財に指定されている「ヨドコウ迎賓館」がある。

現在の所有者が淀川製鋼所ヨドコウ)であるため、この名称になっていると思われるが、これ、何となく気になる・・・

というのもヨドコウが物置の製作会社として有名であるため、夫ちゃんに、

「ガレットを食べた後は、ヨドコウ迎賓館でやっている雛祭り展を見に行こう!」

といっても、

「なんでわざわざ、物置のでっかいのを見に行くのか」

と最初は相手にされなかったからである。

なので私は、この屋敷は今から100年前、大金持ちの造り酒屋(櫻正宗)の経営者が、近代建築家のひとりに数えられるフランク・ロイド・ライトに設計を依頼し、作られたものであることを説明しなければならなかった。

フランク・ロイド・ライトの数奇な人生

建築学の観点から言えば、私の写真よりもっと素晴らしい写真が見られるサイトが多くあるし、ライトの設計がどんなにすばらしいか、についてもちゃんと説明されている。

ヨドコウ迎賓館「旧山邑家住宅」フランク・ロイド・ライトの名建築 - SMILE LOG

なので、今さら私がその説明を転記するのも野暮であろう。

だから私が興味をもっているのは、建築の価値よりも、ライトその人の数奇な人生である。

ウィキペディアをざっと読んだだけでもいかにスキャンダラスな人生だったかが想像される。 

現代のネット時代ならとっくに炎上を通り越しているだろう。

その人生におきた悲劇をかいつまんでいうと、

  • 6人の子供をもうけた夫人が離婚に応じなかったため、愛人と駆け落ち
  • 彼の留守中に、使用人が建物に放火し、愛人と子ども2人が斧で斬殺される
  • 犯人の使用人は犯行動機を語らず、獄中で餓死

いや、もうコワすぎるわ・・・

旧山邑家邸(ヨドコウ迎賓館)の設計にライトがとりかかったのは、1924年だからこの悲劇のあとである。

ライトさん、本当にがんばったのだなぁ。

ところで1924年大正13年)と言えば、芦屋市のこのあたりにはほかに家がなかったのだろう。

ところが今はこの建物よりも山側に、びっしりと住宅が建てられているため、説明書きにあるように「高台」にあるとはあまり感じない。

ライトさん、今の芦屋市をみたらびっくり仰天するだろうね。

雛祭り展よりピアノでサロンコンサートを!

この「ヨドコウ迎賓館」、何といっても100年前の建物だから管理・維持するのはとても大変なのだろう。

だから会社の名を冠して、少しでも宣伝になるように、というのもわかる。

しかしせっかくの文化財なのだから、ピアノをおいて、クラシックのサロンコンサートを開いたほうが、1年中企画できていいのではないか?

「雛祭り」だと1年に1回しかないし、展示品の規模も大々的に謳うほど規模は大きくないのだから。

なあんて文句ばっかり言っているが、100年前の豪商の生活ぶりがうらやましくなるすばらしい邸宅であることは間違いない。

応接室の8角形テーブル

書斎

食堂

テーブルスタンド

ヨドコウ迎賓館」から見る芦屋市街