アフィリエイト広告を利用しています
ファン
<< 2024年05月 >>
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
最新記事
写真ギャラリー
カテゴリーアーカイブ
月別アーカイブ

2024年05月01日

負の遺産

28369416_s (1).jpg

今の本屋は


世の中の需要にマッチしていません


品揃えに特化し過ぎているのに


売上が下がる一方で


そもそも来店するお客さんが減っています


要因はいくつかあり


そのひとつとして


本屋というコンテンツの弱体化が挙げられます



どういう事かというと


流行の仕組みがTV発信からWEB媒体発信SNS発信に変わり


本来ならスマホにリンクした本屋にならなければならなかったはず


いつしかTVも


本を紹介することをしなくなり


たまに紹介されても


年配の方に刺さるような本しか反響がなく


新聞広告で大々的に紹介された本も


一瞬だけ売れてすぐに売れなくなる


加速度は10年前と同等でも


減速度はトップギアからローギアにシフトチェンジするかの如くに


売れ残りの虚しい売り場が残るのみ



これが例えば


スマホと店舗の本の在庫を完全リンクし


在庫があれば店内をXRで案内


売場の映像を確認でき、かつ他の本の映像も見れるので客単価UPにつながる


当然即日発送→Amazonや楽天並みの速度で自宅へ配送


週末にしか来店のなかった本屋は


日々在庫のある売れ筋の発送と本の手配に追われるようになり


結果在庫の無駄が明確化し


本を積んで訴求する必要もなくなる事で売れるかもしれない本を持たなくて良くなり


在庫の圧縮が実現します


リアル書店の売り上げが伸びることにより


出版社は印刷=重版スピードを上げざるを得なくなり


円滑な売れ筋の循環を実現


本屋も問屋も出版社もお互いにWinWinな関係に


もっとも


物流がスローな現在では配送が遅延すればするほど


実現は遠い話ではあるのですが


やらない手はありません



そして国の方々


本屋が現在の9000店から4500店にならないために


これ以上消えてゆく前に


本屋の活性化のために


本を課税対象から外してもらえないでしょうか


電子では10%オフ20%オフを平気でやれているのに


リアル書籍が定価で10%の消費税を課されたままだなんて


どれだけ電子のみを成長させれば気が済むのですか


失われた30年なんて言うけれど


本屋の売り上げのピークだった1996年からもうじき30年


日本に第二の喪失を創出する前に


ご検討下さい







posted by 宮野 at 08:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 本屋

2024年04月26日

【タイパ重視】リピート確定の本屋判別法ベスト3

spend time on you (1).png

時間を駆使し


何軒も本屋を回り


挙げ句目的の本が見付からない


そんな経験はありませんか?


{推しのコミックの最新巻が欲しかったのに売り切れてた……

{雑誌予約したかったのに締切ってた……


折角の余暇を無駄遣いなんて嫌ですよね


そこで今回は


タイパ重視で本屋を回る事にフォーカスし


リピートすべき本屋を絞るための立ち回りを公開します



使える本屋の見分け方


【1位】人気商品に冊数制限を設けている
【2位】本の分類別のランキングの順位の最大数を確認する
【3位】本の箱のバリエーションを確認する


それでは順に解説します。


【3位】
本の箱のバリエーションを確認する


本屋は本を仕入れる際


大きく分けて2つのルートを使います


・ひとつは問屋から仕入れる
・出版社から直接仕入れる


注目すべきは
問屋から仕入れている方で


通常、契約する問屋は1書店につき1問屋なのですが


近年、その常識は覆されています





本屋は本を仕入れることに必死で


頼りの問屋に目当ての本の在庫が無かった場合


入荷待ちとなる訳ですが


お客さんは待ってはくれません


何故なら本を入手するルートは


お客さんにとっては多岐に渡るからです


・他の本屋に行く
・ネット書店で買う
・電子で読む



本屋としては逃したくないチャンス


入荷待ちで黙っている訳にもいかず


メインの問屋の他に第2第3の問屋と契約


そうして入荷待ちを防ぐため躍起になっているのです


本屋にとってはデメリットが大きく


粗利の問題で損をします


例えば大手問屋の日本出版販売なら23%


それが他の問屋では20%だったり


果ては買い切りだったりと旨味が少なく


それでも本屋は人気の本を必死で確保しているのです


通常なら本の入った箱はバックヤードで開けるのですが


お店によっては店内で開けていることもあります


ここが注目して欲しいポイントです



箱には問屋の名前が入っています


日本出版販売なら【日販】
トーハンなら【TOHAN】


上記2種類の箱を同じ店内で見かけたなら


その本屋は問屋を使い分け


商品確保により必死になっている可能性大です


それはつまり


商品確保出来ている=店内に人気商品が揃っている可能性大という訳です


たまに地元に根付く問屋の荷物が


たまたま第2第3の問屋の箱で仕入れている場合もあるのですが


店内で箱を見かけたら注視してみて下さい





【2位】
本の分類別のランキングの順位の最大数を確認する


本屋によってはランキングを設けている店舗もあるかと思います


ランキングは通常、各店舗の一定期間の売上データを元に作成していて


・フィクション
・実用書
・ビジネス書


これらの分類別にランキングされている光景を見たことがあるのではないでしょうか


大体が10位以内、多くても20位までの店舗がほとんどでしょう


もし仮に


ランキングが30位40位50位


果てには100位までランキングを用意する店舗があったなら如何でしょう



圧巻の光景ですよね


ランキングされている本は基本的に店内の平台や棚にあるはずで


店舗を運営する側からすると、ランキングに置いてある在庫は必ずしも適正な在庫冊数にはならない訳ですが


それでもランキングを成立させている


それはつまり、圧倒的な品揃えをアピールする意味合いがあります


在庫は適正な在庫として管理するのが本屋の運営側の理想な訳ですが


在庫度外視でランキングを用意する


頭が下がる気合いの入れようです


もしこのようなランキングをどこかの店舗で見かけたら


比例して品揃えが良い傾向が強いです


人気商品がその店に無かったとしてもおそらくごく短期間の話になるでしょう



【1位】
人気商品に冊数制限を設けている


人気商品は大概予約が入ります


中には1人で何冊も同じ本を予約する方もいて


そのような本は全国的に需要が高く


問屋にも出版社にも予約したいと言ったところで


店側の意向が反映されない事が多いです


本屋側としては


予約だけで仕入れ分がゼロになる


つまり発売日に店に並ばない事態は避けたい訳で


予約は1人1冊
販売も1人1冊と店内に掲示し


事前に措置を取る。この措置こそが、なるべく多くのお客さんに買って欲しいという本屋側の願いの表れなのです


こういう本屋は


全国的に品薄の人気のコミックなども冊数制限を設けている事が割とあります


それはきっと月に1度、お小遣いを握りしめてコミックを買いに来る子どもたちのために。


まとめ



如何でしたでしょうか


リピートすべき本屋を予め決めておけば、いざ本屋へ行くという場合もスムーズに向かえますよね


より自由な時間を得るために


  • 冊数制限の表示がある
  • ランキングの順位数
  • 荷開けする箱の種類



これらに注目してみて下さいね



posted by 宮野 at 12:29 | Comment(0) | TrackBack(0) | 本屋

2024年04月24日

本屋ガチャ

image007.png

今の時代


本屋の減少が当たり前の時代


本屋があることが希少になりつつあり


本屋が消滅した自治体もちらほら



出版業界に詳しい文化通信社の統計データを下に引用しました←※社名よりHPへアクセスできます


20年前に21000店ほど存在した本屋は


2020年には11000店ほどにまで減少

7973563d11869eebb9c4731b0a400e95 (1).png

つまり半分近くにまで減少したことになります


賑わう都市圏を除き


かつては商店街にひとつはあった本屋が


今は見る影もありません



今は本屋ガチャの時代


本屋に本を買いに来るというより


本屋に【本以外の何を置いているか】にフォーカスが当てられている時代


人気のコミックや人気の小説が置いてあることは大前提で


プラスアルファの商品が


お客さんにとってハズレだったなら


そのお客さんは2度とその本屋に来ないかもしれません



利益至上で本屋の店長になるのなら


試しに家電に置いてみる


試しにスイーツを置いてみる程度では


お客さんは見向きもしないという未来を想定しておく必要があります


勝負を仕掛けるなら大胆に仕掛けなければならず


かといって失敗すれば目も当てられません


何故ならそれらは


本のように返本可能ではなく


概ね買い切りで仕入れることになるでしょうから



本が好きで好きで仕方なく


どうしても本に携わりたいのなら


本屋のノウハウを提供する側になるべきです


つまり問屋になる



出版業界において


問屋の利益は8〜10%です


本屋の利益は23%程度なので


パッと見で儲からないように見えますが


問屋も人件費をきりつめている話はちらほら聴きますが


本屋のように日々人件費に頭を悩ませる必要がなく


営業所ごとに本の在庫を抱える必要もほぼありません(但しエリアによる)


中枢にあたる倉庫にある程度在庫は持っていますが


あくまで売れ筋中の売れ筋や新刊だけ持っていればよく


在庫量を日々気にする必要も無いでしょう


問屋として本屋をプロデュース


統計上の商圏人口や


地域性による本の購入額、購入ジャンル傾向を本屋側が把握出来ていないと痛い目を見ると思いますが


朝5時にWebサイトに目を血走らせる必要もないのです


題して書店プロデュースガチャを


ご検討下さい





posted by 宮野 at 19:54 | Comment(0) | TrackBack(0) | 本屋

2024年04月22日

【永久保存版】失敗しない本の選び方ベスト3

image003.png

このブログでは


本屋の店長になったら


酷な運命が待っていることを


書き連ねてきました


記事は今後も継続しますが


今回は


今まで書いてこなかった


本を買う方への


本の選び方を公開します





普段本屋へ行く方も


たまたま本屋へ寄ったけれど


買いたい本がない


けれど手持ち無沙汰に読書を嗜みたい方も


どうぞご覧下さい


失敗しない本の選び方を


ここに公開します

※専門的ジャンルに特化した本屋は選書対象店より除きます
※コミック及びライトノベル(挿絵入りの小説)は選書対象より除きます



失敗しない本の選び方ベスト3


【1位】中盤のページを開いて目を通す
【2位】奥付の重版回数を確認する
【3位】作家競演の短編集を読んでみる


それでは順に解説します


【3位】
作家競演の短編集を読んでみる


出版社の作る本は


エンタメと呼ばれるジャンルに関しては


玉石混交です


いくら編集部イチ押しと言ったところで


読者の肌に合わなければ


読者にとっては時間の無駄な訳で


失敗したという負の感情が残ります



但し


失敗をパーセンテージで示すとすれば


100%の失敗も50%の失敗もあり


短編集なら


100%を50%に減らすことも可能です


{どういう事?


と思われるかもしれません


でも考えてみて下さい


作家競演の短編集は


著名な作家陣の短編集である場合が多く


個々の作品としてのレベルがそもそも高いもの


作家によっては


肌が合わないとか割とあるものですが


中には


読んでみたら意外に面白い作品が眠っているものです


本屋でみかけたら


ひたすら多面で陳列している本より


短編集を読んでみることをおすすめします

こんなのありました
↓↓↓↓↓↓↓↓↓
1日10分のときめき



【2位】
奥付の重版回数を確認する


奥付とは


巻末にある
【初版日付】
【重版日付】
【発行元】等の記載を指します


例えば


初版が令和5年4月1日
第十版令和6年4月1日


上記の奥付であった場合


1年で9回の重版をかけた本という事になります


そこそこ人気のコミックであれば


1年で9回の重版は珍しくありませんが


ことハードカバーの奥付の場合


かなりの売れ筋であると言えます


実はこの重版回数


10回程度は序の口で


世の中には何十回、更には百回以上重版をかけている本が存在します


参考までに【BRUTUSホームページ】より



重版回数の飛び抜けて多い本を下記にのせます


・岩波文庫【歎異抄】120刷
・岩波文庫【こころ】136刷
・新潮文庫【赤毛のアン】154刷
・新潮文庫【雪国】158刷
・新潮文庫【人間失格】209刷


如何でしょうか


世の中の需要があるからこそ


優れた作品であるからこそ


重版を重ねてきた、いわば【猛者】は


数十年の時を経てもなお


色褪せないことを証明し続けているのです


最も


教科書で採用される作品が目立ち


既に読んでいる作品群かもしれませんが


未読でかつ数十回の重版を重ねている本を見かけたら


ご一読をおすすめします



【1位】
中盤のページを開いて目を通す


実はこの技法


芸人のカズレーザー氏も提唱する方法で


全ての人にすすめたい良書判別法なのです


{中盤のページを開くってどういう事?


と思われますよね


何故なのか


答えは


小説の特性が関係しています





小説は小説家が生み出したもの


作品に没頭してもらいたい


その思いが作品に表れているもので


例外もありますが


概ね冒頭とラストに作品の魅力が詰まっているもの


そのため冒頭だけ読むと


面白い作品なのだろうと高をくくりがち


しかし実際は


途中で挫折することもあるのではないでしょうか





そこで


あえて中盤のページを開いて目を通すと


その作品が


自分に合っているかどうかの判断がつきやすいです


目を通し


{何となくだけど今そういう流れなんだ


と話の筋が判断出来


続きを読み始めたなら


買いの可能性大です


まとめ



如何でしたでしょうか


本屋を運営する側からすると


実際に良書を買ってくれるお客さんが少ないと身にしみるものでしたが


常に本屋に在庫がある本は


実は良書の場合が多いのです


読みたい本は特にないけれど


何か読んでみようかと思い立ったなら


奥付を


中盤のページをめくってみて下さい


そこには


新たな愛読書が待っているのかもしれません


posted by 宮野 at 12:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | 本屋

2024年04月20日

元本屋だから言える【駄本を掴まないための3ヶ条】

image036.png

今までこのブログでは


本屋で働くことになると


本屋を運営するとなると


どれだけ酷な運命が待っているかを解説してきました


今回は


本屋で働いた経験をもとに


\こんな本は買わないで/


と声高らかに呼びかけたいと思います





駄目な本・略して駄本の3ポイント



まずは


駄目な本・略して駄本のパターンを挙げます


【駄本にありがちな3ポイント】

@号泣と帯に書かれた小説
A発売即重版の謳い文句の本
Bコミックの新作1巻

では順に解説します



@号泣と帯に書かれた小説

号泣してしまう本=小説や実話があてはまりますが


ありがちなキャッチコピーに

\5ページ読んで泣きました/
\ありえないほど大号泣/
\泣かないと決めていたのに号泣/

このようなキャッチコピーが多いです



でも考えてみて下さい


号泣レベルの話なら、そもそも帯に表す必要はなく


物語の内容だけで売り出せるはずだと思いませんか?


つまり、号泣とアピールする本は


大体が内容の薄い本なのです


ジャケットが美麗なイラストで飾られた文庫本に多く


本屋で見かけたら要注意です




A発売即重版の謳い文句の本

\えっ/ \嘘でしょ/

と思われるかもしれません


ところが事実なんです


もちろん理由があります


本というものは


近年の出版不況において


初版が極めて少なくなっていて


例えばA書店で


10年前なら、初回の仕入れ冊数が10冊だった有名作家の最新小説が


今は3冊なんてザラで


最悪仕入れゼロもあります


出版社は本の在庫を抱えたくないため


初版を全国の本屋や問屋に出荷したら


あとはお客さんからの注文用在庫を持つ程度


本屋から

\売場に積みたいから出荷して/

と言われても

\すみません品切れです/

と断られます



しかし同様の問合せが続き


いよいよ全国の本屋の在庫(市場在庫)が少なくなってくると


ようやく重版に踏み切ります


重版するには

  • 印刷工場の確保
  • 紙の確保
  • 重版部数の規模


を決めなければならず


発売日から数えて


早くても2週間後くらい


本屋に並ぶのは


大体が3〜4週間後になります

\あれ?/ \それっておかしくない?/

と思いませんか


そうです


発売即重版とは


  • 元々の刷り部数が少なく
  • 思いのほか売れたから
  • ようやく重版に踏み切った



現実はスピード感に欠ける重版


それが発売即重版


世の中には


重版がかかったのに


その後売れない本がごまんとあります


だから騙されないで下さい


世の中の本は


昔からある物語の焼き増しがほとんどなのですから




Bコミックの新作1巻

コミックは


発行点数が極めて多く


雑誌扱いコミックスと呼ばれるコミックだけでも


月に650〜750点程度は発売されています


その内


1巻、つまり完全な新シリーズがどれくらいを占めるのか


答えは約100点


全体の13〜15%にあたります

\そんなにあるの?/

と思われたかもしれません


そうです


ONEPIECE、宇宙兄弟、夏目友人帳、名探偵コナン


毎月、沢山のシリーズ最新巻が発売しているのに


1巻がこれでもかと云わんばかりに発売ラッシュ


どれもが面白いマンガなら良いのですが


残念ながら現実は違います



とりあえず小規模部数でも発売してみて


売れの動向を注視しています


需要が供給を上回り


市場在庫がある程度さばけたら


めでたく重版が決まりますが


1巻のおよそ9割は重版もなく


やがて返本の運命にあります


とりあえず積んでみる本屋が割とあるので


新刊コーナーにはおそらく


至るところに1巻が並んでいるはずです


気を付けてください


その1巻、大抵がはずれです



まとめ・駄本を掴まないために



いかがでしたでしょうか


本屋には


罠が仕掛けられています


駄本を掴まないために


以下の3ヶ条を覚えておくと便利です

  • 号泣と帯に書かれている本は素通り
  • 発売即重版の表示には要注意
  • コミックは帯に累計部数が書かれているシリーズを選ぶ


上記のすべてが


駄本に100%あてはまるとは言えませんが


本選びのひとつの目安になると思います








posted by 宮野 at 12:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | 本屋

2024年04月18日

【番外編】面白いブログは、おすすめしたい。

28756602_s (1) (1).jpg
今回は


本屋の激務暴露ブログではありません


私が読んで非常に共感したブログの紹介になります。


↓お時間がある時にでも読んでみて下さい↓

【パワハラ上司が部下を怒鳴る2つの心理学的要因】

↑パワハラについて分かりやすく解説されてます↑








2024年04月16日

記憶の欠片

image032.png

本屋は


大型連休を含む期間、いわゆる繁忙期以外のタイミングで


小説や雑学本のフェアをよく開催しています


夏休みに合わせ、出版社大手3社が同時期に打ち出す夏の文庫フェアなど例外もありますが


概ね繁忙期以外=閑散期に


本当はやりたくもないフェアを提案





何故やりたくもないフェアを開催するのか


何故なら


自分たちで企画、提案する内容ではなく


出版社発案の
【売れ残り大量送品フェア】
だからです



売れ残りを何とか捌きたい出版社は


共通オビと呼ばれるフェア用オビをフェア用商品に巻き


あたかもコンセプトに沿った価値の本であるかのように


巧妙にパッケージングし


当選確率の極めて低い限定プレゼント用応募券をオビの端に用意し


もしくは大して価値のないと思われるノベルティをレジで配布する程度の陳腐なフェアを何食わぬ顔で


\どうぞフェアを始めて下さい/と仰る





それでも本屋側としてはやらざるを得ません


何故なら


@企画する暇がないから
A恩を売るため


上記の理由があるからです


一体どういう事なのか


暴露します





@企画する暇がない
本屋は今


如何に売れる本を他の店より先取りするかという一点に必死です


\新聞広告が出ます/


\今度TVで本を取り上げます/


上記の情報は予め流れてくるのですが


何の予告もなく突然売れる本があり


理由は大体同じで


SNSでインフルエンサーが紹介という理由によります


売れ始めて

        
\注文お願いします/
        

と声高らかに伝えたところで


\保留になります/


そのひと言で済まされます





出版社が品切れを起こす前に


何とか商品を確保したい


先回りのマインドに囚われすぎているため


企画は二の次(但し自店の企画でフェアを行う流行りに囚われない店舗もある)


結果、提案のアイデアも湧かないままに


とりあえず棚を埋めるために


フェア用商品を出版社から送品してもらう


結果、大して売れもしないフェアが終わり、何事もなかったかのように返品の憂き目に遭うという訳です



A恩を売るため
恩は出版社に売るのですが


主に自店の担当者に対しての話になります


欲しくもないフェアでも、普段からある程度展開し続けると


いざ売れる本が出た時に


\いつも売って頂いてるので/
   何とか手配します


というミラクルが起きたりします


結局、折角確保できた本も売れなければただの無駄足なのですが



不況にまみれた本屋は


とにかくフェアを入れ替える


フェアに取り組んでいるスタンスだけは崩さない


謎の使命感すら垣間見えます


大事なのは入れ替えること


つまり、フェアに含まれていた1冊の本の名前を憶えてないとかザラで


けれどお客さんはそんな意に反するかのように


  \この前ここの棚にあった/
 こんな感じの本欲しいんだけど

                
\残念ながら本の名前が分かりません/
                

記憶の欠片


それは既に返品された未知なる書物






posted by 宮野 at 22:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | 本屋

2024年04月13日

本屋という名の何でも屋

image028.png

本は原則定価販売


閉店セールも無ければ


ワゴンセールもありません


けれど本というものには


売れる時期があり


大体3月8月12月と決まっています






何故かというと


春休み夏休み冬休みという大型連休に重なり


普段は本屋に来ないお客さんも来店するため


出版社も本気で売りたいものをここぞとばかりに投入してくるから


人気アニメの原作コミック然り


年間で指折りの公開規模の映画原作小説然り


年々発売時期を大型連休時期にぶつける傾向は強くなるばかりで


3シーズン以外=閑散期には売れる本を発売することは稀になってきました


売れる本が無いと


本屋は通常業務以外に何をするかというと


@集客するためのイベント
Aノベルティ企画
Bひたすら返本


概ね上記の3パターンにあてはまります


次点で陳列棚の大変更もありますが


元々人件費をきりつめて何とか運営している前提があり





重い本を棚から避けて別の本をひたすら入れる、時には重い棚ごと移動する


滅多に出来る作業ではありません


という訳で


@からBまでのいずれかを日常業務中に行うのですが


@Aの内容はあまり人を割かずに出来、なおかつ集客効果が強いため(但し内容による)殆どの本屋で年に数回は行っていますが


Bの返本には限度があります


何故なら売れるかもしれない本を返本する訳で、片っ端から進める訳にはいかないからです



吟味に吟味を重ね返本し


それでも全国平均の返本割合は雑誌以外が約35%、雑誌が約40%(※出版科学研究所ONLINEより)


単行本にしろ雑誌にしろ


1000冊仕入れて350冊以上を返本するという作業を日々繰り返しているのが本屋の実態な訳です


話題になりそうなコミックや小説を大量に仕入れ、売れ残ったらそのまま返し、また大量に仕入れる


最も売り逃しにくく、かつ最もリスクを背負う流れであると解っていながら


本屋はそれを止めることは出来ません


結果、同じ事を繰り返すだけの本屋は悪評を生む


実のところ、出版社から本を卸し本屋へ本を送る問屋は


本屋それぞれの仕入れ額、売上額を把握出来る立場にあり


返本の割合が高すぎると


その本屋には適正な仕入れをと進言するもので




最終的な返本割合が高すぎるまま改善出来なければ


様々な重荷を課せられます


内訳は契約上の話になってくるため


暴露ブログの割にここでは明かせませんが


本屋はだいぶ前から


如何に仕入れを抑え


如何に効率よく本を売り


如何に返本を抑えるか


理想をつきつけられ続けています


本の仕入れを抑えると


最終的な返本も必然的に減少しますが


比例して売上も落ちる


何故なら売れ筋も仕入れが滞る=売れ筋商品が欠けているからです


次に本屋はこう考えます


「よし、本が売れないなら本以外を売ろう!」と



やがて棚は淘汰され


空いたスペースに雑貨が置かれ


食品が置かれ


終いには服飾品が並び始める。これらは既に現実化しています。


おそらく10年後には家電量販店も真っ青の電化製品が並ぶ事でしょう











posted by 宮野 at 12:44 | Comment(0) | TrackBack(0) | 本屋

2024年04月07日

プラハラ

image003.png


本というものは


総じて価格が高い商品です


何故なら


本は法律により


定価販売が原則の商品だからです





それがたとえ高額であっても定価


世界の絶景写真を美麗に収める写真集然り


大学教授や、省庁に属するような方が書き上げた専門性の高い学術書然り


人気コミックの限定版然り


中でもコミックの限定版は特に需要が高く


発売前に予約が入り


店舗への入荷分すべてが予約で埋まることもしばしば


お客さんとしては発売日に店舗へ行けば買えると思っていたのに


売場に無いとか普通にありました


何故こんな話をするのかというと


近年、限定版界隈が異様に活気づいているからです







10年以上前なら


限定版はあくまで「限定」


初版部数がどれ位なのかを明かすと


価格や予約数にも左右されますが


通常版に対し3%〜5%が目安です


初版が10万部を超える最新巻であっても


限定版は初版3000〜5000部程度


出版社も初回分を捌いたら終わり


それが世の常でした





ところが数年前から


常識は変わり始めました


当時、鬼滅の刃という漫画が流行っていて


いよいよ完結の巻発売のとき


本屋にはおよそ似つかわしくない行列が出来


その日は過去最高の売上となったという声をちらほらと耳にしました


上記の作品は


限定版が同時発売


限定版目当てのお客さんも多く


初日で完売するという異常さ





更には某人気転売サイトにて


定価の倍以上の価格での出品も多数


それが売れなければ時代の波は変わらなかったはずが


完売続出


限定版は転売で売れるという認知が


一気に広まった訳です





限定版が儲かる理由をまとめると


@転売で儲かる
Aコンビニで売ってない
Bスノップ効果


以上の理由が挙げられます


ちなみ3段目の


【スノップ効果】が何かというと


「他人とは違うものが欲しい」という心理が働き、簡単に入手できないほど需要が増し、誰もが簡単に入手できるようになると需要が減少する心理的現象を指し、他者との差異化願望が背景にあるそうです(Webサイト:J-marketing.netより引用)。




いきなりですが


ここからがタイトル回収


コンビニでも買える人気のコミックの限定版を発売することを出版社が決め


問屋や本屋に情報を予め流し


ほどなくして世間に情報解禁


誰もが欲しがる人気作品の限定版ともなれば


価格にもよりますが


相当の需要があります





初版規模は通常版より全然少ないのに


売れ行きが通常版の50%ペースという驚異のスタートダッシュ


時には60%70%80%なんて異常事態も起こり


すぐに売り切れという盛況


売り切れを繰り返すうち


本屋はこう思います


「毎回売り切れるなら、売り切れないように大量に仕入れちゃえ!」と





事前受注生産完全買い切りという例外もありますが


本は基本、返品が利くので


売り損じを惜しむ全国の本屋が


こぞって限定版の確保に勤しむ訳です


結果、売れ残った限定版が


全国の本屋の棚にいくつも刺さっている事態が日常化


限定版の存在が


棚を圧迫し幅を利かせる


題してハイプライスハラスメント略してプラハラ


コミックの棚を眺め


限定版が異様に目立つ通常という光景は


本屋限定の返品地獄へといざなうきっかけとなるのでした








posted by 宮野 at 13:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 本屋

2024年03月31日

ハラスメント地帯に生まれて

image008.png

今では考えられないような


暴言あたりまえの日々


本屋にはおよそ無縁と思われるような地獄は


本屋にもかつて存在しました


今でこそパワハラ沙汰がニュースになると


加害者は社会的地位を失うレベルの制裁を受ける訳ですが


それは20年前ならあたりまえの光景でした





リスクマネジメント協会の資料によると


パワハラという言葉が生まれたのは2001年


実は和製英語であり


日本ならではの、悪者を指す言語です


パワハラという言葉が生まれてからも


しばらくはパワハラが横行していたと記憶しています





当時、私が働く本屋の店長は


泣く子も黙るワンマン店長


さしずめワンマンハラスメント略してワンハラ、とでも言いますか


自分より目上の人には媚びへつらい


部下や出版社の人間には怒濤の如く怒り狂う


気持ちは解るのですが


簡単に手に入らない人気商品を確保するために


日々に1度は訪れる落雷タイム


周囲の従業員からすればたまったものではありません





電話口でも


相手が大手出版社であろうとお構いなし


他の本屋と同様の対応をされた途端



「てめえじゃ話にならねえ代わりの奴出せコラヽ(*`Д´)ノ」


場が一瞬で静まりかえります


そして相手の対応に満足すると


「は〜いそれじゃ宜しく(^▽^)」


まるでサイコロを振ったかのような豹変ぶり


そんなワンハラ店長も


事件沙汰を起こし今は業界にいません


〇〇〇治さん、お元気ですか(遠い目)





本屋で働きたいと思っている方へ




集英社オンラインの記事によると


1980年代、国内には2万5千を超える書店があったのに


2022年には1万1000軒ほどにまで減少した、とあります


つまり50%以上減少した事になりますね





また、首都圏の老舗レベルの大型書店の閉店も相次ぎ、国内の市区町村のうち4分の1には1店舗も書店がない状況になっている、とも書かれています


何故なら本屋は儲からないからです


現存する本屋は


どこもかしこも人件費をきりつめて何とか運営しています


万が一入社してしまったのなら


上司や店長と馬が合わないと感じたなら


早めに身を引くのが賢明です


さもないと


残務に次ぐ残務を溜めたまま


本の注文に追われる事になるでしょう





今の日本は


閉店ハラスメント地帯


本を買うならネット書店か電子書籍が当たり前な時代


そんな世の中でも


本屋に本を買いに来てくれる皆様


紙の本は本当に良いものですよね



最後にひとこと



本を注文し


受け取りにこない方々へ


それだけはご遠慮ください


本は出版社へ返品が可能ですが


買切りに分類される本も多数あります


雑誌には返品期限があります


本が返品出来ない場合


本屋は丸損をきたします


たとえば1冊700円の雑誌を


注文し購入とならず


返品もきかない場合


本は廃棄せざるを得ず


損失を埋めるためには同じ価格の本を5冊売らないと相殺できません


相殺ハラスメントだけは避けたい


全国の本屋の皆様


毎日お疲れ様ですm(__)m






posted by 宮野 at 21:24 | Comment(0) | TrackBack(0) | 本屋
検索
最新コメント
タグクラウド
プロフィール
宮野さんの画像
宮野
初めまして。 日本のとある最果てでかつて本屋さんをやらせて貰ってました。 あまり語られる事のない本屋の実情を知りたいという方、必見の内容を書き連ねる予定です。
プロフィール