特等添乗員αの難事件I (角川文庫)

「なんだか嬉しい。あなたに出会えて」

万能鑑定士Qの凜田莉子の匹敵する、最強キャラ。特等添乗員a(アルファ)朝倉絢奈の登場です。先に万能鑑定士Qの推理劇を読んでいる人は一足先に彼女に会っていますね。莉子の窮地を救ってくれた添乗員さんが彼女です。もちろん、この巻にもそのシーンが描かれていて、二つがうまく交錯してます。

ロジカルシンキングを得意とする莉子とラテラルシンキングを得意とする絢奈。この二人がタッグを組めば最強も最強です。二人がここまで成長する過程はとてもよく似ているのです。天才的なオバカが、よい師匠の元、学び成長する。そしてよきパートナーがいる。莉子に小笠原が、絢奈には壱条さんが。ただ、少し違う点は、莉子は家庭環境に恵まれたけれど、絢奈は彼女の事を理解してくれない家庭に育ったようです。

途中、あまりにも彼女が蔑まれているので苛立ちさえするのです。あの姉をいつか負かしてほしいと思うのは私だけではないはず。そしてもう一つ違う点。恋愛の進展が早い。莉子と小笠原は前シリーズ12巻、新シリーズ1巻の時点でもまだもどかしい感じなのに、絢奈と壱条さんはすでにこの1巻で気持ちが通じあってしまうという素早さ。もしかしたらあえて二つのシリーズに差をつけさせようとしてこういう展開にしたのかも。 

次の彼女の活躍が楽しみです。巻末にQシリーズの紹介として登場人物の挿し絵がついてましたが、莉子は表紙絵にもなっているから顔は分かってますが、初めて小笠原と葉山刑事のお顔を拝見しました。小笠原は予想通りすらりとした顔のイケメン。そして意外や意外。葉山刑事がめちゃ色男だという・・・。私の中で想像していたお姿とだいぶ違ったので衝撃でした。今度から葉山刑事を見る目が変わるなぁ。


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