豊後ピートのブログ

元北アルプス槍ヶ岳の小屋番&白馬岳周辺の夏山パトロールを13シーズン。今はただのおっさん

愛山渓で消防隊員が滑落した件の調査結果が出ています

2018年07月29日 | 山岳遭難
先月ですが、北海道の愛山渓で救助活動に当たっていた消防隊員が雪渓で滑落し、意識不明の重体になるという事故がありました。


救助の消防隊員が意識不明 北海道上川、登山客は死亡
佐賀新聞  6/23 23:43

道の防災ヘリで現場付近の尾根に降下し、遭難者がいるところへ移動している途中、10メートルほど斜面を滑落して滝つぼに転落したという経緯なのですが、このたび調査結果が出ました。

6月の事故、消防隊員の装備不十分 旭川市消防本部が調査結果発表 /北海道
毎日新聞  2018年7月27日

引用
同本部によると、男性隊員の主な役割は応急救護や搬送作業だった。登山靴などは貸与されておらず、当日も平地での業務で使用する靴だった。また、消防とは別に救助へ向かった道警の動きを十分把握できておらず、情報共有の在り方も問題があったとしている。
引用おわり

滑落の消防隊員、山岳救助研修受けず現場に
北海道新聞 7/26(木) 5:30

引用
上川管内上川町愛山渓で6月下旬、遭難した女性(56)=死亡=の救助中に滝つぼに滑落し、意識不明の重体となった旭川市消防本部の男性隊員(32)が山岳救助の研修を受けないまま派遣されていたことが25日、分かった。同本部によると、隊員は装備の軽アイゼンを装着していなかったことも明らかになった。
引用おわり

雪渓上での行動に必要である登山靴を履いていなかったこと、そして軽アイゼンを着用していなかったようです。つまりは通常の消防隊員としての装備しかなかったということでしょうね。さらに道新の記事では降下した隊員が山岳救助の研修を受けていなかったことも書かれています。

引用
同本部は大雪山系を抱える上川町の消防組織を2014年に編入したのを機に、道警の山岳救助を支援する隊員の養成に着手。今春までに8人の隊員が外部研修を受けている。このうち、険しい山岳での実技訓練を行う国立登山研修所(富山県)の研修を受講したのは2人。他の6人は東京消防庁などの救助訓練に参加したが、重体の男性隊員はこうした研修も訓練も受けていなかったという。
引用おわり

ここで気になるのは、滑落した隊員の装備について「それでは危ない」と誰もアドバイス等をしなかったのか、ってところでしょうか。また研修を受けた隊員だけが行くようにという規定が無かったのか。はたまた、この時は消防本部の司令と一緒に搭乗しているのですが、司令も「通常装備」で、登山靴履いてなかったのでしょうか。軽アイゼンを着用していなかった、という話も出ていますが、これは持っていなかったのか、それとも持参していたけど面倒だから使わなかったのか…

これらの記事を読んだ限りですと、山に関して素人同然の人をロクな装備を持たせずに雪が残るハードな現場へ送り込んでしまったんだなと思いますね。なんとかならなかったのでしょうか。


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1 コメント

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うん (名無し)
2018-09-28 08:52:22
司令・・くそだね