【ヤマハ デジタルサックス『YDS-150』】
ヤマハから発売されているデジタル管楽器でデジタルサックスと銘打たれたYDS-150。発売初日である2020年11月20日に届いてから今日(11月22日)まで、今のところ飽きずに少しずつ触っています。とは言え、届いた11月20日は箱から出しただけなので、まだ実質2日間だけですが。
改めてその感想ですが、これ、やっぱり本物のサクソフォンの代用品って感じでした。
決して揶揄しているわけでなく、私はポジティブな意味でそう言っています。EWIシリーズなどのいわゆるウインドシンセサイザーというよりは、アコースティックなサクソフォンをデジタル化した楽器といってよいものですから。したがって、ソプラノからバリトンまで、本物のサクソフォンを所有していて、自宅でそれを吹ける環境を持っている方にはYDS-150は不要かもしれません。でも、そうでない場合、この楽器、使い勝手がよいと思います。
まず、キイシステムが本物のサクソフォンとほぼ一緒という点。
私はもう長年本物のサクソフォンは触っていないのですが、YDS-150に触れた瞬間、あの昔触っていたサクソフォンの感触がストレスなく蘇ってくるほどに。もちろん、細部の違いはあり、本物のサクソフォンを日常的に吹いている方々からもそれを指摘する声はあります。もっとも、本物のサクソフォンだってメーカーによる違いはあり、そんな程度のものとは言い過ぎか。ただ、キイをきちんと押さえないとすぐに違う音が出てしまうのですが、このあたりは本物のサクソフォンよりもむしろシビアで、だからこそ細部の微妙な違いにやり辛さを感じることがあるのは否めないけどね。まあ、EWIのタッチセンサーと同様に、慣れの問題かもしれませんが。
余談ですが、指っていうか運指っていうのか、その感覚って結構残っているものなのですね。私はこのYDS-150でかなり久し振りにサクソフォンっぽいものに触れたのですが、それにもかかわらず、例えば曲の中でキーが変わったりすると、自然とそのキー向けの指使いの準備ができている感覚がありました。これはきっと昔やっていたスケール練習などの賜物で、そういったものを今でも指が覚えているのって、何か感激すらしてしまいます。
次に、いつでも、どこでも、比較的安価にサクソフォンの演奏ができるという点。
とにかく、自宅で時間帯も気にすることなく吹けるというのが大きい。サクソフォンって自宅で吹いたらかなりうるさくなるからね。実は、このYDS-150、そのまま鳴らすと最大音量でもそれほど大きな音にはなりません。この点についてはいろいろな考えかたがあるのでしょうが、YDS-150は自宅で吹かれる機会が多いであろうことを念頭に置いているからかもね。さらに、ヘッドホンを使用すれば音漏れはほぼ完全に防ぐこともできるし。また、持ち運びなどといった面でも、かさばらないし、ソプラノからバリトンさらに他の楽器も含め、この一本で事足りるし(場合によってはアンプなどが必要になりますが)、それはリーズナブルであることにもつながっていくし(税込みで10万円近く掛かりますが、それでも)。
あとは、オーディオインターフェイスを経由してパソコンに音をとり込んで音楽制作がしやすい点。
これ、本物のサクソフォンで宅録するには、スタジオに近いようなそれなりの環境がととのわないと難しく、一般的な自宅ではなかなか。その点、YDS-150だったらラインでつなぐ方法がとれますから、普通の部屋なんかでも大丈夫。
一方、見方によってはネガティブな要素となる、ちゃんとしたアンブシュアを作らなくても最初からプロが吹くような音が出てしまうことや、顎をあうあうさせ、音高の揺れを作って自ら掛ける本来のビブラートができないことなど、これらはどう考えるべきか。
まあ、車でいえば、マニュアル仕様ではなくオートマ仕様であるということなのですが、でも、これはやはり各々の立場、考えかたによって違ってくるのでしょうね。先程言ったように、YDS-150は本物のサクソフォンの完全な代わりにはなりませんから、完全互換を求めてしまったら、それは違うとなります。しかし、完全な代わりではないと割り切って使ったり、サクソフォン未経験者や初心者などがハードル低く本格的なサクソフォン演奏を楽しんだりしたいのであれば、YDS-150は大いに有用だと言えるでしょう。
ヤマハ デジタルサックス YDS-150関連 書庫
・【ヤマハ YDS-150とアカイ EWI Solo】
・【一日の長】
・【ヤマハ デジタルサックス『YDS-150』がやってきた】
・【ヤマハ デジタルサックス『YDS-150』に触れてみて】
・【ヤマハ YDS-150で《ヴォカリーズ》を一発録りで吹いてみた】
・【ヤマハ YDS-150でクレストン《ソナタ》第2楽章を一発録りで吹いてみた】
・【ヤマハ YDS-150で何曲かさくっと吹いてみた】
・【ライバル出現? のヤマハ YDS-150だけど、フォーレのシシリエンヌを一発録りで吹いてみた】
・【ヤマハ YDS-150で《スペイン》をちょっとジャズってみた】
・【ヤマハ YDS-150で《レフト・アローン》を一発録りで吹いてみた】
・【ヤマハ YDS-150で《異邦人》を色々な音色で吹いてみた】
・【YDS-150とAE-10とEWI5000との吹き比べでカリフォルニア・シャワー、ロミオとジュリエット 愛のテーマ、ルパン三世のテーマを♪】
・【YDS-150とAE-10とEWI5000との吹き比べでハバネラ、シチリアーナ、情熱大陸を♪】
※以下、YDS-150のカテゴリー参照
ヤマハから発売されているデジタル管楽器でデジタルサックスと銘打たれたYDS-150。発売初日である2020年11月20日に届いてから今日(11月22日)まで、今のところ飽きずに少しずつ触っています。とは言え、届いた11月20日は箱から出しただけなので、まだ実質2日間だけですが。
改めてその感想ですが、これ、やっぱり本物のサクソフォンの代用品って感じでした。
決して揶揄しているわけでなく、私はポジティブな意味でそう言っています。EWIシリーズなどのいわゆるウインドシンセサイザーというよりは、アコースティックなサクソフォンをデジタル化した楽器といってよいものですから。したがって、ソプラノからバリトンまで、本物のサクソフォンを所有していて、自宅でそれを吹ける環境を持っている方にはYDS-150は不要かもしれません。でも、そうでない場合、この楽器、使い勝手がよいと思います。
まず、キイシステムが本物のサクソフォンとほぼ一緒という点。
私はもう長年本物のサクソフォンは触っていないのですが、YDS-150に触れた瞬間、あの昔触っていたサクソフォンの感触がストレスなく蘇ってくるほどに。もちろん、細部の違いはあり、本物のサクソフォンを日常的に吹いている方々からもそれを指摘する声はあります。もっとも、本物のサクソフォンだってメーカーによる違いはあり、そんな程度のものとは言い過ぎか。ただ、キイをきちんと押さえないとすぐに違う音が出てしまうのですが、このあたりは本物のサクソフォンよりもむしろシビアで、だからこそ細部の微妙な違いにやり辛さを感じることがあるのは否めないけどね。まあ、EWIのタッチセンサーと同様に、慣れの問題かもしれませんが。
余談ですが、指っていうか運指っていうのか、その感覚って結構残っているものなのですね。私はこのYDS-150でかなり久し振りにサクソフォンっぽいものに触れたのですが、それにもかかわらず、例えば曲の中でキーが変わったりすると、自然とそのキー向けの指使いの準備ができている感覚がありました。これはきっと昔やっていたスケール練習などの賜物で、そういったものを今でも指が覚えているのって、何か感激すらしてしまいます。
次に、いつでも、どこでも、比較的安価にサクソフォンの演奏ができるという点。
とにかく、自宅で時間帯も気にすることなく吹けるというのが大きい。サクソフォンって自宅で吹いたらかなりうるさくなるからね。実は、このYDS-150、そのまま鳴らすと最大音量でもそれほど大きな音にはなりません。この点についてはいろいろな考えかたがあるのでしょうが、YDS-150は自宅で吹かれる機会が多いであろうことを念頭に置いているからかもね。さらに、ヘッドホンを使用すれば音漏れはほぼ完全に防ぐこともできるし。また、持ち運びなどといった面でも、かさばらないし、ソプラノからバリトンさらに他の楽器も含め、この一本で事足りるし(場合によってはアンプなどが必要になりますが)、それはリーズナブルであることにもつながっていくし(税込みで10万円近く掛かりますが、それでも)。
あとは、オーディオインターフェイスを経由してパソコンに音をとり込んで音楽制作がしやすい点。
これ、本物のサクソフォンで宅録するには、スタジオに近いようなそれなりの環境がととのわないと難しく、一般的な自宅ではなかなか。その点、YDS-150だったらラインでつなぐ方法がとれますから、普通の部屋なんかでも大丈夫。
一方、見方によってはネガティブな要素となる、ちゃんとしたアンブシュアを作らなくても最初からプロが吹くような音が出てしまうことや、顎をあうあうさせ、音高の揺れを作って自ら掛ける本来のビブラートができないことなど、これらはどう考えるべきか。
まあ、車でいえば、マニュアル仕様ではなくオートマ仕様であるということなのですが、でも、これはやはり各々の立場、考えかたによって違ってくるのでしょうね。先程言ったように、YDS-150は本物のサクソフォンの完全な代わりにはなりませんから、完全互換を求めてしまったら、それは違うとなります。しかし、完全な代わりではないと割り切って使ったり、サクソフォン未経験者や初心者などがハードル低く本格的なサクソフォン演奏を楽しんだりしたいのであれば、YDS-150は大いに有用だと言えるでしょう。
ヤマハ デジタルサックス YDS-150関連 書庫
・【ヤマハ YDS-150とアカイ EWI Solo】
・【一日の長】
・【ヤマハ デジタルサックス『YDS-150』がやってきた】
・【ヤマハ デジタルサックス『YDS-150』に触れてみて】
・【ヤマハ YDS-150で《ヴォカリーズ》を一発録りで吹いてみた】
・【ヤマハ YDS-150でクレストン《ソナタ》第2楽章を一発録りで吹いてみた】
・【ヤマハ YDS-150で何曲かさくっと吹いてみた】
・【ライバル出現? のヤマハ YDS-150だけど、フォーレのシシリエンヌを一発録りで吹いてみた】
・【ヤマハ YDS-150で《スペイン》をちょっとジャズってみた】
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・【YDS-150とAE-10とEWI5000との吹き比べでハバネラ、シチリアーナ、情熱大陸を♪】
※以下、YDS-150のカテゴリー参照