今からちょうど140年前の今日・・・世界最大のゴシック建築物であり、世界文化遺産にも登録されている
ケルン大聖堂
Cologne Cathedral
が完成しました。
縦144.58m、横86.25m、建築面積7,914㎡という巨大さもさることながら、圧倒されるのは約157mある2つの塔の高さ。
かの有名な(クレーンを使って建設中の)サグラダファミリアの塔の高さが現在のところ92mだそうですから、その1.5倍以上・・・いかに壮大な建物であるか、想像に難くありません。
実はこのドイツ・ケルン市にある大聖堂は、3代目。
初代は4世紀に最古の聖堂として建てられました。
そして2代目として818年に建て替えられ、12世紀には神聖ローマ帝国の皇帝フリードリヒ1世がミラノから東方三銃士の遺骨をベツレヘムから持ち帰り奉納したことで、多くの巡礼者を集めたといいます。
ところが1248年4月に火災により焼失、同年から再建が開始されたのですが・・・あまりに巨大な大聖堂を計画したため、300年経過しても完成せず。
更に16世紀に入ると宗教改革などが原因で財政難に陥り、工事は以後200年にわたり中断。
しかし19世紀に入ると、ナポレオン戦争の影響でドイツ国内にナショナリズムが高揚し、ゴシック建築が再評価(ゴシック・リバイバル)されるように。
そんな中、1814年に紛失していたケルン大聖堂の設計図が発見され、ドイツ再興のシンポルとして1842年から建設を再開。
そして1880年8月14日、南塔に最後の石が置かれて完工・・・建て直しが開始されてから実に632年を要した計算になります。
その後南塔にかけられた鐘が第一次大戦時に金属供与のため接収されたり、第二次大戦時には連合国軍の空襲により爆撃されて内部が破壊されるなどしましたが、有名なステンドグラスを含め見事復旧し現在に至っています。
バベルの塔がそうであったように、限りなく天に近づくように塔を高く造り、聖堂内の天井もご覧のように見上げるような高さ。
(ここで歌ったら、凄く声が響いて気持ちいいだろうなァ~。)
なんて不謹慎にも思ってしまいます。
クレーンなどの重機がない時代に、よくもまぁこれだけ石を積み上げたものだ、と感心するばかりですが、実はこの歴史的建造物が危機遺産リストに加えられたことがあります。
それは2004年、大聖堂の近くに高層ビル建設のプランが持ち上がり、これが景観を著しく損なうというのが、その理由。
ケルン市当局は慌てて高さ制限を立法化するなど対策を立て、2年後にこの不名誉な指定は解除されました。
その高層ビル建設予定地は1kmも離れていたのに景観を損ねると指摘されたのは、大聖堂が図抜けて高かったから、ともいえましょうか。
是非一度は訪れてみたい歴史的遺産ですネ。