新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

内科救急ただいま診断中:ちょっとだけ宣伝(笑

2019-06-22 06:39:32 | 医学系

こんばんは

 

昨日の研究会や飲み会に参加した際に何人かの後輩から「3冊目の本も買いましたよ」と言っていただきました。それ以外に緊急入院で他の病棟に患者さんを入院させた際においてあったのでびっくりしました(笑

看護師さんが買ってくれたそうです。

 

外勤先の看護師さんも「使えそうだったので買った」と言っておりました。

 

ということで、ちょっとだけ3冊目の本の宣伝です。

 

疫学情報からは「ぐるぐる回るめまい」と患者さんが言っていたら「回転性めまい」です。めまいの55%は回転性めまいですが、命に関わる中枢性のめまいかが重要になります。脳神経系の症状があるか、めまいの発症の仕方や期間、めまいの持続時間などを確認します。これもほぼ問診です。

 

最後に診察になりますが、ここは看護師さんは飛ばしてもいいわけです。めまいの状況を医師に報告する際に、ポイントをつかんで報告できれば良いわけですから。

原則としての部分は救急搬送に色をつけても仕方がないということで、完成版には「回転性めまいで中枢神経症状がある」というようなところに色がついてますね。

あとは他の兆候もそうですが、基本的に日本と欧米の頻度、救急外来と一般外来での頻度などを論文から拾ってまとめてあります。頻度がわかっているだけでもかなり診断には役立ちます。この症状で、この状況(一般外来の胸痛ならば・・・とか)ならこの疾患が一番可能性が高い・・・など。

 

ベイズの定理の最初の段階ですね。その情報(状況、国別の頻度)が書かれている本があまりないので作ったというのが本音です。そのためこの本は全ての医療従事者に役立つと思っております。

で、フローチャートでどんな病気が考えられて、どういう対応をすべきかということが書いてあります。内科救急ですので外傷は書いていませんし、診断中ですから治療に関しては適切な診療科に紹介するところまでを書いています。・・・後半に専門医に紹介する必要はないだろうと僕が思っているレベルの処方例は書いてありますが、それは別項目でまとめています。

 

これはあくまで初校の時にこんなデザインでどうか・・・という確認で送られて来たPDFなので、完成品はもう少し良い状況になっていると思います。そこから見直しているので。

 

この本の宣伝ポイントは「ほぼ問診でどの可能性が高いか症候ごとに判断できる」ことです。しっかりと話を聞くことができれば良いので、看護師さんや救命士さんにも使っていただけると思いますし、むしろ使って欲しいなぁと思っているところです。

 

診断のステップは基本的に患者さんの症状がどうかですので、ここが間違っていると話が変わって来ます。患者さんの問診がきちんと行われれば診断確率は見えてくるはずです。

 

そういうことで、ちょっと宣伝をさせていただきました(笑

 

内科救急 ただいま診断中! mini
渡邉 純一
中外医学社

 

いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。

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それでは、また

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2 コメント

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Unknown (女王様)
2019-06-25 17:24:21
問診。
確かに重要ですね。 特に急患ならば。

が これがなかなか厄介。
救急車呼ぶときや夜間診療をTELで頼むとき 説明をする。

病院に着くと受付でまた説明する。 さらにナースが来て「どうしました?」、 でやっと医師にたどりつくとこれまた「どうしました?」。
3回も4回も同じことを繰り返すということは 無駄に3倍の時間がかかっているわけです。
どこかでうまく割愛すれば 病院の効率も上がると思うんですけどね。
しんどい時はもう 説明する気力すら萎えてきます。
遠隔とは少し違いますが これだけネットが広がっているのだから 5W1Hの雛型をつけたアプリですぐ診療に入れればと思います。

病院て段取り悪いなーと思うことがしばしばあります。
受付は2階へ、採血でまた1階へ。 2階受付に戻り今度はレントゲンで地下に行け とか。
いつになったら診察にたどり着くんだ?と思ったり。
もう少し効率化を上げたら いくらか大赤字も解決できるのではないかと感じます。

アンフェタ先生のご本で 初期問診がうまくなるスタッフが増えるといいですね。
聞き方がヘタなナースや医師も少なくないです。 さっき言ったでしょー? とか。
一番おかしかったのが
医師「いつから?」
私「昨日起きてから‥」
医「昨日朝ですね」
私「いや、夕方かな」
医「起きた時じゃないの?」
私「‥起きたらサザエさんやってたので」
医「え!そんなに寝てたの!」
‥日曜くらい寝て過ごしたっていいでしょー。
起きるイコール朝 は先入観ですよ(笑)。
もちろん私が 昨日夕方から と言えば済んだんですけれど。

来週 1ヶ月後のISが出ます。
これも効率が悪いと思い 外来の2週前に透析ついでに採血してもらうようにお願いしました。
透析して採血室に行き外来を待ち さらにISのためにまた2週間後に時間かけなければならないのが くたびれてしまうので‥。
セッカチなんですね私。
気になる数値だから早く知りたいとか 週3も透析に通ってるとそれ以外行きたくないのもあります。
透析ない日は近くを通りたくもない アレルギー症状です。

幸い 喘息は好転していますし、腎臓はもう仕方ないからあとはCMLだけいい程度で維持できたらと願う次第です。
ひとつすつ。
ひとつすつ 違う薬が増えるのが思うようにいかないです。
副甲状腺の値があがり レグパラ増量。
副甲状腺とは何か・高いとどうなるのか・なぜ上がるのか。 そういう説明がまったくないと不安になりますよね。

アンフェタ先生のご本を読ませないくらいです。

気づいたらもうすぐ7月。
上半期終わってしまうとビックリします。
大雨があったり地震が来たり、物騒な事件があったりあわただしくてついてゆけません。
透析から初めての夏。 水分コントロールできるか不安なんですが 不安と言いながらガリガリ君をかじっております。

金魚ちゃんは無事に育ってますでしょーか。
先生のお好きなカブトムシもそろそろ季節ですよね。
新しいおうちが緑豊かになりますように。
問診は大事です (アンフェタミン)
2019-07-05 22:35:30
>女王様さん
こんばんは、コメントありがとうございます。

問診が医療の基本中の基本だと思うのですが、かなりおろそかになっていると思います。

患者さんの話を聞くことができなければ、正しい診断にはたどり着きませんし、思い込みで失敗することも多々あるのではないかと思います。

救急の問診、うまいことできれば良いのですが、なかなかシステマティックにはできていないことも多いですよね。

コメントの返信が遅くなったため、ISの結果は出ているのだと思いますが、改善していることを祈念しております。

金魚・・・。今朝、大量死しておりまして、原因もいろいろかと思いましたが、とりあえず水を変えたり色々やっておりました。メダカが概ね元気なのはありがたいことですが。

また、コメントいただければと存じます

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