「マッキーのつれづれ日記」

進学教室の主宰が、豊富な経験を基に、教育や受験必勝法を伝授。また、時事問題・趣味の山登り・美術鑑賞などについて綴る。

マッキーの『四季を楽しむ』:国立科学博物館付属自然教育園の秋

2018年10月24日 | 四季の植物と風景

 10月21日(日)、都心の港区白金台にある、国立科学博物館付属自然教育園へ小4の娘と出かけました。都心とは思えない自然がいっぱいの植物園です。この植物園に、私は年に1~2回訪れます。山歩きをしているような錯覚に陥るほど、かつては随所にあったであろう武蔵野の自然が保存されています。その中で生育している植物だけではなく、様々な昆虫や鳥類を観察することができます。



 紅葉にはまだ早く、夏の動植物の活発な活動が収束して、静けさを取り戻した植物園でした。山歩きでは、もっと変化のある植物を観察できますが、植物園は比較的気軽に山野の植物を観察できる場所ですので、中高年の夫婦や子ども連れが多く入園しています。

 実りの秋が到来し、地面にはドングリがたくさん落ちていました。また、様々な木々の実が観察できました。ノブドウの実は、とても綺麗な色をしています。ただ、ブドウやヤマブドウとは種類が異なり、食用には不向きです。白い実が本来の色で、青色や紫色の実は、虫が寄生している寄生果なのだそうです。したがって、主に果実を観賞する目的で、園芸植物として栽培されることがあるそうです。

(木の実 上から順にカラスウリ・クサギ・ノブドウ・マユミ・ガマズミ・センニンソウ














 この時期に高尾山に登ると、ホトトギス・ツリフネソウ・キバナツリフネソウ・シモバシラや各種アザミなどを見ることができます。そうした植物を、都心の植物園で気軽に観察できます。

チャノキは、ツバキ科ツバキ属常緑樹です。チャノキの葉は人間が口にする嗜好品として加工されます。日本の地図記号茶畑を表す記号は、果実を図案化したもので、花よりも実の方が一般的に知られているようです。

(咲いていた花:上から順にチャノキ・ツリフネソウ・ホトトギス・アザミ・シロヨメナ・ユウガギク・ススキ














 水生植物園周辺には、アキアカネヒョウモンチョウが多数みられます。また、ジョロウグモも至る所にクモの巣を作っていました。ジョロウグモは、体は警告色をしていて、ハチのようですが、若干の毒を持っているそうです。ただ、人間には差し障りの無い程度の毒です。このクモは、鳥の餌になったり、地上に落ちればアリの餌にもなります。見た目ほど強い虫ではないようです。

 下のチョウの2枚の画像は、文様が異なりますが、両方ともツマグロヒョウモンのようです。体内に毒を持つマダラチョウの仲間です。この時期に高尾山系でよく見かけるアサギマダラの仲間と言うことになります。アサギマダラは、海を渡ってくるチョウとして有名です。ふわふわと鷹揚に飛びますが、ツマグロヒョウモンも同様にふわふわとした飛び方をしていました。アオスジアゲハもいましたが、こちらは神経質に羽を細かく羽ばたかせています。ユウガギクの案内板の上には、コバネイナゴが乗っかっています。本来はヨシなどの生えた湿った環境を好み、イネ科植物のを食べるため水田に多く生息し、イネの葉を食べるので農業害虫として扱われるそうです。
 











 最後に、園内で見かけた印象に残った出来事を綴ります。幼児連れの親子がいました。父親が、幼児を呼び寄せて話し始めました。「この植物園のドングリは、昆虫や鳥などの動物の餌になっているから、持ち帰ることができないんだよ。」その話を聞いた幼児は、ちょっと躊躇しましたが、手に持っていたドングリを地面に落としました。

 一般的な植物園では、落ちている葉でさえ持ち帰ることを許可していません。枝から取ったのか、本当に落ちていたのか判定が難しいことから、事務的にそうしたルールを決めているのでしょう。また園内には、貴重な植物の種子もあるわけですから、一律的なルールもやむを得ません。

 父親の説得は、一見杓子定規のように思いますが、きっぱりと持ち帰ることを否定したことは、とても良いこと
だと思いました。その子は、記念のドングリを持ち帰る代わりに、父親のルールを守る態度を学びました。地面に無数に落ちているドングリですので、幾つかを持ち帰ってもよさそうに思いますが、それでもダメなことはダメと言い聞かせるのも、大切な教育的態度だと思いました。

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